戦わない最強戦士   作:223系新快速

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第61話 見回り(前編)

私は今どうするべきか。全員が突然のことで狼狽えている。最悪の場合パニックを起こすことも考えられる。なら、落ち着かせるのが最優先だ。

 

あゆみ「励まし、かな。」

 

これなら慣れたものだし、専用機を持っていようがいまいが関係ない。考えがまとまったところに、榊原先生が来る。この先生、美人でいい人なのに、残念な男を選んでは失敗している。あ、プリキュアの皆と同じだ。

 

あゆみ「えーと、榊原先生は作戦に加わらないのですか?」

菜月「私は今回は留守番ですよ。これから皆の様子を見ようと思っていたところです。」

 

渡りに船とはまさにこのことだ。

 

あゆみ「じゃあ、私も一緒に見回りをしてもいいですか。今私にできる一番のことがそれなので。」

菜月「ええ。お願いするわ。」

 

まずは1組だ。自分の部屋を見る。皆落ち着いている。

 

あゆみ「大丈夫そうだね。」

本音「専用機持ちなら安心なのだ。」

神楽「そうそう。」

清香「私達はのんびり待っていればいいのよ。」

 

次の部屋に移る。

 

ナギ「坂上さん、見回り?」

あゆみ「そうだよ。皆が大丈夫かどうか、榊原先生と共に。」

ナギ「坂上さん、頼りになるよ。」

理子「専用機持ちと渡り合えるだけのことはあるよね~。」

 

部屋のメンバーが頷いている。

 

あゆみ「じゃあ、次行っても大丈夫だね。」

 

それを見て、私達は次の部屋に移る。

 

静寐「坂上さん、見回り?」

あゆみ「そうだよ。でも、1組は今のところ大丈夫そうだよ。」

静寐「専用機持ちの凄さを身近で見て知っているから、余裕があると思うよ。」

あゆみ「成程、流石鷹月さん。中学時代クラス委員だっただけはあるね。」

静寐「そうね...。」

あゆみ「どうしたの。」

静寐「何でもない。それより、他の部屋も見回るべきよ。」

あゆみ「そうだね。」

 

坂上さんが部屋を出る。

 

静寐「お株、奪われちゃったかな…。」

 

 

私達は次の部屋に移る。襖を開けた瞬間、思わず言葉に詰まる。

 

玲美「あ、坂上さん、見回り?」

あゆみ「そ、そうだけど…。」

 

全員でトランプをしているのだ。

 

あゆみ「うーん、緊張してないのはいいけど…。」

菜月「危機感無さすぎですね。」

さゆか「どうせやることないし、暇だと気が滅入る…。」

あゆみ「だからって、ゲームするのは流石にどうかと…。」

癒子「こういう時は何かした方が良いのよ。」

あゆみ「分かった。でも、騒ぎ過ぎないようにね。」

 

その後他の部屋も見たが、1組は特に問題がなかった。

 

菜月「1組の皆は大丈夫そうですね。」

あゆみ「はい。専用機持ちが多数いるので、信頼しているのだと思います。」

菜月「でも、そうなると他の組が心配ですね。」

あゆみ「はい。2組は鈴さんがいるのでまだ大丈夫ですが…。」

 

 

私達は2組の部屋に移る。

 

ティナ「大丈夫かな。」

あゆみ「あ、ティナ・ハミルトンさん。」

 

ティナ・ハミルトン。アメリカから来た生徒で、鈴さんのルームメイトだ。明らかに心配している。

 

ティナ「あ、坂上さん…。」

あゆみ「心配なんだね。」

ティナ「まあ、いきなりこんなことが起きたら。」

あゆみ「じゃあ、一つ質問。ハミルトンさんは、鈴さんのことを信じられる?」

ティナ「ん、まあ、ね。」

あゆみ「だったら大丈夫。鈴さんなら任務をこなしてくれるよ。」

ティナ「う、うん…。」

 

まだ不安が残っているようだ。

 

ギュッ

 

私はハミルトンさんの手を握る。

 

ティナ「えっ?」

あゆみ「鈴さんの手って、どんな感じ?」

ティナ「小さいけど、結構暖かいよ。」

あゆみ「じゃあ、鈴さんの手を思い出して。」

 

ハミルトンさんが目を閉じる。暫くして、

 

ティナ「なんか、鈴の事考えたら気が楽になった。」

あゆみ「良かった。」

 

大分と安心したようなので、2組の他の部屋でも同じようにした。そして、皆落ち着きを取り戻した。

 

あゆみ「鈴さんの名前を出したら皆割と落ち着きましたね。」

菜月「専用機持ちはアイドル的存在であると同時に、戦力の切り札でもある。だから、こういう時、頼りにされるのよ。」

あゆみ「成程。でもそうなると、ますます他のクラスが心配ですね。」

菜月「そうなのよ。もっとも、普通はこんな感じよ。」

あゆみ「え?」

菜月「これまで、専用機持ちは学年に1人か2人。こんなに在籍するのは初めてなのよ。」

あゆみ「そうなんですか。」

菜月「でも、それ以上に貴方の存在は大きいわね。」

あゆみ「励ましは先生でもできると思いますが。」

菜月「同級生がした方がより効果的なのよ。まあ、一番いいのは頼りになる先輩ね。今だと、3年生のダリル・ケイシ―かしら。姉御肌ということで、彼女を慕う生徒は多いのよ。コンビを組むフォルテ・サファイアがその最たる例ね。」

あゆみ「そうなんですか。因みに楯無さんは?」

 

それを聞くと榊原先生は苦笑する。

 

菜月「彼女はねえ、実力はあるし、人気もあるんだけど、その言動が人誑しってことで、こういうことにはあまり向かないのよ。一人称が『おねーさん』のドキュンな人に、人は実力は認めても全幅の信頼は寄せないわ。」

あゆみ「な、成程…。」

 

まあ、こういうのは得手不得手があるし、楯無さんは前線で敵と正面切って戦うタイプだから別に気にすることはないだろう。

 

~生徒会室~

楯無「ハクシュン!」

虚「風邪ですか?」

楯無「誰かが私の噂をしているのよ。」

虚「良い噂じゃありませんね、きっと。」

楯無「虚ちゃ~ん、酷いわよ~。」

虚「普段から生徒会の仕事をさぼって簪お嬢様の様子を見るからです。」

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