あゆみ「ラファール、この試合、色々試すよ。」
ラファール7「はい。」
千冬「試合開始!」
箒「でやーっ!」
箒さんが剣道を生かした鋭い刀捌きで向かってくる。それを私は全力で回避する。刀だけど、エネルギーを使っての攻撃もできるから、ただ距離を取ればいいというものでもない。私は少し距離を開ける。
箒「くっ、また絶妙な間合いを…。」
箒さんは雨月からエネルギー刃を出してくるけど、慣れていないからそのパターンは単調だ。
千冬「坂上の奴、相変わらず距離の取り方が上手いな。」
シャルロット「刀がぎりぎり届かない位置にいるから
ラウラ「だが、箒はエネルギー系の武器は扱い慣れていない。」
セシリア「これはあゆみさんのペースですわね。」
面白くない。なら。
束「今の箒ちゃんには斬撃のほうが扱いやすいよ。」
箒「わかった。」
試合中にアドバイスを送るのはあんまりフェアじゃないけど、これは公式試合じゃない。それに箒さんが強くなるほうがいい。さてと、斬撃を飛ばすなら、こっちもそれ相応の手で対抗しないと。
ビュッ
何発も来る斬撃を素早く前後上下左右に動いて回避する。
箒「な、なんだ、ぬるぬるっと気持ち悪い動きしたぞ。」
あゆみ「確かに気持ち悪いかもしれないけど、これは
束「う、嘘でしょ~。」
千冬「五月蠅いぞ束。」
篠ノ之博士が叫ぶ。それを織斑先生が叩く。
理子「それ物凄い高等技術だよね~。」
ティナ「どういうこと?」
私が指導した人と代表候補生の皆は分かっているけど、他の人ははてなマークだ。
千冬「ボーデヴィッヒ、説明しろ。」
ラウラ「はい。スラスターに次々に点火することで自在な方向に加速できる、強力な
シャルロット「代表候補生の僕でもできない技術なのに、それをあっさりできるんだから、あゆみは凄いよ。」
岸里「代表候補生ができないことをやるって…。」
櫛灘「坂上さん、一体何者?」
あゆみ「それだけじゃないけどね。」
静寐「それだけじゃないって?」
あゆみ「まず、回避にはセンサーを組み合わせている。センサーで相手の動きや攻撃を拾って、それに合わせてスラスターの方向を調整して回避しているよ。」
神楽「そんな難しいこと、よく習得できたわね。」
あゆみ「そんなに難しいかなあ。ビット兵器の
鈴「戦いながら第三者と平然と会話できる時点でおかしいのよ。」
あゆみ「それと、PICはマニュアル制御にしているよ。」
束「そんな馬鹿な...。」
また篠ノ之博士が驚いている。
かなりん「な、何が凄いの?」
千冬「凰、説明しろ。」
鈴「はい。パッシブ・イナーシャル・キャンセラー、略してPICは、物体の慣性をなくしたかのような現象を起こす装置。これがあるからISは飛べるのよ。そして、普段はオートだけど、マニュアルにすることもできるわ。マニュアルの方が細かく制御できるけど、機体制御をより意識する必要があるから、難易度は格段に跳ね上がるわよ。実際にPICをマニュアルにしている人なんて初めて見たわ。」
あゆみ「私もPICをマニュアルにするのは今日が初めてだよ。」
セシリア「なぜ今まで使わなかったのですか。」
あゆみ「流石に難しいからね。だから一か八かの面はあったけど、こうしないとあの斬撃は避け切れないからだよ。流石第四世代機だね。」
本音「でも、その攻撃を見切って回避できるあゆみんはもっと凄いのだ~。」
箒「それにしても、あゆみが乗っていると速く感じるのは何故だ?」
あゆみ「最高速度を出し続けているから。」
箒「最高速度を出すのは当たり前のことではないか。」
セシリア「箒さん、こんな急な方向転換を連続でしていながら、最高速度を出すのはそれ自体が一つの技術ですわよ。」
あゆみ「
セシリア「それだと、第三世代機の専用機と遜色有りませんわ。」
千冬「訓練機のラファールにしては速すぎると思ったら、そういうからくりか。てっきり光学迷彩を纏ったブースターでもつけていたのかと思っていた。」
あゆみ「それだと燃料切れと、撃ち落としによる減速が怖いですよ。」
私はそう言いながら急速接近する。
箒「貰った!」
箒さんが雨月で狙ってくる。
あゆみ「ラファール、いくよ。」
ラファール7「はい!」
ピタリ
雨月が空振りする。
箒「あの速度で急停止!?」
あゆみ「一零停止だよ。」
シャルロット「トップスピードから進行方向と逆向きに加速することで急停止する技か。これもそう簡単に出来る技じゃない。」
ラウラ「AICキラー作戦でも使ってたな。これは騙される。」
束「...。何アイツ。」
只の一生徒が、何でISのトップクラスの技術を難なく使いこなしているのさ。