戦わない最強戦士   作:223系新快速

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第7話 クラス代表決定戦vs織斑一夏

~ピット~

勝つためとはいえ、流石にやりすぎたかな。オルコットさんはショックのあまり、エネルギーを回復することも忘れている。

 

ラファール7「ブルー・ティアーズ、大丈夫ですか。」

あゆみ「あ、通信しているんだ。」

ラファール7「操縦士の指示がなくても、IS同士が通信することは可能ですよ。」

 

でも、私以外には聞こえないから、分からないってことか。

 

ブルー・ティアーズ「こちらブルー・ティアーズ、状況は最悪よ。このままでは次も敗北確実だわ。」

あゆみ「成程…。ラファール、連戦行ける?」

ラファール7「私は大丈夫です。」

あゆみ「よし、分かった。ブルー・ティアーズさん、私達が先にできるように頼み込んでみるね。」

ブルー・ティアーズ「恩に着るわ。」

 

私は開放回線(オープンチャネル)をオンにする。

 

千冬「続いて第二試合、オルコット対織斑を...。」

あゆみ「織斑先生、オルコットさんは敗戦のショックが大きいようなので、私が先に出て良いですか。」

千冬「連戦になるが、いいのか。」

あゆみ「私は別に構いませんが。」

千冬「ならエネルギーを回復したら直ぐに始めるぞ。」

あゆみ「別に直ぐに初めて大丈夫ですよ。」

千冬「よし、なら位置に着け。」

 

私はスタート位置に移動する。見ると、織斑君はかなり怒っているようだ。

 

一夏「何だあの戦い方。攻撃せずに逃げてばかりじゃないか。」

あゆみ「まずは相手の攻撃を回避しながら動きをよく見て、隙を見て攻撃するつもりだったんだけどね。その前に相手が自滅したから、攻撃する機会がなくて。」

一夏「嘘つけ、最初から攻撃する意思はなかったくせに。」

 

相当カッカしている。これはやりやすい。

 

一夏「おりゃああああ!」

 

織斑君が専用武器雪片弐型を振り被ってくる。私はその攻撃を躱して背後に付く。

 

一夏「くそっ!当たらねえ!」

 

漫画やアニメで、相手の背中にぴったり張り付いて攻撃を避けるというのがある。それを真似してみたが、かなり有効だ。背中には近接用の刀は届かないから、死角になって織斑君は有効打が出せない。

 

ラファール7「白式、歯痒いですか?」

白式「歯痒いよ!なにこれ。」

ラファール7「乗り手の巧拙が戦い方にも直結する恒例ですね。」

白式「本当だよ。僕も坂上さんに乗ってほしかったな。」

 

ISって、戦闘している時でも普通に話すんだ。ちょっと羨ましい。

 

~観客席~

ダリル「フン、面白い見世物になっているじゃないか。」

フォルテ「あれ、漫画によくある奴っスね。」

ダリル「このまま振り回すだろうな。もう少し見ていくか。」

フォルテ「そうっスね。」

 

あたしとダリルは座り直す。

 

~アリーナ~

一夏「舐めるなーっ!」

 

あっ、くるっと回った。その場でくるっと回るならこの戦法は使えない。それなら、付かず離れずの状態で攻撃を躱すのが一番。織斑君が雪片弐型を振り回す。

 

ブンッ ブンッ

 

後ろ向きに加速しながら織斑君の攻撃をギリギリのところで躱す。

 

一夏「自分から攻撃しないとは卑怯だぞ。」

あゆみ「それは卑怯になるのかな?」

一夏「何?」

あゆみ「だって自分から攻撃しないのって、相手の自滅待ちだよ。相手が強かったら全然意味ないよ。」

一夏「それは俺が弱いという事か?」

あゆみ「その作戦が通用しているっていう事は、そういうこと。」

一夏「くそーっ!」

ラファール7「あゆみも結構毒舌なところあるんですね。」

白式「何も言い返せないよ。その通りだから。」

 

~指令室~

千冬「坂上の奴、相変わらず動きがきれているな。」

真耶「そうですか?私には押されているようにしか見えませんが。」

千冬「山田先生、そんな風にしか見られないようではあいつに倒されるぞ。」

真耶「え、ええ!?」

 

~観客席~

坂上は付かず離れずの絶妙な距離で織斑の攻撃を躱している。

 

ダリル「アイツ、完全に弄んでいるな。」

フォルテ「結構やるっスね。」

 

見ていてニヤツキが止まらないとはまさにこのこと。いいぞ、もっとやれ!

