Fate/Thunderbolt Fantasy   作:16:25教

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騙り屋の興醒め

宵に照らす月。

ふとした拍子にそれを見れば風流人でなかろうと立ち止まって見惚れるのも無理はない。

だがしかし、そんな美しき月が頂点にあるにもかかわらず、風流とは全く無縁な無骨な剣を振るう変わり者がここに一人。槍を振るいし色男と共に見事な殺陣を繰り広げていた。

 

「どうしたどうした! 骨身だけの体だっていうのに歯応えのない奴らだな!」

 

骨の兵士に囲まれながら吼えるのはこの物語の中心となる人物の一人。殤不患。

彼は手に持つ剣を巧みに操りながら、その刀身を次々に骨の兵士たちにぶつけては粉々に砕いていく。

そんな不患に対抗するように猛々しき強さを魅せるのはカルデアの一味にして青い衣装を身に纏う、魔槍使いクーフーリン。

彼もまた愛槍であるゲイボルグを自分の体の一部のように軽やかに振るうと、たちまち周りの骨の兵士たちを骨片へと変えていった。

 

「あんたなかなかやるじゃねぇか! 俺も負けてられねぇな、っと!」

 

「そうかい!まぁ八つ当たりで殴ってるだけの無骨な剣だがな、アンタみたいなヤツを楽しめられるんなら捨てたもんじゃ、なかったな!」

 

軽口を叩き合いながら二人は互いに競い合うかのように骨の兵士、竜牙兵を片っ端から粉微塵に変えていった。

そんな二人を眺めながら、近くの大樹の根に腰を下ろし、優雅に煙管を吹かす美丈夫が笑う。

無論、凛雪鴉その人に相違ない。

 

「いやはや見事なものだね。ご存じ武の達人である殤不患はまだしも、「かるであ」と言ったか? そちらに属されている槍使い殿も中々の達人。いやそれ以上の実力を持った武人とお見受けする。こんな武芸を前にしたら一献したくもなるが、いやこの場に酒がないのが口惜しいものだな」

 

「なっ、てめぇ何一人だけ休んでやがる!」

 

自分が八つ当たりとはいえ襲いくる脅威を退けている中、道連れが休んでいる姿に不患は苛立ちを込めて叱責を飛ばす。しかし凛雪鴉がそんな叱責の言葉ひとつで動くような男ではない。不患の言葉を受けながらしかし雪鴉はその佇まいを崩すことは無く、さらに軽い口で返す。

 

「一騎当千の武人が二人もいるのであれば、他の者があえて戦い加わる必要もあるまいて。むしろ闘いの邪魔をしない上、次点の脅威に備えて戦力を温存及び秘匿することさえ出来る。ほら、お前たちだけで戦っている方が良いことづくめではないか」

 

「俺たちの消耗を勘定に入れなきゃあな! 必死に戦ってるところをただ休んで見てるだけなのに良心は痛まねぇのかてめぇは!」

 

「良心とは面白いことを言う。そんなものはそれこそ両親の腹の中に置いてきたものさね」

 

「上手いこと言ってるつもりか!」

 

そんな軽口の応酬を挟みながらも不患の手は止まらない。剣を地面に突き刺すと、それを軸に体を浮かせてその場を回転、周りに押し寄せてきた竜牙兵に鋭い回し蹴りをくれてやれば、さらにその後は突き刺した剣の柄に着地。

足場の剣を抜きつつ大跳躍を行うと、そのまま剣を構え、着地と同時に剣を地面に振りかぶった。

そうすれば剣に蓄えられていた不患の内功がそのまま地面へと波紋。周りを囲む竜牙兵をまとめて砕いていった。

 

「おいおい剣術だけじゃなく魔術顔負けの気功術すら使えるってか! やるじゃねぇか! こんなところで昂ることになろうとはねぇ!」

 

不患の見せる一連の芸当にクーフーリンはさらに闘志を燃やす。この特異点に来て初めての戦闘。竜牙兵を適当に散らすだけのつもりだったが、ここまでの武人が並び立ち多彩な武を見せているのに自分が槍芸を見せて終わりでは英霊の名折れというもの。

