第44話 専用機持ちの葛藤
私を差し置いてあゆみさんを独り占めしようだなんて、そうはいきませんわ。私が最初に仲良くなったのですもの。
あゆみがボーデヴィッヒさんとキ、キキキ、キスを…。なんてふしだらな。だが、一夏の恋人の手前、私は迂闊に動けない。
ラウラってば、大胆すぎるよ。あんなの僕には無理だよ。
バシィ バシィ バシィ
千冬「お前達、ちゃんと集中しろ。」
「「「は、はい…。」」」
クックック、慌てているぞ。流石クラリッサ、的確なアドバイスだ。
千冬「お前もにやけ過ぎだ。」
いかんいかん、顔に出ていたか。軍人たるもの、表情を読まれてはいかん。
専用機持ちの皆が集まってくる。
セシリア「あゆみさん、これから私と一緒に訓練しませんこと。」
箒「いや私だ。」
シャルロット「僕とだよ。」
ラウラ「残念だが、あゆみはこれから私と用があるのだ。」
セシリア「くっ、なんですの。」
ラウラ「罰としてのトイレ掃除だ。」
これでは誰も文句は言えん。
箒「うっ…。」
ラウラ「さ、早いとこ行くぞ。」
あゆみ「う、うん。」
私とラウラさんがトイレ掃除をしている。
ラウラ「教官から聞いたぞ。お前は別の世界で戦士だったと。」
あゆみ「うん。でも、今は力を失っているから只の一般人だよ。」
ラウラ「それにしては行動が一般人離れしているがな。」
あゆみ「エヘヘ、私の強さは腕力じゃないからね。」
ラウラ「しかし、お前とデュノアのペアは強かったな。特にAICキラー作戦は対処のしようがなかったぞ。」
あゆみ「あれは、AICに拘束されたふりをしていただけだよ。」
ラウラ「なっ、私は引っかかっていたのか。」
あゆみ「回避にかけては私は相当な腕を持っているからね。」
ラウラ「私もまだまだ精進しないといかんな。単騎なら篠ノ之も強かったな。」
あゆみ「あれ、織斑君が作戦無視してボーデヴィッヒさんに突っ込んでいったからね。先に布仏さんを倒していたら二対一になって、勝負は分からなかったと思う。」
ラウラ「あいつ、そんなことを。やはり、認められんな。」
あゆみ「織斑先生の弟ということ?」
ラウラ「そうだ。次機会があったら一対一で蹂躙してやる。」
一夏「誰を蹂躙するんだ。」
織斑君だ。タイミングいいのか悪いのか。
ラウラ「お前に決まっている。」
一夏「なら今から勝負だ。」
ラウラ「受けて立つ、といいたいところだが、私のISは修理中だ。それが終わってからだ。」
一夏「待っているぜ。」
織斑君が去っていく。
あゆみ「ボーデヴィッヒさんの実力なら織斑君は敵ではないけど...。ただ勝つつもりはないよね?」
ラウラ「当然だ。徹底的に蹂躙して精神を破壊する。」
あゆみ「うーん、それ、2組の鈴さんも近いことやっているんだよね。鈴さんの場合、織斑君に恋心があったからそこまで徹底してないけど、不屈の魂で立ち上がってきたよ。」
プリキュアのチームリーダー並みだ。
ラウラ「...。なら、奴の必殺技を受けたうえで倒す。」
あゆみ「ええ!?零落白夜を!?いくらボーデヴィッヒさんでもあれを食らったら...。」
ラウラ「教官の零落白夜なら間違いなく一撃必殺。だが奴の零落白夜は必ず隙ができるはずだ。自分のシールドエネルギーを消費するのだから、失敗すれば自滅だ。致命傷にならない程度には受けたうえで、隙をついてのカウンターパンチだ。」
あゆみ「それならいけるかも。訓練に付き合うね。」
ラウラ「それはありがたい。」
2人の様子を私達は見ている。途中で鈴も加わり、こっそりと尾行する。
セシリア「うう、このままではあゆみさんをとられてしまいますわ。」
箒「完全にラウラにぞっこんではないか。」
シャルロット「ねえ、変じゃない。」
鈴「何がよ。」
シャルロット「女の子同士で仲良くしているのに、何でこんなに僕達、やきもち焼いているんだろう。」
箒「い、言われてみればそうだ。」
セシリア「も、もしかして、私達、ききき、禁断の愛を…。」
鈴「う、嘘でしょ…。」
箒「い、いかんいかん、同性愛など…。」
シャルロット「ねえ、僕達が何でそんなにあゆみのことが気になるのか整理してみようよ。」
校内中のトイレを綺麗にした。
あゆみ「これで終わりだね。手伝ってくれたから早く終わったよ。」
ラウラ「そうだな。」
私は周りを見渡す。
ラウラ「どうした?」
あゆみ「ちょっと付いてきて。」
ラウラ「ああ。」
坂上も気づいていたのか。我々を尾行する存在に。我々はそっと後をつける。
ラウラ「私の部屋に入っていったぞ。」
あゆみ「そっか。じゃあ、私はここまでだね。」
ラウラ「そうか。また明日。」
あゆみ「うん。」
~シャルロットの部屋~
シャルロット「じゃあ、あゆみの良さを一人ずつ順番に挙げていこうか。」
セシリア「凄く優しいですわ。私は彼女の優しさに救われたのですわ。」
箒「強いな。一般生徒でありながら専用機相手に勝つ実力もそうだが、私に強さというものを教えてくれた。」
鈴「気配りができるわね。あゆみがいなかったら、あたしはこの学園に溶け込めていなかったわ。」
シャルロット「凄く行動力がある。もしあゆみの行動力がなかったら、今頃僕はスパイということで牢屋行きだったよ。」
紙にはあゆみのことが書いてある。私達はそれを読む。
鈴「強くて、優しくて、気配りができて、行動力がある。」
箒「これって、理想の夫ではないか。」
シャルロット「ねえ、もしあゆみが男だったらどうなる?」
セシリア「完全に惚れて告白していますわね。」
ラウラ「フッ、付け加えるなら、断固として貫き通す意思もだな。あれがなければ、私は今頃ミンチだ。」
ボーデヴィッヒが立っている。
セシリア「ラ、ラウラさん!?」
箒「いつからいたのだ。」
ラウラ「最初からだ。」
シャルロット「じゃ、じゃあ、全部聞いていたの?」
ラウラ「当然だ。しかし、クラリッサの指示は正しかったな。」
セシリア「指示ですか?」
ラウラ「ああいう風にすれば思い人を独占できるとな。」
シャルロット「悔しいけど、その通りだよ。」
鈴「あんな恥ずかしいこと、出来るわけないでしょ。」
ラウラ「フフフ、私の勝利だな。アーッハッハッハ!」