戦わない最強戦士   作:223系新快速

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第8話 乱入者

武骨なISが、私と織斑君の間に割り込んできた。なんだろう、生命力を感じない…。これってもしかして…。

 

一夏「てめえ、邪魔すんじゃねえ!」

 

その間に、怒った織斑君が攻撃していたけど、

 

一夏「ぐあっ!」

 

触れていないのに弾き飛ばされた。これは、キュアミッドナイトが得意としている衝撃波による攻撃だ。とすると、下手に近づくと皆纏めて吹き飛ばされる。私がそう考えていると、

 

千冬「織斑、坂上、非常事態だ。直ぐにピットに戻れ!」

あゆみ「は、はい!」

 

でも、織斑君を放っては置けない。どうしたら無事に救出できるだろうか。そう考えていると、

 

一夏「おりゃああ!」

 

織斑君がまた突っ込む。チャンスだ。吹っ飛ばされるところを全速力でキャッチ。そのままピットに逃げ込む。

 

あゆみ「ラファール、あのISと交信できない?」

ラファール7「駄目です、まるで意思が感じ取れません。」

あゆみ「交渉の余地なし…か。」

 

~観客席~

ダリル「どうする。逃げるか。」

フォルテ「一応逃げといた方がいいっス。何かあるなら、指令室から指示が飛ぶっス。」

ダリル「それもそうだな。」

 

あたしとダリルは退避する。

 

~吾輩は猫である~

束「いっくんの成長を邪魔するなんて、この束さんが許さないよ。」

 

私は不機嫌にモニターを見つめている。強大な無人ISに何度も攻撃させ、いっくんを不屈の魂を持つヒーローに仕立てあげる。それが私の計画だった。そのつもりだったのに、坂上あゆみという余計な要素が邪魔しているのだ。

 

束「この束さんを怒らせたら、どういう事になるか教えてあげる。」

 

私はボタンを押す。

 

~第一アリーナ~

ガシャン ガシャン

 

ピットの入り口のドアが閉まる。

 

あゆみ「えっ、これって...。」

千冬「坂上、何者かがシステムをハッキングした。解除するまで暫くかかる。それまで持ちこたえてくれ。」

あゆみ「は、はい!」

 

とはいえ、織斑君を抱えたままでは動きが鈍くなる。

 

一夏「てめえ、放せ!」

あゆみ「無理だよ。織斑君の武器じゃ射程距離が短すぎる。向こうは衝撃波を使えるんだよ。ここは何とか時間を稼ぐ方法を考えないと。」

 

他の皆なら勝てない相手にも向かっていくだろう。だけど、私はそういうタイプじゃない。相手を説得にかかるタイプだ。力を振り回す相手には、話を聞いてくれなければ打つ手がない。

 

一夏「逃げることしかできない弱虫は引っ込んでいろ。」

ラファール7「勇敢と無謀は違うんですけどね。」

白式「本当だよ。」

 

織斑君が私の手をほどいてまた突っ込んでいくけど、案の定衝撃波で吹き飛ばされる。しかも、今度は壁に叩き付けられて気絶した。どこかに連れて行かないと危ない。だけど、どこなら安全だろうか。ふと、私に考えが閃く。

 

あゆみ「織斑先生、他のアリーナはどうですか。」

千冬「既に他の生徒達は退避させてある。」

あゆみ「分かりました。第六アリーナに先生方を集結させてください。私もそこへ行きます。」

 

私は通信を切り、織斑君の武器、雪片弐型を手に取る。

 

~吾輩は猫である~

坂上あゆみがいっくんの武器を手にする。

 

束「さっきから武器を使っていないのは知っているよ。そんなのでゴーレムに勝てると思っているの。」

 

~指令室~

千冬「坂上が第六アリーナに行くようだ。山田先生、直ぐに向かってくれ。」

真耶「何故第六アリーナなんでしょうか?」

千冬「あそこは上空がオープンだからな。逃げ込むつもりなんだろう。

真耶「そうでしたね。」

千冬「早くしないと、あいつが先に逃げ込んできてしまうぞ。」

真耶「は、はい!」

 

~第一アリーナ~

私は雪片弐型を上に放り上げる。相手の視線が上を向く。よし、注意をそらした。私は全速力で横を駆け抜け、アリーナに空いた穴から、他のアリーナへと向かう。

 

あゆみ「囮作戦大成功!」

 

キュアベリーがクローバーボックスを取り返すべく、ベリーソードを囮に使った作戦。話は聞いたことあるけど、自分も使うとは思わなかった。

 

~吾輩は猫である~

ドンッ ドンッ

 

私は机を叩く。悔しい。

 

束「まさか、武器をそんな風に使うなんて。」

 

~第六アリーナ~

私が地面に降り立つと、戦闘要員の先生方が待っていた。山田先生もいらっしゃる。

 

真耶「大丈夫ですか。」

あゆみ「はい。気絶しているだけのようです。息はあります。」

真耶「後は私達が片付けますね。」

あゆみ「あ、ちょっと待ってください。あの相手、衝撃波を飛ばせるので、むやみに正面に出ない方がいいですよ。」

「面倒だな。」

「だが、これだけの人数なら大丈夫だ。」

 

織斑君を保健の先生が引き取り、先生方が出撃する。数分後、

 

千冬「坂上、未確認機は倒した。」

あゆみ「はい。第一アリーナに戻ってもいいですか?」

千冬「いや、いい。それより部屋に戻って休め。事情聴取は明日の朝にする。今日はもうゆっくりしろ。」

あゆみ「ありがとうございます。」

 

~吾輩は猫である~

束「く~!」

 

あたしは手をジタバタさせる。

 

クロエ「束様、随分とお怒りのようですね。」

束「当然だよ。束さんの思い通りにならないなんて、あっちゃいけないことだよ。」

 

束様が完全に駄々っ子と化している。こういう時はまず落ち着かせないと。

クロエ「でしたら、ココアを飲んで落ち着いてください。」

束「うん。」

 

私はココアを飲む。クーちゃんのココアはいつ飲んでも落ち着くよ。

 

束「こうなったら、まずはあいつを何とかしないと。」

 

私はこぶしを握り締める。坂上あゆみをIS学園から排除するんだ。だけど、ちーちゃんのいる手前、あたしが直接乗り込むのは無理だ。なら、兎に角無人機を送り込むまで。

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