己が武の誉れを示すため、彼は愛槍をさらに強く握り直して竜牙兵の群れへと向かって行ったのだった。

そしてそれを外野で眺めるのはカルデアのマスター、藤丸立香と二人のサーヴァント。

彼女たちは荒ぶるクーフーリンを見ながら思っていたものとは異なる状況に変わっていくことに困惑しながら話し合っていた。

 

「ありゃりゃ。クーフーリンがあんなに盛り上がっちゃった。大丈夫かな?」

 

「止めても無駄よマスター。簡単な特異点の調査の護衛ってことで気を抜いていたあのワンちゃんが、自分と力を競える相手を見つけてしまったんだもの。少なくともこの戦闘の間はあの荒ぶりは誰にも止められないわ」

 

「だよねぇ…ん? というかリリィ、さっきから何してるの?」

 

自分のサーヴァントであるクーフーリンが戦いに夢中になっている様子を呆れながら見る藤丸とそのサーヴァント、メディア。

戦闘が終われば少しは冷静になるだろうと考えた彼女たちは、とりあえずこの場はクーフーリンと、不患と呼ばれているもう一人の現地の方に任せようと決めるが、そこで傍でそわそわとしているもう一人のサーヴァント、アルトリアリリィの存在に気付いた。

リリィは藤丸とメディアにその様子を見られると、うぐぅと苦虫を噛み潰したような声を漏らしながら顔を伏せる。

 

「あの、私もあの二人の中に入ろうと窺っていたんですが、隙が見当たらなくて…」

 

「あーなるほど。確かにあの中には入りづらいよね」

 

リリィの挙動不審の態度に得心した藤丸は同意するように頷く。そしてその横ではメディアがリリィの言葉にまたも呆れたようにため息を吐いていた。

 

「やめなさいな。あの場に入れる者なんて英霊といえどそんなにいないわよ。それに先程あちらの方がおっしゃっていたように後続の敵がいる可能性もあるのだから、今の私たちは温存しておくのがベストなのよ。というより、貴方の場合もうちょっと年季の入ったお年にならないとあの二人に渡り合うなんて難しいと思うのだけれど」

 

「う、うぐぅ…」

 

「まぁまぁメディア…」

 

メディアはリリィにグサグサと正論を突き出せば、それによりリリィが顔をさらに苦いものへと変容させ、終いには涙目になってしまった。

藤丸はそんなメディアを抑えながら、チラと話にあった美丈夫の方へと視線を向ける。

彼も戦闘は二人に任せ、いつの間にか近くの木に腰を下ろして煙管を吹いていた。その佇まいは非常に優雅なもので、煙管を吹く姿それを絵画にするだけで高価に取引されるだろうと予想できるほどだ。

しかしその優雅さとは反対に、今まで多くの英霊と関わってきたことによる経験からか、彼からはとてつもない胡散臭さと信用ならない裏があることを藤丸は嗅ぎ取っていたのだった。

まぁしかし、だからと言って彼を警戒することは彼女はしない。

 

「とりあえず戦闘が終わり次第あの二人と話し合ってみよう。メディアもリリィもそれまで気を抜かないでね!」

 

「はい、分かりましたマスター!」

 

「はいはい、了解よマスター」

 

そう話をまとめつつ、戦闘状況の確認に戻るカルデアの面子を、木に座る美丈夫、凛雪鴉は怪しげに視界の端にて捉えるのであった。

 

 

 

竜牙兵との戦闘が始まって数分後。

群れで押し寄せてきた竜牙兵たちは今、不患とクーフーリンの活躍により跡形もなく蹴散らされ、魔力の霧となって消えていった。

 

「こんなものか。案外手こずっちまったな」

 

「ったく、何だったんだコイツら」

 

霧となって消えていく竜牙兵の残骸を眺める不患とクーフーリン。

彼らはお互いに出た言葉に反応して顔を見合わせれば、表情を柔らかなものへと変え、互いの健闘を讃えあった。

 