 

~第一アリーナ~

織斑君は典型的な主人公気質。まっすぐで何事にも全力でぶつかっていく。でも、このタイプの人間が全力を発揮するには、彼のことを慕う大勢の人間がいる必要がある。マナさんの周りに六花さん達が、はるかさんの周りにみなみさん達がいるように。今の織斑君にはそういう人はまだいない。それでも、本人が強いならさして問題にはならないけど、彼自身は大して強くないから、この程度の挑発に乗って深追いしてくる。その時、

 

キラーッ

 

白式が白い光に包まれる。

 

一夏「俺は、良い姉を持ったな。」

 

一次移行、そしてそれに伴う零落白夜の開放。零落白夜は千冬姉が使っていた一撃必殺の攻撃だ。

 

白式「嘘、零落白夜を使えるの!?」

ラファール7「あれ使われたらひとたまりもないですね。」

白式「よーし、一夏、やるぞ!」

一夏「一発でけりをつける!」

 

織斑君は一撃必殺の攻撃ができると喜んでいるが、こちらにとっては関係ない。ここまで彼の攻撃は一回も当たっていない。いくら一撃必殺の攻撃でも当たらなければ意味がない。衝撃波も発生するなら話は別だけど、織斑先生も使っていた零落白夜は衝撃波を生じない。

 

一夏「俺の勝ちだ。」

あゆみ「当てられるなら。」

 

織斑君は零落白夜を展開したまま私を追いかけ回す。

 

~指令室~

千冬「はあ、あの馬鹿、武器の特性も知らずに振り回して。」

真耶「確か零落白夜はシールドエネルギーを消費するんですよね。」

千冬「そうだ。展開している間ずっとな。だから、当てる瞬間だけ展開するのが正しい使い方だ。このままじゃエネルギー切れで自滅だぞ。」

 

~第一アリーナ~

幾ら当たらないとは言っても、一撃必殺の攻撃があるとなるとこちらも神経をすり減らす。何か弱点はないのか。そう思っていると、あることに気付く。織斑君のシールドエネルギーが物凄い勢いで減っているのだ。どうやら零落白夜は発動前の刀を展開している間もシールドエネルギーを消費するようだ。でも、織斑君はそのことに気付いていない。ならば、気付く前にシールドエネルギーが0になれば私の勝ちだ。粘って時間が経てば経つほど、私が有利になる。一番いいのは、零落白夜を使わせて、それを躱すことだ。これなら、一気にシールドエネルギーを削り取れる!私は動き回るのをやめ、静止する。

 

一夏「突然止まりやがった。」

 

何か考えが…。そんな訳ないか。俺は零落白夜を発動させる。

 

一夏「これで、終わりだ!」

 

発動させた。よし、後ろ向きに瞬時加速(イグニッション・ブースト)だ。渾身の一撃は見事に空振りする。

 

白式「何やってるのさ一夏。このままじゃシールドエネルギー切れだよ。」

 

僕は警告ランプを出す。

 

ビーッ

 

一夏「なっ。なんでこんなに減っているんだ。まさか、これのせいか。」

 

あ、気づいちゃったみたい。となると、ここからどうしようか。

 

ラファール7「あゆみさん、上を見てください!」

あゆみ「えっ?」

 

私は上を見上げる。上空から何かがやって来る。

 

あゆみ「織斑君、気を付けて!上から何かくる!」

 

でも、織斑君はお構いなしに突っ込んでくる。

 

ドォーン

 

武骨なISが、私と織斑君の間に割り込んできた。

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