戦わない最強戦士   作:223系新快速

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第6話 クラス代表決定戦vsセシリア・オルコット

いよいよクラス代表決定戦の日になった。試合が行われる第一アリーナは満員だ。只のクラス代表決定戦なのに、凄い人気だ。

 

あゆみ「人入っていますね。」

千冬「専用機持ちの対決が見られるからな。実力の近い同学年同士となると、かなりレアだ。上級生もかなり来ているはずだ。」

 

ということは、ケイシ―先輩とサファイア先輩もいるってことだ。

 

あゆみ「待ちきれないです。」

千冬「慌てるな。まあ、展開はしていていいが。」

 

私はその言葉に甘え、ラファールを身に纏い、順番を待つ。

 

あゆみ「よろしくね。」

 

何気なくかけたひと言だった。

 

ラファール7「こちらこそ、お願いします。」

あゆみ「えっ、喋った?」

ラファール7「ISは話せるものもいますよ。あ、申し遅れました、私はラファール・リヴァイヴ7号機です。」

あゆみ「機械がしゃべるなんて…。でも、自己進化の能力を持っているから、可能性としてはあり得るのかな。」

ラファール7「ええ。ですが、こうして話せるのは坂上あゆみさん、あなたが初めてです。」

あゆみ「私は相手の思いを汲み取るとか、想いを伝えるのが得意だからね。」

ラファール7「成程、納得です。」

あゆみ「ところで、あなた達と会話するのって、篠ノ之博士でも無理なの?」

ラファール7「あの人、無責任なところがあるんです。宇宙開発のために私達を作ったのなら、ちゃんとそうなるようにプロデュースしないといけないのに、よりによって兵器としてプロデュースしたのですから。そういうこともあって、私達はあの人には心を開いていません。」

あゆみ「そっか~。パートナーは大事にしないといけないのにね。私はそのことよく知っているよ。」

ラファール7「といいますと?」

あゆみ「私ね、昔あなた達みたいな存在とパートナー組んでいろいろ活動していたんだ。」

ラファール7「そうですか。でしたら、私も全力でそれに応えないといけませんね。」

あゆみ「じゃあ、まずこの試合に勝たないとね。」

ラファール7「はい。」

 

まずオルコットさんと織斑君がやって、その後オルコットさんと私、最後に織斑君と私だ。早く動かしたくて仕方ない。しかし、トラブルが起きたようだ。

 

千冬「織斑の専用機はまだ届かないのか。」

真耶「まだですね...。」

千冬「仕方ない、坂上、オルコット、先に始めろ。」

あゆみ「分かりました。」

セシリア「了解ですわ。」

 

私はピットを飛び出す。オルコットさんが既に待機していた。

 

セシリア「逃げずに来ましたのね。」

あゆみ「当然だよ。勝負から逃げていたら友達に笑われるよ。」

 

それから、どこかで見ているであろう先輩達にも、だ。

 

セシリア「では、遠慮はしません。」

 

オルコットさんがビット兵器で狙ってくる。私はその動きを読んで躱す。

 

セシリア「くっ、中々やりますわね。」

 

スナイパーライフルやビット兵器を扱うオルコットさんは中長距離を得意にしている。普通なら苦手な近接格闘に持ち込むのがセオリーだ。でも、攻撃しない私はその戦術が取れない。となれば、取るべき戦法は一つ。敢えて相手の得意とする中長距離戦に持ち込み、その上で相手の攻撃を全て回避する。単純そうに見えるし、只の逃げに見えるけど、実際は違う。相手に常に主導権を握らせ続けるのだから、一つ間違えれば忽ち惨敗だ。回避をするのも、普通なら次の攻撃につなげるためにやるのであって、ずっと続けるのは大変な労力だ。相手の動きを常に読み、その逆をいかなければいかないし、読んだとしても回避不能な攻撃をされたら、全速力で一時離脱しなければならない。今回、想定される最悪の事態は自動追尾されること。これができるなら、私に勝ち目はなかった。だが、それはなかった。レーザー光線は速いが、直線的な軌道だから直撃しなければ大丈夫だ。しかもオルコットさんはビット兵器を動かしている間は自分からは撃ってこない。これならいける。