「アンタなかなかやるじゃねぇか。俺はクーフーリン。アンタみたいな奴に出会えるとは幸先の良い旅になりそうだぜ」

 

「殤不患だ。お褒めに預かり光栄だ。かくいうアンタの方こそ相当な腕の持ち主とお見受けする。こいつらもだが、一体アンタたち何者なんだ?」

 

「竜牙兵を簡単にのしちまうアンタこそ何なんだって言いたいところだが、そこんところは俺からじゃなく、あっちの大将から聞いてくれや。まぁひとまずは敵対することはねぇだろよ。しかしアンタ、とんでもない得物で戦ってんな」

 

「そうか? 軽いし手入れも楽で結構便利何だがな」

 

そんな会話を交わしつつ不患はクーフーリンと握手を交わすと、離れたところから呼びかかる声を耳に入れる。どうやら先ほどクーフーリンが話していた大将と呼ばれている人が呼んでいるようだった。

その呼びかけに応え不患とクーフーリンはそちらの方へと足を向け、ようやくお互いの事情を話し合うのだった。

 

「初めまして。私たちはカルデアと言います。さっきは敵を倒すのを協力していただき、ありがとうございました!」

 

「礼を言うのはこっちのほうさ。俺たちが危ないところを駆け込んでくれたのはそっちだからな。俺は殤不患。しがない流浪人だ。んでこっちが…」

 

「鬼鳥と申します。この度は連れ共々助けていただきまして感謝の至り。このご恩に報いるためにはどれほど致すか勘定も間に合わないほどでございます」

 

「っな! お前…」

 

互いの紹介をし合い、カルデアの代表、藤丸と不患が話していれば、突如雪鴉が不患の話を遮り偽名を騙ると、偽名に反応をしようとした不患の鳩尾を肘打ちして強制的に黙らせる。そしてそのまま話を進めていったのだった。

 

「すみませぬ、コヤツめ先ほどの戦いの中で敵から一発もらっていたようで痛むとのこと。少しご容赦ください。さてしかしカルデアの方々。見たところ奇妙なお召し物をされており、さらには先ほどの奇怪な化物どもの素性についてもご存じの模様。お助けいただいた貴方たちを疑うわけではもちろんございませんが、一体何者なのか、よろしければお聞かせいただけませんでしょうか?」

 

雪鴉は藤丸へ礼を伝えながらしかしその素性について探りを入れる。

藤丸はというと鬼鳥を名乗る雪鴉の言葉に少し悩みながら、声を小さくして他のサーヴァントの面々と相談を始めた。

 

「どうしよう、そのまま私たちのこと話しても大丈夫そうかな? 信じてもらえないと思うけど」

 

「けれど伝えなければ仕方がないでしょう。この方達はすでに竜牙兵と遭遇しているのだし、疑問をこちらへの疑いに変えさせないためにもお伝えして差し上げれば?」

 

「信じるか信じないか自体は向こうさんに任せれば良いんじゃね? まぁ多分、奴さんは受け入れると思うがな」

 

藤丸の相談にメディアとクーフーリンが自分たちの意見を述べる。

それを汲みつつ、藤丸は考えをまとめて鬼鳥の方へと振り返った。

 

「実は私たちはーーー」

 

 

 

***

 

 

 

「ほう、つまりはカルデアの方々は我々とは違う時間の人間であり、この特異点とやらを正しい歴史に修正するために遣わされた星見の使者であると、そう申すのですな?」

 

「えっすごい。話が早すぎる…」

 

結局二人に全てを伝えることにした藤丸は、自分達の素性及び目的を鬼鳥に話したのだった。

そうすれば鬼鳥が想像していたよりも簡単にこちらの話を受け入れていたので、藤丸は思わず驚愕の表情を見せてしまった。

 

「いやいやもちろん一から十まですべてを理解できたわけではござらん。ただあなた方カルデアの目的は把握致しました。そしてそれにより、私たちの目先の目的は貴方たちと同じくしていることも」

 

