基本的に僕の書きたいものを書いている+割とガバな設定等で粗がかなりあると思いますが温かい目で読んでいただけると幸いです。
Prologue
「そろそろ、か。」
彼は今、自らが築き上げたビルの屋上にいる。
ここから見えるのはこの街のほとんどであり、この街の目玉である日出スカイヒルズよりも高い位置で街を一望できる。
(この平和な街に、脅威が迫っている。その事実は覆せない。だからこそ、我々には最強の武器とそれを正しい心で扱える者が必要なのだ。)
そんなことを考えていると背後のドアが開く。
後ろを振り向くといつも彼のそばにいる秘書がいた。
「どうした?」
「まもなく実験開始の時間ですので」
「わかった。私もそろそろ向かおうとしていたところだ」
「それでは」
それだけを告げ、秘書は戻っていった。
「この実験を成功させ、襲来に備えなくては。この街に住む多くの命を犠牲になどさせない……」
ふと彼は空を見上げてみた。
空には暗雲が立ち込め、今にも雨が降りそうなほどに広がっていく。
まるでこの先の出来事を予見しているかのように。
────────────────────
ーガンバライジング社模擬戦闘ルームー
「それでは実験を始める。ドライバーのスロットにICカードを挿してくれ」
《Ganba Driver,System Start-up.》
「変身」
ガンバライジング社ではガンバドライバーの起動実験が行われようとしていた。
彼の言葉でガラスの向こうに立つ被験者の青年は起動したドライバーにICカードを装填し開発コード「アクート」へと姿を変えた。
「スーツ装着成功、数値安定しています」
「これなら」
行ける、そう思った瞬間耳をつんざくようなアラートが鳴り響く。
「ガッ!ウゥッ、アァァァァァァァッ!」
突如として被験者の青年が叫びと呻き声をあげる。
「何が起きてる!?」
「ドライバーより異常な数値を検出、これは!?」
被験者に装着されたドライバーから突然火花が飛び散る。
アーマーからは煙が上がり被験者の苦しげな声がマイクを通してガラス越しの部屋に流れてくる。
「数値測定不能、これ以上は危険です!」
「外部からの変身解除は!?」
「できません、外部からのアクセスを一切受け付けてません!」
打つ手はない、そう思った時スーツの中から被験者の青年が弾き出される。
スーツは粒子状に変化した後、元のスーツに戻っていく。
「……」
「アクートが静止、いえアレは一体?」
「アクー……ト……?」
中に誰もいなくなったはずのスーツが言葉を発し、自らをアクートと認識すると、ガラスを破り研究員のパソコンに手をかざす。
「目的、巨悪の殲滅。適格者の選定。全ては、来るべき時の為に……」
アクートシステムの目的を理解したそれは霧散しどこかへ消えた。
画面に表示される警告画像、想定外の事態に彼はもちろんオペレーター達も困惑していた。
「大変です!」
「今度はどうした!」
「被験者の生命反応微弱、危険状態です!」
「実験を即座に中止、何としてでも適格者の命だけは守れ!」
慌しくモニタールーム内を人が駆け巡る。
どうしてこうなってしまったのか、そんなことを考えながらそこにいた全員が運び出される被験者の青年をただ見つめていた。