ラウラ「いよいよ私の番か。」
ラウラさんがシュヴァルツェア・レーゲンを身に纏う。
あゆみ「やっと修理が終わったんだね。」
ラウラ「コアだけは無事だったが、残りは全部一から組み立て直しだったからな。幸い予備のパーツはあったからそこまでかからなかったが。だが、待った分、思い切り暴れてくるぞ。」
~ステージ~
織斑一夏(教官の汚点)が先に待っていた。
一夏「俺が勝ったら、あの時のことを謝ってもらうぜ。」
ラウラ「お前が勝てたらな。」
ピーッ
「試合開始!」
一夏「うおおおおっ!」
ラウラ「フン、相変わらずの猪突猛進。全く学習していないな。」
私がAICで動きを止める。
一夏「くっ。なら。」
ブレードを引き抜こうとするところで、AICをいったん解除する。
一夏「なっ。なら。」
すぐさま再びAICを発動。
一夏「なっ、なんだこれは。」
ラウラ「フン、馬鹿は治っていないようだな。態々敵に教える馬鹿がどこにいる。」
よし、ちょっとだけ受けてやるか。零落白夜を受け、シールドエネルギーがわずかに減る。
一夏「よし、これなら。」
フン、一撃がそんなカス当たりでは何百回も攻撃しないと削り切れない。だが、零落白夜はシールドエネルギーを大量に消費するから何発も繰り出せん。貴様の攻撃など、零落白夜以外は怖くないから、勝ち目などない。
一夏「くっ、もうシールドエネルギーが…。」
ラウラ「食らえ!」
レールカノンを命中させ、シールドエネルギーを0にする。
ピーッ
「勝者、ラウラ・ボーデヴィッヒ!」
ラウラ「フン、あっけなさすぎだ。」
私はピットに戻る。
~ピット~
ダリル「全勝だね。」
フォルテ「流石っスね。」
楯無「ま、これで貴方を敵視する者は、ここにいる専用機持ち全員を敵にするのと同じことよ。後は、言わなくても分かるわね。」
あゆみ「はい。」
そこにラウラさんが戻ってくる。
あゆみ「AICはあんなふうにも使えるんだね。」
ラウラ「まあな。」
シャルロット「ああいう使い方ができるなら、相手の動きをいったん止めて、自分が回避して、攻撃を空振りさせることもできるね。」
ラウラ「そっちの方が良かったな。次からそうしよう。」
鈴「予想通り過ぎて拍子抜けだわ。」
ラウラ「だが、何度負けても挑んでくる。負けん気だけは一人前だ。」
あゆみ「彼、漫画の主人公タイプだからね。」
ラウラ「何っ。よし、クラリッサに対処法を聞こう。」
あゆみ「誰?」
ラウラ「私の所属する部隊の副官だ。日本の漫画やアニメに詳しいから、こういう時の対処法も知っているはずだ。」
ピッ
クラリッサ「はい、クラリッサです。」
ラウラ「私だ。クラリッサ、お前の知恵を借りたい。」
クラリッサ「と言いますと。」
ラウラ「織斑一夏、あいつの心をへし折りたいのだが、中々上手く行かん。あゆみは、奴は主人公タイプだと言っている。それで、いい方法が有れば教えてくれ。」
クラリッサ「難しいですね。日本の漫画やアニメでは、主人公は不屈の魂を持っています。偶に気持ちが折れることがあっても、周りがフォローして立ち直らせてしまいます。」
ラウラ「奴の周りにはそれらしい人物はいない。行けると思うが。」
クラリッサ「でしたらなおさら駄目ですね。それはつまり、物語開始直後の無双モードです。下手に手を出すとこちらが痛い目に遭います。」
ラウラ「それでは手の付けどころがないではないか。」
クラリッサ「ええ。漫画やアニメなら。ですが、漫画と現実は違います。隊長が突くのはそこですね。」
ラウラ「ふむ。分かった。では、これで切るぞ。」
電話を切る。
あゆみ「何かアドバイスあった?」
ラウラ「漫画と現実の違いを突け、とのことだ。」
あゆみ「うーん…。」
ラウラ「何だ、何か考えがあるのか。」
あゆみ「あるにはあるけど、明確な敵でない相手にこれ使うのは流石にどうかと...。」
あれはダメージが大きすぎる。
ラウラ「何だ、早く言え。」
あゆみ「織斑先生がショック受けることになったとしても?」
ラウラ「う。」
あゆみ「迷いがあるうちはこの作戦は絶対に失敗する。概要は説明するけど、使うかどうかはボーデヴィッヒさん次第。」
ラウラ「知っておくのと知らないのとでは大違いだ。教えてくれ。」
あゆみ「じゃあ言うね。戦士として他の戦士を見てきた私が気にしていたこと。それは、戦意喪失になってないか。」
ラウラ「何だ、当たり前のことではないか。」
あゆみ「確かに、軍隊にいたボーデヴィッヒさんには当たり前のことかもしれない。でも、軍隊とISの戦意喪失は訳が違う。」
ラウラ「どういうことだ。」
あゆみ「異世界で私が変身していた戦士は、その存在とか戦い方がISに酷似している。しかも、変身者の精神状態が強さに直結していた。」
ラウラ「それで。」
あゆみ「織斑君の一番大切な身上、これを全否定できれば、織斑君は精神的に立ち直れなくなる。そして、場合によっては、もうISを操縦できなくなることもあり得る。」
ラウラ「成程。ならば早速...。」
あゆみ「だけど、事はそう簡単じゃない。まず身上を断定するのが難しいし、仮に成功したとしても、織斑先生が喝を入れると思う。」
ラウラ「...。つくづく面倒だな。」
あゆみ「そう簡単じゃないよ。肉体的に殺さずに精神的に殺すのって。ボーデヴィッヒさんはそれが専門という訳じゃないし。」
それが専門の人なら、結構効く。カワリーノ、ジョーカー、レッド…。プリキュア達の天敵は皆精神攻撃が得意だった。だけど、そういう事が出来るのは、元々の性格が狡猾だから。ボーデヴィッヒさんはそういう性格じゃないし、そうなって欲しくない。
ラウラ「ならば、奴の攻撃を悉く返り討ちにして圧倒的な差を見せつけて弱さをはっきりと示す他ないな。」
あゆみ「そうだね。」