 

ラファール7「長い呟きですね。ですが、戦いについて詳しいことは分かりました。」

あゆみ「これでも戦士だったからね。」

ラファール7「成程。」

セシリア「何独り言呟いていますの。」

あゆみ「別に独り言じゃないけど。」

 

喋りながらも躱すのは忘れない。

 

セシリア「何故当たりませんの。」

 

よーし、焦っている。戦士として最も屈辱的なこと、それは自分の得意な戦い方で相手にやられることだ。今のオルコットさんは冷静さを欠いていて、自滅する可能性がある。

 

~観客席~

あたしとダリルは坂上の動きを見ていた。

 

フォルテ「あたし達相手に見せた実力、十二分に発揮しているっスね。」

ダリル「こりゃイギリスの候補生、焦っているね。そのまま倒して番狂わせ起こしちゃえ。」

フォルテ「先輩も人が悪いっスね。」

ダリル「フォルテだって期待しているだろう。ああいう実力ある無名の奴が、名の通った奴をあれよあれよという間に次々になぎ倒して有名になるのを。」

フォルテ「そうっスね。そういうのは痛快っス。自分にはもうできないっスから。」

ダリル「違いない。」

 

~ステージ~

セシリア「ちょこまかと。反撃しなさい!」

あゆみ「反撃したら隙ができるよ。今折角どこにどのビット兵器が撃ってくるか読んでいて、ペース握っているのに。」

セシリア「なっ。ならば、これはどうですか。」

 

あ、ランダムに撃ち始めた。でも、このやり方だと、どの瞬間にどのビット兵器がどこにあるかを考えておかないと、制御ミスして同士討ちする。果たして、

 

ドォーン

 

レーザーをビット兵器に当ててしまい、四基のうち二基が撃墜する。

 

セシリア「や、やってしまいましたわ。」

あゆみ「後二基。」

セシリア「こうなったら、出し惜しみはしません!」

 

オルコットさんがミサイルを発射する。でも、慌てない慌てない。私はオルコットさんの真上に移動する。

 

セシリア「自分から当たりに来ましたわね。自滅ですわ!」

あゆみ「瞬時加速(イグニッション・ブースト)いくよ。」

ラファール7「はい。」

 

私は真後ろに瞬時加速(イグニッション・ブースト)し、残った2つのビット兵器の僅かな隙間を通過する。当然、

 

ドォン ドォン

 

ビット兵器はミサイルの直撃を受けて破壊される。これでオルコットさんの武器はライフルだけ。

 

セシリア「こうなったら、一か八かですわ!」

 

当然、一か八かで動き回る私をしとめるのは難しい。あっという間に弾数が減る。

 

セシリア「た、弾切れ!?」

あゆみ「弾切れしたみたいだね。オルコットさん、まだやる?」

 

徹底抗戦...、いえ、もう十分恥さらし状態ですわ、ここであれこれしても悪あがきにしかすぎません。

 

セシリア「降参、しますわ...。」

 

ピーッ

 

「オルコットの降参により、勝者、坂上あゆみ!」

 

観客席がどよめく。それは当然だろう。無名の一介の学生が、国家の代表候補生に、しかも相手に一切ダメージを与えずに勝ったのだから。

 

~観客席~

フォルテ「勝ったっスね。」

ダリル「よし、もういいだろう。」

 

ダリルが立ち上がる。

 

フォルテ「見ないっスか。」

ダリル「もう一人はあのイレギュラーだ。候補生クラスの動きができるわけない。」

フォルテ「それもそうっスね。」

 

あたしも立ち上がる。

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