あゆみ「どうして私を招集するの?」
セシリア「あゆみさんの力が必要なのですわ。」
あゆみ「うーん、状況が良く分からないなあ。」
鈴「織斑先生が説明してくれるわ。」
~管制室~
中に入ると、織斑先生が頭を下げてきた。
千冬「すまないな。本来なら一般生徒であるお前を巻き込むような案件じゃないが、どうしてもいい案が浮かばないのだ…。」
あゆみ「分かりました。それで。」
千冬「お前にいい作戦があるなら、教えてほしい。」
私が言おうとする前に、篠ノ之博士が割り込んでくる。
束「ちーちゃんも強情だね。束さんの作戦を使えばこんな普通の生徒を巻き込まずに済んだのに。」
というのは建前。コイツがいると、どうも作戦が失敗しそうなんだよね。
千冬「お前は静かにしろ。」
ギロッ
織斑先生が束さんを睨んで黙らせる。
あゆみ「あの、状況を教えてください。」
千冬「おっとそうだったな。馬鹿(束)のせいで余計な時間がかかった。」
織斑先生が銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)の暴走について説明してくれた。
千冬「さて、質問はあるか?」
あゆみ「そうですね、暴走の原因は何ですか?」
千冬「分かっていない。」
あゆみ「言ってこないってことは、やましいことがあるのか、それとも全く不明なのか…。」
千冬「さあな。どうだ、ここまでの説明を聞いて、何かいい作戦はあるか。」
あゆみ「そうですね。これ、本当に出撃する必要があるのか、ということです。」
千冬「どういう事だ。」
あゆみ「篠ノ之博士が関わってきます。」
束「どういうこと。私みたいな大天才はあんたみたいな凡人に関わっている暇はないよ。」
千冬「だったら直ぐにここから出ろ。」
それは嫌なのか、篠ノ之博士は渋々黙った。
あゆみ「では質問です。篠ノ之博士はISに干渉して命令することはできますか。」
束「そんなの、聞くまでもないよ。束さんはISの生みの親なんだから。」
あゆみ「だったら事は簡単ですね。篠ノ之博士がここで銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)をハッキングして全エネルギー系統に停止命令を出せば、暴走は直ぐに止まります。」
管制室が一瞬静まり返る、次の瞬間、
「「「ああーっ!」」」
全員が大声を出した。
千冬「何だ、良く考えたらそうではないか。束ならそんなことは訳ない。」
エドワース「何で気付かなかったのでしょうか。」
あゆみ「まあ、こういうのはコロンブスの卵ですね。」
千冬「よし束、直ぐにやれ…、って、逃げたな。」
何時の間にか篠ノ之博士の姿が消えていた。
千冬「やれやれ、これ以上ない作戦だったのに。出来る奴がいないのでは一から考え直しだ。」
あゆみ「うーん、我ながらいい作戦だと思ったんですけどね。他にそんなことが出来る人はいないんですか?」
千冬「今いる教師の中でそこまでのプログラムが出来る奴はいない。学園から呼び寄せている時間もないから、無理だ。」
あゆみ「じゃあ、生徒の中には?篠ノ之博士ほどでなくても、出来る人はいると思いますが。」
千冬「よし、全生徒を当たれ。時間がないから手分けして探すぞ。」
「「「はい!」」」
私と先生方が散ってゆく。
鈴「相変わらずとんでもないことを考えつくわね。」
シャルロット「でも、確かにいい作戦だよ。」
ラウラ「やはりあゆみは参謀タイプだな。いるといないとではこちらの動きやすさが違いすぎる。」
セシリア「ですが、本人曰く、これは自分の独創ではなく、仲間が考えた作戦をアレンジしていて、本物の参謀はもっと凄いらしいですわ。」
箒「どれだけ頭が切れるのだ。」
私は4組の部屋に向かう。さっきの子、更識さんと話がしたい。部屋に近づくと、話し声が聞こえてくる。
田嶋「悪かったって。だから機嫌直しなよ。」
簪「嫌。一期一会って言葉知らない?」
田嶋「同じ学校の同級生なんだから大丈夫だって。」
何か揉めている。普段なら待つけど、今は緊急事態だ。
あゆみ「更識さん、田嶋さん、お取込み中だけどいいかな?」
田嶋「あ、坂上さん。さっきぶり。」
あゆみ「うん。それで、何を揉めているのかな。」
簪「もう解決した。」
あゆみ「え?」
簪さんがすっきりしたような顔をして、田嶋さんが苦笑する。
簪「私は貴方と話がしたい。」
あゆみ「そういうことか。今緊急事態だけど、一つだけなら聞くよ。残りはこれが終わったら話そう。」
簪「分かった。坂上さんは、何であんなに楽しそうにISを操縦しているの?秘訣を教えて。」
更識さんは訳あってISを嫌っているのだろう。それじゃあ駄目だ。
あゆみ「それは、友達になること、だよ。」
予想外の答えが返ってきた。坂上さんと友達になることが解決方法だなんて。でも、それで楽しくなるならそれでもいい。
簪「分かった。私、坂上さんの友人になる。」
あ、ISと友達になるって意味で言ったのに、勘違いしているみたい。でも、私と友達になるなら、それでもいいか。
あゆみ「うん。いいよ。」
簪「それで、何の用?」
あゆみ「実は、プログラムが出来る人を探しているんだけど…。」
簪「私は自分の専用機のプログラムを作っている。」
それなら、これ以上ない適任だ。それに、代表候補生だから責任上の問題もない。
あゆみ「分かった。更識さん、ちょっといいかな。」
簪「その呼び方は辞めて。」
あゆみ「え、じゃあ、何て呼べば…。」
簪「簪。それが私の名前。」
あゆみ「分かった。簪さん、私に付いてきてほしい。」
簪「分かった。」
私は簪さんを連れて管制室に向かう。