「! それは一体どう言うことですか?」

 

突然の鬼鳥の言葉に藤丸は再び驚きの表情を見せる。

雪鴉はそんな彼女の様子を面白がるように煙管を吹かしながら、言葉を続けた。

 

「何、簡単なことです。我々は元々道中を共にしていた縁の腐った道連れなのですが、途中突然にして不思議な光に包まれまして気付けばここにいたのでございます。見ればここは以前我々が初めて出会った思い入れのある場所。一体どうしてこんなところに、と困惑していた矢先、先ほどの化け物に襲われてしまった、というところなのですよ」

 

「それはつまり、貴方たちも何かしらの影響を受けてこの特異点に巻き込まれた、と?」

 

「おそらくは」

 

雪鴉の言葉を真剣な面持ちで聞いた藤丸は、少し考え込む様子で他のカルデアの面々と話し合いを始めたのだった。

その間に鬼鳥はというと、後ろで話を聞いていた不患に話しかけられたのであった。

 

「いいのか、り…鬼鳥。俺らのことをそんなに話しちまって。あいつらの話を全部真に受けちまうってのか?」

 

不患は不安げな態度を見せながら雪鴉に問う。

不患としても先ほど助けてくれた恩人に対して疑いの目を向けることなどしたくはなかったが、藤丸から聞いた話はどうにも彼にとっては受け入れるには突拍子にすぎたためだろう。彼にはらしくもない面持ちであった。

それに対して雪鴉は煙管を咥えつつ不患へと問い返した。

 

「ならばどうする? 我々は帰る手段もなく、彼らの言うこの特異点とやらについて何も知りうる情報はありはしない。すでに何もない状態から今まさしくこのカルデアの者たちという鴨…ではなく救いの手が舞い降りたのだぞ。信用ないからと払い除けるのは簡単だが、そんなことをすればまた何にもない状態からやり直しだ。ならば使える手はなんでも掴み取り、利用するのが世の常というものだろう」

 

「…あーそうかい。お前にとっちゃ救いの手も利用するべき自分の駒の一つってことかよ」

 

「何を今更。そんな当たり前のことを」

 

雪鴉のブレることのない返答に不患はそろそろ痛くなってきた頭を抑えながら、しかし彼の言うことに一理を得てしまったためそれ以降の言及については口を噤んだ。

 

そして二人が話している間にカルデアはといえば、二人の状況を聞き今後の動きを話し合っていた。

 

「この二人、多分特異点に関係しているよね」

 

藤丸はサーヴァントをそばに寄せて、不患と鬼鳥に聞こえないように話をする。

そうすれば返ってきたのはクーフーリンとメディアの声だった。

 

「どういった関わりかは分からんが、まぁ間違い無いだろうな。しっかしあの鬼鳥ってやつからはきな臭い香りがプンプンするぜ」

 

「それはワンちゃんのあなたの鼻が効きすぎてるからでしょう。ただ、私もこの方と同意見です。不患さんが戦闘で見せた強さといい、鬼鳥さんがおっしゃた先ほどの話といい、放っておくには大きすぎる存在です。目の届く範囲に置いておくべきなのは間違い無いでしょう」

 

二人は不患と鬼鳥の存在をマークすべきものと見定めたようだった。

特にクーフーリンは鬼鳥の顔を見ると顰めっ面を隠そうともせず、警戒心をむき出しにしたままであった。

藤丸はそんな二人の意見に耳を傾けながら、うーんと眉間に皺を寄せる。

 

「だよねぇ…あぁこんな時にマシュたちと連絡が取り合えればなぁ」

 

「この特異点に来て以来、全く繋がらなくなりましたからね…」

 

藤丸の呟きにアルトリアリリィが捕捉するように声を出す。

そう、彼女らカルデア一行は新たに現れた微小特異点調査のため、いつものごとくレイシフトを行ったはいいものの、着いた矢先にカルデア管制室と連絡が繋がらなくなり、どうしていいか分からなくなっていたのだ。

