~ピット~
あゆみ「ふう~、今日の訓練もきつかったなあ。」
シャルロット「あゆみの回避は相変わらず凄いね。僕も見習わないと。」
あゆみ「うん。攻撃できる人でも、回避は上手い方がいいに決まっているからね。それにしても、もうすぐ臨海学校だね。」
ISの訓練を行うけど、初日は自由行動だ。
シャルロット「水着を買いに行かないと。」
あゆみ「あ~そうか、男の子として入って来たから、水着がないのか。」
シャルロット「うん。」
あゆみ「じゃあ、次の土曜にレゾナンスに行こう。」
レゾナンスは、大型ショッピングモールのことだ。そこなら、何でも揃っている。
シャルロット「いいよ。」
やった、あゆみと2人きりでデートだ。
2人が出て行ったのを見届けて私達は集まる。
鈴「聞いた?」
箒「聞いたぞ。あゆみと2人きりでデートとは。」
セシリア「抜け駆け禁止ですわ。」
ラウラ「よし、全員で尾行だ。」
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
土曜日、私はシャルロットさんを待っていた。
シャルロット「お待たせ~。」
あゆみ「それじゃあ、行こうか。」
シャルロット「そうだね。」
2人が寮を出る。
セシリア「いよいよですわね。」
箒「ううむ、やっぱり普通に加わった方がいいのでは…。」
セシリア「今更言えますか?」
箒「うっ…。」
鈴「それに、スパイみたいで何か面白いじゃん。」
ラウラ「その通りだ。」
私達はサングラスをかけ、後を付ける。
~湘南モノレール~
シャルロット「モノレールって、吊り下げているのと股がっているのがあるんだね。」
あゆみ「うん。」
キキーッ
急ブレーキだ。シャルロットさんがよろける。
あゆみ「危ない!」
ガシッ
片手を吊革に絡ませ、手を回してがっちり体を支える。
あゆみ「大丈夫?」
シャルロット「う、うん。あ、ありがとう…。」
あゆみ「たまにこういう急停止があるから、しっかり掴まっておかないと。」
シャルロット「わ、分かった。」
僕はあゆみに手を回す。
あゆみ「シ、シャルロットさん!?」
シャルロット「な、何かな?」
あゆみ「えーと、流石に回りの視線が…。」
慌てて周りを見回すと、イチャイチャするな!という雰囲気を醸し出している。
あゆみ「掴まって、というのは、吊革に、だよ。」
シャルロット「あ、これってそのためにあったんだ。」
あゆみ「電車って乗らないの?」
シャルロット「フランスではあまり、ね。」
でも、手を繋ぐ位はいいよね。
ギュッ
あたし達は隣の車両から様子を伺っていた。
鈴「ねえ…。」
セシリア「何ですの。」
鈴「手、繋いでるよね。」
セシリア「繋いでますわね。」
箒「見間違いでも白昼夢でもないな。」
鈴「よし殺そう。今殺そう。」
ラウラ「まあ待て。今のはラッキースケベの類いだ。もう少し様子を見よう。」
~レゾナンス~
私達は服屋で水着を選んでいた。
あゆみ「うーん、これかな。」
シャルロット「僕はこれにするよ。」
お互いに買い物を済ませ、レジに持っていこうとする。
千冬「おや、お前達も来ていたのか。」
あゆみ「織斑先生、山田先生。」
シャルロット「先生も水着選びですか。」
千冬「ああ。しかし、気を付けろよ。ネズミが4匹うろついているぞ。」
あゆみ「…。分かりました。」
私達は様子を伺っていた。
鈴「先生達がいるなんて計算外よ。」
セシリア「下手に出ていったら…。」
ラウラ「心配するな。息を潜ませていれば気付かれん。」
私達は店を出る。
あゆみ「さてと、この後どうしようかな。」
シャルロット「買い物は済んだし、お昼時だからどこかの店に入ろうよ。」
あゆみ「それはいいんだけど…。ん。」
私はあることに気付く。
シャルロット「どうしたの。」
あゆみ「ちょっと持っていて。」
私は水着をシャルロットさんに渡し、とある方向に走る。
弾「こ、困りますよ。」
「いいから払いなさいよ。男のくせに。」
やっぱりだ。赤い髪の男の人が女の人にカツアゲまがいのことをされている。ISは女性しか扱えないということで、女尊男卑の社会になっているのだ。プリキュアも女の子しか変身できなかったけど、女尊男卑なんて風潮は全く起きなかったなあ。周りの人も見て見ぬふりだし、私が出ていくしかなさそうだ。
あゆみ「随分と偉そうなこと言うんですね。」
「あんた何よ。」
その女性が私のことを睨んでくる。
あゆみ「こういう者です。」
私は鞄からIS学園の制服を取り出して羽織る。
「そ、その制服…。し、失礼しました!」
その女性は一目散に逃げだした。
あゆみ「全く…。」
ああいう虎の威を借る狐はプリキュアの皆が一番嫌う存在だ。そして、そういう人は権力に歯向かう気がないから、見せただけで逃げ出す。まさかIS学園の生徒ってだけで、詳しく問いただしもせずに逃げ出すとは思わなかったけど。
弾「すみません、助けていただいて…。」
あゆみ「別にいいですよ。それより、毅然とした態度で臨まないとカモだと思われますから、気を付けてください。」
弾「は、はあ…。」
ボコッ
蘭「お兄、何口説いているのよ。」
弾「ら、蘭、これは違うんだ。」
蘭「言い訳無用!」
あゆみ「まあまあちょっと待って。私が説明するから。」
私は経緯を説明した。
蘭「なーんだ、そんなことだったんだ。」
弾「そんなことって…。あ、それより、名前、まだ聞いていませんでした。」
あゆみ「坂上あゆみです。」
弾「五反田弾です。」
蘭「妹の蘭よ。織斑一夏さんがIS学園に通っているんですけど、どんな感じですか。」
あゆみ「同じクラスなんだけど、行動が空回りすることが多いかな。志は立派なんだけどね…。もしかして、憧れ?」
蘭「えーと、その、何というか…。」
モジモジさせ始めるのを見て私は察する。
あゆみ「無理に言わなくてもいいよ。じゃあ、またの機会に。」
蘭「は、はい!」
私はシャルロットさんのところに戻る。
シャルロット「流石あゆみだね。いつも持ち歩いているの?」
あゆみ「いつどこで何が必要になるか分からないからね。」