戦わない最強戦士   作:223系新快速

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第41話 本領発揮

私は黒いドロドロの中を必死に進む。いた。ボーデヴィッヒさんだ。苦しそうにしている。早く助け出さないと。

 

あゆみ「ボーデヴィッヒさん!」

ラウラ「お前は、坂上あゆみ...。」

 

気付いた。良かった。

 

あゆみ「ボーデヴィッヒさん、今貴方はどう思っている?」

ラウラ「強く、なりたい。教官と同じくらい強く...。」

 

あの時の私と同じだ。

 

あゆみ「その思いに、機体が過剰に反応しちゃったんだよ。確かに織斑先生と遜色ないくらいにまで力は強くなったけど、ボーデヴィッヒさんはその力を扱えていない。」

ラウラ「そうなのか...。私にはあの人と肩を並べることはできないのか...。所詮は出来損ないなのか...。」

あゆみ「出来損ない、か。もしボーデヴィッヒさんが出来損ないなら、織斑先生も含めてこの世界に住む人はほぼ全員出来損ないだよ。」

ラウラ「なっ、教官が出来損ない!?そんなこと...。」

あゆみ「さっき織斑先生に聞いたよ。この年齢でどれくらいISを操縦できていたかって。機体の性能差を差し引いても、確実にボーデヴィッヒさんの方が上だって。」

ラウラ「しかし、こんな風に力に振り回されている時点で、教官の足元にも…。」

あゆみ「失敗は若い人の特権だよ。大丈夫、やり直せるよ。」

ラウラ「お前、強いな。こんな風にアドバイスできるなんて。」

あゆみ「私?全然強くないよ。私も、こんなことになったことあるから、言えるだけ。」

ラウラ「つまり、経験者という訳か。それだけでも、私より強いな。」

あゆみ「ボーデヴィッヒさんも十分強いよ。さあ、ここから出よう!」

ラウラ「あ、ああ...。くっ、駄目だ、力が…。」

あゆみ「分かった。抱えるよ。」

 

私はボーデヴィッヒさんを抱える。

 

~管制室~

千冬「くっ、失敗か...。」

 

その時、坂上がボーデヴィッヒを抱えて出てきた。

 

千冬「やりやがったな、坂上…。」

 

~アリーナ~

ボーデヴィッヒさんは気を失っている。早く手当てしないと。先生方が駆けつける。

 

あゆみ「直ぐに手当てをお願いします!」

 

先生に任せる。ボーデヴィッヒさん、死なないで。

 

シャルロット「あゆみ、大丈夫?怪我はない?」

あゆみ「大怪我はしていないけど、人一人背負ったのと、飛び込んだせいか、ちょっと傷はあるよ。私も保健室に行く。」

シャルロット「それがいいよ。」

 

~事情聴取室~

僕と布仏さんと織斑君が事情聴取を受けている。

 

千冬「成程、よく分かった。」

本音「いきなり変形した時は驚いたのだ。」

シャルロット「あれ、VTシステムですよね。」

千冬「あ、ああ。だが、他言はするな。」

シャルロット「分かりました。」

本音「何にせよ、あゆみんが無事で一安心なのだ~。」

シャルロット「そうだね。けど、彼は完全に邪魔者だったね。」

本音「最悪だね。」

 

僕達は織斑君を睨む。

 

千冬「その通りだ。織斑、お前は規則違反を犯した。罰として反省文50枚だ。」

一夏「なっ、それを言うなら坂上もじゃないか。それに、シャルルは俺を筒で気絶させたぞ。」

千冬「ああ。だから坂上にも罰を課す。それからデュノアのとった処置は、坂上のやろうとしていることを妨害なく進めるための必要行為ということで問題なしだ。さて、私はボーデヴィッヒの様子を見てくる。」

 

織斑先生が出ていく。

 

一夏「シャルル、酷いじゃないか。筒で俺を気絶させるなんて。」

シャルロット「あのまま放っておいたら坂上さんの邪魔するのは目に見えていたからね。」

本音「何もできなかったくせに、出しゃばるなんて図々しいのだ!」

 

僕と布仏さんの睨みに、織斑君は毒づきながら出て行った。

 

~保健室~

「はい、終わりですよ。」

あゆみ「ありがとうございます。」

 

幸い怪我は軽く、直ぐに手当ては終わった。念のため脳波や心電図も撮られたけど、全て異常なしだった。早くボーデヴィッヒさんのところに行かないと。

 

~集中治療室~

織斑先生が既にいた。

 

千冬「ドイツめ、あんなものを載せて…。」

あゆみ「織斑先生、ボーデヴィッヒさんの様子はどうですか?VTシステムが作動した以上、無傷では済まないでしょうが。」

千冬「何故それを知っている。」

あゆみ「これくらいわかりますよ。」

 

本当はラファールが教えてくれたんだけどね。

 

千冬「まあいい。ボーデヴィッヒの状態だが、生命維持装置のお陰で辛うじて生きている状態だ。」

あゆみ「...。分かりました。中に入ってもいいですか。」

「ええ。」

 

ギュッ

 

ボーデヴィッヒさんの手を握る。このまま死なせはしない。

 

「え、これってまさか...。」

あゆみ「どうしたんですか?」

「さっきまで心拍数、呼吸数ともに不安定だったのに、急に安定してきました。」

あゆみ「私、ボーデヴィッヒさんが目を覚ますまで傍にいます。」

千冬「ん、そうしろ。」

 

私はボーデヴィッヒさんのベッドに潜り込む。

 

あゆみ「絶対に助ける。例え夢の中に出てでも。」

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