玲美「他の人もそうかもしれないけど、玲美も両親や、ゲーム仲間に期待されて入ってきた。この時は、玲美に頭脳で勝てる奴なんてそうはいないと思ってた。」
ナギ「そうだな。この学園に入ってくる奴はそれくらい普通だからな。」
玲美「でも、入学式の日、あの事件が起きた。」
ラウラ「事件って何だ?」
本音「あれ、ボーちゃんは知らないの?」
シャルロット「僕やラウラ、鈴はその時はまだ学園にいなかったからね。」
本音「あ~そうなのだ~、うっかりうっかり。」
玲美「3人の為に説明すると、3時間目にクラス代表を決めることになり、そこで坂上さんとセシリア、男性操縦者の喧嘩が起きた。セシリアと男性操縦者の言い争いの後、坂上さんが仲裁に入り、IS勝負で決めることになった。」
シャルロット「そんなことがあったんだ。」
静寐「因みに、詳しい経緯を話すと、男性操縦者が珍しさでクラス代表に推薦されて、セシリアが抗議したはいいけど、日本を馬鹿にし始めて、それに男性操縦者がキレてイギリス批判をして、坂上さんが沈黙を破って2人の問題点を指摘したわ。」
鈴「成程ね~。そりゃあゆみの口撃を食うわね。」
鈴さんがニヤツキながらセシリアさんを見ている。
セシリア「ええ。もしあの時に戻れるなら、自分で自分を殴りたいですわ。どれだけ自分の誇りを傷つけていたことか...。」
シャルロット「それに、それ下手したら国際問題に発展するからね。」
ラウラ「セシリアが代表候補生を下ろされそうになったのも、これが一因か。」
シャルロット「うん。ただ負けただけなら、大番狂わせってことでそこまで咎められないもの。」
玲美「続きを話すね。玲美の脳内コンピューターの計算では、セシリアが勝つ可能性が100%だった。」
静寐「当然過ぎる結論だわ。」
理子「他の2人が勝つなんて、漫画だもんね~。」
玲美「そう。それなのに、坂上さんが勝った。それも、セシリアの得意な遠距離に持ち込んで、攻撃を全部躱して自信喪失させるという一番あり得ない方法で。」
それを聞いた途端、専用機持ち達が目を見開く。
鈴「何それ!?」
ラウラ「自信喪失を狙うのはいいが、相手の土俵で戦うなど、愚策この上ないぞ。」
シャルロット「主導権を如何に握るかが戦いの勝敗を分かつのに。」
あゆみ「そうだけど、その時はまだISでの自分の持ち味が良く分かっていなかったからね。ひたすら躱して自滅を誘うしか出来なかったんだ。」
箒「それしか出来ないって、それが出来たら並みの強さではないぞ。剣道でも相手の太刀筋を見切れる者は余程の上級者でないと無理だ。」
あゆみ「プリキュアに比べたらISの能力は全然だから、こんなことが出来たんだよ。」
それを聞いて皆沈黙してしまった。暫くして、
理子「半分チートだよね~。」
静寐「流石伝説の戦士と言うべきかな...。」
あゆみ「まあ、ね。それに、ISはできれば戦いに使いたくない。ああやって躱すなら、敵も味方も傷付けないから。」
ラウラ「やむを得ず敵の攻撃を避ける消極的回避ではなく、戦わないための積極的な回避か。」
セシリア「そこまで読むことなんて出来ませんでしたわ...。」
癒子「やっぱり凄いよ...。」
あゆみ「谷本さん、どうかしたの?」
癒子「あ、今のは私の悩み。私の順番が来たら話すよ。」
あゆみ「分かった。」
玲美「続けるね。その戦いを見て、玲美の脳内コンピューターはすっかり狂ってしまった。こんなことをして勝てる人がいるなんて、想定外だったから。そこで、相手の能力を解析する簡易シミュレーターを作って解析してみた。」
静寐「簡易シミュレーターって、そんな短時間で!?」
玲美「あ、これは具体的な数値を入力して勝敗を予想するだけの簡単な物だから、プログラムがある程度出来たら誰でも作れるよ。」
静寐「びっくりした~。」
玲美「だけど、何度やっても坂上さんの勝率は0%だった。機体性能、攻撃力ではどうやっても敵わないから当然だよね。そこで、もっと正確に実力を判定出来るシミュレーターを考えることにした。丁度クラス代表戦(リーグマッチ)もあったしね。でも、そこでまたしてもとんでもないことが起きた。」
ラウラ「何があったのだ?」
玲美「突然無人機が現れたんだよ。そして、その無人機に鈴の攻撃が命中。敵が主導権を握り損ね、あっさり破壊された。あんなベストなタイミングと角度で当たるなんて、偶然じゃない。」
あゆみ「あれはラファールが検知してくれたから、入ってくる角度とタイミングを計って、鈴さんに撃破してもらおうとしたんだよ。」
静寐「つまり一時的とはいえ二対一の戦いをしていたってこと!?」
あゆみ「そういうこと。」
玲美「それでどちらにも勝つなんて...。道理で精密機械のように正確な玲美の脳内コンピューターが狂うわけだよ...。」