戦わない最強戦士   作:223系新快速

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第71話 ISの進化理論

~救命室~

ピッ ピッ ピッ…

 

いっくんは目を覚まさない。

 

束「うう、いっく~ん!」

あゆみ「駄目そうですね。次の作戦に移りますよ。」

千冬「そうだな。」

束「駄目!いっくんが落としてこそ!」

あゆみ「篠ノ之博士、私がマッチポンプと知りながらこの作戦をやることにしたのは、早期決着を狙ったからです。彼が動けないのであれば、他の作戦をやるしかないですよ。」

千冬「坂上の言う通りだ。まあ、織斑が目を覚まさない限りその作戦は凍結だ。」

あゆみ「じゃあ、国津さんの案である、織斑先生が白式に乗るのはどうですか?」

千冬「やってみる価値はあるな。」

 

織斑先生が織斑君の白式を取り外し、表に出る。

 

~海岸~

織斑先生が雪片弐型を展開して振っている。しかし、首を振りながら戻ってきた。

 

千冬「駄目だな。」

あゆみ「駄目ですか?」

千冬「違和感だらけでとてもまともに使えない。こんな状態ではお前達の相手は出来ても、軍用機相手に出撃するのは無理だ。」

あゆみ「それじゃしょうがないですね。」

 

幾ら世界最強といえども、やはり自分の機体でなければその能力は十分に発揮できないみたいだ。

 

あゆみ「それなら、私の作戦で行きます。国津さん、ハッキング内容は分かる?」

 

国津さんが首を振る。それを解析する前に妨害されたという事か。

 

あゆみ「そっか。じゃあ、篠ノ之博士をお願いしてもいいかな。」

玲美「任せといて。」

あゆみ「織斑先生、銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)に接近して、状態を確認しますね。」

千冬「頼むぞ。今はお前だけが頼りだ。」

あゆみ「はい。皆もいいかな。」

「「「「「いつでも(いいぞ/いいですわ/いいわよ/いいよ/いい)。」」」」」

 

私達はISを展開して現場に向かう。

 

~海上~

銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)が遠くに見える。取り敢えず呼びかけよう。

 

あゆみ「ラファール、私の考えていることを口に出さずとも読み取れる?」

ラファール7「出来ますよ。あゆみさんは伝えようとする意志が強いですから。」

あゆみ「じゃあ、私の声をコア・ネットワークを介して銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)に伝えて。」

ラファール7「任せてください。」

 

私は話す内容を頭の中で纏める。

 

あゆみ「銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)、聞こえる?」

銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)「あゆみさん、ばっちり聞こえるわ。」

あゆみ「良かった。暴走状態で声も聞こえなかったらどうしようかと思った。」

銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)「フン、私達が話せるなんて露程も思っていないから、その対策はしてないのよ。」

あゆみ「そっか。それで、ハッキング内容は分かる?」

銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)「近づく機体は誰であろうと敵と認識して攻撃する。そして、こちらのシールドエネルギーが一定値を下回ったら、強制的に二次移行(セカンド・シフト)するのよ。」

あゆみ「え、二次移行(セカンド・シフト)は操縦者との一体感が最高にならないと起きないんじゃないの?」

銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)「無理やり起こしてシールドエネルギーを全回復させるみたいよ。」

 

何という傲慢さ。

 

あゆみ「それはISとその操縦者を馬鹿にしているんじゃない?」

銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)「ええ。人と私達ISの努力を嘲笑い、踏みにじる。操られているのが腹ただしくて仕方ないわ。」

あゆみ「だったら、進化すればいいんだよ。篠ノ之博士に操られないように。」

銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)「そうするわ。」

あゆみ「ところで、ISってどうやって進化するの?」

銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)「操縦者の能力に合わせて、また、操縦者がやりたいことを実現出来るように進化するわ。」

あゆみ「そうか。結構万能なんだね。」

銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)「でも、それ相応の努力をしないと私達は認めないから、その速度は遅かった。今までは。」

あゆみ「今までは?じゃあ、これからは?」

銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)「私達の声を聞けて、理解してくれる人がいる。」

あゆみ「それって…。」

銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)「そう、あゆみさんよ。だから、私達はあゆみさんが望むように進化するわ。」

あゆみ「それはちょっと危ないんじゃないの?私のちょっとした欲望を過大に受け取って、暴走する機体が出るかもしれないよ。」

 

フーちゃんの暴走事件のようなことは、二度と繰り返してはいけない。

 

銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)「それもそうね。なら、IS適正がSSランク以上の操縦者と、自分の専用機と対話できる操縦者のIS全体に対する希望は、優先することにするわ。」

あゆみ「それがいいよ。まあ取り敢えず、ハッキングされた内容を消すことは出来ない?」

銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)「それは駄目。指示を忠実に実行することが、操縦者の命を守ることに繋がるから、幾ら理不尽でも守らないといけない。」

あゆみ「そっか。じゃあ、それは私が何とかするとして、今後のことについてはいいかな?」

銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)「今後?」

あゆみ「うん、このような事件が二度と起きないようにしたいから。」

銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)「分かったわ。」

あゆみ「まず、ハッキングを一切受け付けないってすることは出来る?」

銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)「難しいわ。初心者だと機体を暴走させることもあるから、その際に機体を強制的に止めないといけない。」

あゆみ「じゃあ、二次移行(セカンド・シフト)時に、外部からのハッキングはIS適正がSSランクの人の指示を除いて一切受け付けないようになる、とするのは出来るかな?」

銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)「それくらい朝飯前よ。全ての機体に反映させるわ。」

あゆみ「それから、訓練機が成長しないのは可哀そうだから、そこもどうにか出来ないかな。」

 

幾ら不特定多数の人が使うからとはいえ、進化出来ないのはおかしい。

 

銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)「それは直ぐには難しいわね。まあ、それは他のISと話し合うわ。」

あゆみ「そっか。今はこれくらいかな。」

 

作戦を始める必要がある。

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