一夏「おい、それは束さんに対して失礼だろ。」
玲美「ううん、ここに現れた時から思っていたけど、篠ノ之博士って常識はないし、ルールを守らないし、自分は絶対に悪くないって思っているし、兎に角いてほしくないね。」
一夏「てめえ!」
織斑君が国津さんに掴みかかる。また織斑君と私の作戦が切っ掛けで呼んだ人が喧嘩だ。考えが全然合わないからしょうがないけど、それにしても酷い。
玲美「他人に直ぐ突っ掛かるのは悪い癖だよ。良くそれで皆を守るってうそぶけるね。」
一夏「何だと。」
玲美「相手のことを良く知らずに突撃あるのみって最悪だよね。それで相手の心が傷ついたら、本末転倒だよ。」
その通りだ。人間関係は、最初のイメージは特に大事だ。相手に与える印象一つで心の開き方が変わってしまう。だから、身だしなみには注意しないといけないし、自分らしさをちゃんと持たないといけない。
千冬「織斑、国津、喧嘩は外でやれ。」
玲美「だったらこの男性操縦者をここから追い出してください。」
千冬「何?」
織斑先生に反論する人なんて初めて見た。それだけ芯が強いという事か。
玲美「玲美は坂上さんには協力しますが、彼には協力したくありません。彼はやたらと坂上さんに突っかかるので、いると場の雰囲気が悪くなりますから。」
「専用機持ちを追い出すなんてありえないわ。」
玲美「専用機持ちがどれほどのものですか。」
「何ですって。」
「専用機持ちがどれほどの実力か知っていて言っているの?」
玲美「だって、その男性操縦者は珍しいってだけで専用機持ちになっているじゃないですか。そんな専用機持ちなんて二束三文の価値しかないですよ。」
とうとう名前ですら呼ばなくなった。国津さんは織斑君の事など眼中にないってことか。それにしても、専用機持ちが何とも思われないとは、私が専用機持ち達に勝ったインパクトはとんでもなく強かったという事か。
「じゃあ篠ノ之さんはどうなのよ。」
玲美「彼女は別に専用機を欲しがっていません。貰ったのだって重要人物保護プログラムを外すためですし、この前の学年別タッグマッチトーナメントだって、準決勝まで残っていますよ。相方が使えないのに残れたということは、相当な実力があるということです♪それに、その男性操縦者はいなくても解決出来そうですけど、坂上さんや玲美がいなければ、この事件は解決の糸口さえつかめていませんから♪」
「たかが一般生徒の癖に、偉そうな態度をとるんじゃないわよ。」
先生の一人が国津さんを睨むけど、平然としている。これだけ実力があるのに他人を認めているのは凄い。普通は篠ノ之博士みたいに他人を見下すのに。
玲美「じゃあ、貴方はプログラムについて、私に対して偉そうに言える実績があるんですか?」
「それは…。」
玲美「ないですよね。話は変わりますが、私が入学してから、この学園で様々な事件が起きていますね。それで、解決する際にはいつも坂上さんが一番活躍している。これは誰も否定できない事実ですね。」
「それはそうね。でも、それと貴方に何の関係があるの?」
玲美「玲美は坂上さんの考えた作戦に沿って動いているんです。これ以上玲美に何か言うということは、作戦を考え、それを実行する為に玲美を招集した坂上さんに何か言うのと同じことです♪」
一見すると関係ない正論から入り、自分のことと結びつける、上手い三段論法だ。これは論破するのが難しい。
千冬「国津、坂上を出汁にするな。」
玲美「それは坂上さんに聞けば分かることです。」
千冬「坂上、どうだ。」
あゆみ「そうですね。国津さんは篠ノ之博士並みにマイペースですね。とはいえ、自分を貫く芯の強さと、自分が実力を認めた人のことを信頼して協力する謙虚さはあります。だから、篠ノ之博士と違って信頼できます。」
もし国津さんがプリキュアの世界にいたら、プリキュアに変身しているか、少なくとも協力者にはなっているだろう。そういう人を私が信じないわけにはいかない。
千冬「それは、国津はここにいていいということだな。」
あゆみ「そういうことです。それに、国津さんは、テンションは高いですけど、言っていることは超が付くほどの正論です。本音と建て前を使い分けることが出来たらもっと周りと仲良くなれるんですけどね。」
玲美「陰でこそこそ言うより100倍まともだよ♪それに、プログラムは自分に嘘をついたらすぐに駄目になるから、玲美には無理♪」
「「「ウググ…。」」」
先生達は何も言い返せないのか、黙り込む。
玲美「言い返せないようだし、玲美はここにいるね。」
シャルロット「うわあ、言い負かしちゃったよ。」
鈴「あゆみより口の上手い人がいるとは思わなかったわ。」
あゆみ「私は相手と仲良くなるのを第一にしているから、ここまで相手の心をへし折りにいったりはしないよ。」
シャルロット「ここまで?じゃあ、折りに行くことはあるの?」
あゆみ「間違ったプライドを持っている人に対してはね。入学当初のセシリアさんがその典型例だよ。」
鈴「ヘえ~、どんな感じ?」
あゆみ「専用機持ちということは確かにエリートだけど、それで他人を見下すのはお門違い。でも、セシリアさんの発言が切っ掛けで、セシリアさんと関わるようになったから、世の中何がどうなるか分からないね。」
鈴「うわあ~、そんな酷かったんだ。」
セシリア「あの頃の私は、思い出しただけで恥ずかしいですわ…。」