戦わない最強戦士   作:223系新快速

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第5章 過去と使命と決意
第79話 解析不能


事情聴取が終わり、先生達は出ていき、私達だけが管制室に残される。

 

あゆみ「さ、国津さん、漸く話が出来るね。」

玲美「うん。」

あゆみ「まずは、作戦を手伝ってくれてありがとう。」

玲美「うん。結局妨害のせいで玲美の力ではどうにもならなかったけど。」

あゆみ「それはしょうがないよ。それに、篠ノ之博士を相手してくれて、大分と助かったよ。」

玲美「でも、結局妨害を許してしまった。」

あゆみ「相手が一枚上手だったからね。だけど、普通ならあそこまでやったら国津さんの勝ちなんだよ。」

玲美「坂上さんは、玲美のことをどれくらい買っているの?」

あゆみ「もし、専用機を持てたら一番厄介な敵だね。」

 

だけど、国津さんは浮かない顔をしている。

 

ラウラ「どうした、浮かない顔をして。」

セシリア「褒められるのがうれしくないのですか?」

玲美「玲美は、所詮データに囚われた噛ませ犬だよ…。」

あゆみ「どうして!?国津さんの実力は本物だよ。」

 

こんなの、自己否定しているも同然だ。

 

箒「そうだ。姉さんの行動パターンを分析して図星を突くなど、そう簡単ではないぞ。あの人の行動は全く訳が分からないからな。」

シャルロット「それを解析出来るんだから、色々なパターンに対応出来るということだよね。」

玲美「確かにそうだよ。意外性に対しては膨大なデータをもとに判断すればいいから、ある程度予測出来る。」

鈴「じゃあ、何であんなことを言うのよ。」

玲美「でも、坂上さんの実力の前にはそのデータも無力。二束三文の価値もない。軽々と機体性能を超えることをやり、専用機を翻弄するだけの機体制御を行い、仲間を増やす。こんなの、データで計るなんて無理なんだよ!」

ラウラ「成程、意外性には対応出来ても、成長速度が速い奴は無理という事か。」

鈴「それは確かに漫画やアニメで出てくる、策士策に溺れる雑魚敵の特徴ね。」

 

そういうのを知っているから、余計に悔しいのだろう。

 

玲美「それだけじゃない。坂上さんはパターンに当てはまらない。」

あゆみ「私の行動が意外なの?全部筋が通っているつもりだけど…。」

玲美「確かに行動原理はそうだよ。でも、その為の戦い方がおかしすぎるんだよ。」

あゆみ「他人との対話を重視する人はそれなりにいるんじゃないの?」

玲美「まあね。でも、そういう人は自分が無力で、かつ理不尽な暴力を見た人がやる手段で、逃げに近い。そういう人は、大抵次の理不尽な暴力ではかなく散るか、自分の理念を曲げる。」

シャルロット「反戦運動みたいなものだね。」

玲美「そう。なのに、坂上さんは違う。あれほどの実力がありながら、相手を暴力で言うことを聞かせることを放棄している。こんな人、これまで玲美が見たパターンには全く存在しなかったよ。」

セシリア「確かにそうですわね。」

あゆみ「そうか。そうだと気付いたのは何時?」

玲美「クラス代表決定戦の時。セシリアさんに一撃も与えずに勝った時、玲美はショックを受けた。最初解析し始めた時は、どうせ大したことないだろうと思っていたのに、調べれば調べるほどデータは坂上さんの凄さを示すようになった。そして、玲美の脳内コンピューターは狂い始めた。それまでは精密機械の如く1ミリの狂いもなく処理していたのに、狂いっぱなしで全く作動しなくなってしまった。」

あゆみ「でもそれだと、さっきはどうしてあんなに?」

玲美「それは、坂上さんの指導を受けたから。あれで少しは自分を取り戻せた。」

あゆみ「あれで少しなの?」

玲美「玲美が本調子なら、自分から何か作る。玲美だけじゃない。他の7人も坂上さんの凄さに衝撃を受けて、自分を見失ってしまった。」

 

成程。そうだとしたら、私の身の上話をしないといけない。でも、それだと、全員いた方が、効率が良い。

 

あゆみ「分かった。それを解く鍵は私の人生にあるよ。だから、他の7人と、本音さんも集めて、話をするよ。」

ラウラ「他の7人は分かるが、何故布仏もなのだ?」

あゆみ「ルームメイトとして、知っていてほしいから。ルームメイトが挙動不審だと色々不味いんだよ。」

 

色々怪しまれるよりは、私のことを理解してもらった方がお互いの為になる。それに、楯無さんにこっそり報告されて監視されていた、とかになったら目も当てられない。

 

玲美「う、うん…。」

あゆみ「呼んでくるよ。」

箒「ま、待て、私も行く。」

セシリア「いえ、ここは貴族である私が…。」

鈴「アタシでしょ。」

シャルロット「僕だって。」

ラウラ「軍人である私だ。」

玲美「全く、幾ら恋人だからって、一々行動を共にする必要あるの?」

ラウラ「しかし、また狙われないとも限らんぞ。」

玲美「坂上さん、決めないと。」

あゆみ「えーと、じゃあ、喋るのに自信がある人。」

 

シャルロットさんが手を挙げる。

 

あゆみ「じゃあ、行こう。」

 

私達は浜辺へ向かう。

 

シャルロット「あゆみの人生は、僕達も聞きたいよ。大雑把なことは聞いたけど、詳しいことは誰も知らないからね。」

あゆみ「そうだね。でも、凄く多いよ。臨海学校中に終わるかな?」

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