そんな中、敵の反応をサーヴァントたちが見つけたので、急いで駆けつけて今に至る。

とどのつまり、彼女らもまた、情報が決定的に不足しており、不患と鬼鳥の存在はこの特異点の謎に迫る貴重な情報源であるのだった。

そんなカルデア一行は相談をまとめ終え、ようやく鬼鳥の方へと向き直り、藤丸から話をかけた。

 

「鬼鳥さん、不患さん、よろしければもう少し詳しくお話しできないでしょうか。実は私たちもこの特異点についてはまだ情報が不足しているんです。この場の状況をより正確に把握するためにも、ご協力をお願いできないでしょうか?」

 

悩んだ挙句藤丸たちは、鬼鳥と不患に助力を求めることにしたのだった。

裏のないその申し出に、手を差し出された鬼鳥は一見涼やかな笑みを顔に浮かばせながら、しかし藤丸の手を見るのみでその言葉に返答する姿勢は見せない。

 

「………」

 

「…? あの鬼鳥さん?」

 

全く反応を示さない鬼鳥を疑問に思った藤丸は頭を傾げてもう一度鬼鳥の名を呼ぶ。

するとようやく鬼鳥は顔を上げて藤丸の呼び声に答えた。

 

「あぁ申し訳ない。いやカルデアのなんとも清々しき申し出かと感心いたしましてな。えぇもちろん。私どもでよろしければいくらでも協力させていただきますとも」

 

鬼鳥は笑みを浮かべた表情のままにそう答え、差し出された藤丸の手に自分の手を添えて協力を了承したのだった。

それに安堵の笑みを浮かべる藤丸と、とりあえずひと段落と息をつくカルデア一行たち。

そんな中で、鬼鳥の後ろにてことの次第を眺めていた不患はというと、未だ薄い笑みを浮かべたままの道連れについて考えていたのだった。

 

(こいつもしや、あわよくばカルデアの奴らを出し抜こうとしてやがったな)

 

不患の推測は正しく、鬼鳥はというと協力関係を引いてこのカルデアを騙す手口を画策していたのだった。

というのも。彼、凛雪鴉は人を煽り、欺き、陥れるのを世の最上の愉悦とする、気狂い人格破綻者であるのだ。

これまでどれほど多くの者がこの男の手によって苦渋を嘗め、屈辱に見舞われてきたのか。列を並べれば切りがないほど人を騙してきた彼は、今もまたカルデアを陥れようと頭を回していたが、しかしその興が一気に冷めてしまった。

なぜなら、カルデアの代表である藤丸があまりにも騙しがいのない普通の人だと見抜いたからだった。

彼が欺く相手は決まって悪人である。なぜか。決まっているだろう、その方が欺けた際により質の高い屈辱を彼に見せてくれるからだ。

それゆえ、騙しがいのない善人や普遍な人間など、彼にとっては興味の対象にあらず、見るに堪えない存在なのだ。

カルデアを騙そうとした凛雪鴉だったが、カルデアはというとあまりにも裏のない申し出をこちらに提示してきた。

これにはかの掠風竊塵も興冷め。とりあえずは協力関係を結ぶことはするものの、鬼鳥は彼らに対しての興味はほとんど失われてしまったのであった。

 

(まぁ、図らずともコイツの出鼻が挫けたところを見れたのは良かったってところか)

 

そんな道連れの計画倒れに、内心鼻を鳴らしながら喜色を示していた不患はあらためて、協力に対しての礼を伝えながら今後のことについて提案する。

 

「ここで立ち話ってのもなんだ。俺の記憶が正しけりゃこの道を進んだ先に村があったはずだ。ひとまずそこで宿を借りて話をするってのはどうだ?」

 

不患のその提案を拒むものはおらず、一行はとりあえず近くの村まで向かうことになったのだった。

 

協力関係を結んだカルデアと殤不患たち一行。

まずは良きに事が運ぶ一方、事態の元凶の影は未だ掴めず。

はてさて彼らが織りなす物語は一体どうなることやら。

胸の騒ぐ冒険譚の続きは、また次回にて。

 

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