ガンバライダーファイヤー   作:ドラゼイド

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お久しぶりです。
前回更新から3ヶ月近く経ってるので書き方ド忘れしました()
書いててなんか長いな…って思ってましたが普段と同じくらいの文字数なんですよね不思議だ…
久々すぎて途中雑な部分がありますが目を瞑っていただけると幸いです。


第4話 特訓開始

 サンダーがバグを倒してから数日後、圭吾は再びガンバライダールームへとやってきていた。

しかし他の適格者の姿はそこにはなく常駐しているオペレーターがいるだけだった。

 

「……集まり悪すぎません?」

「仕方ないですよ、2人ともここにいること少ないですし」

 

 田沼が計器類をいじりながら答える。

 

「蒼木くんはあんまり連絡つかないし宮永くんも仕事の方が忙しいみたいだから」

「え、宮永さん適格者以外に仕事してるんですか?」

「体操教室のインストラクターだって。結構生徒から人気らしくてやめるのも難しかったんだって」

「へぇー。で、バイトだけだった俺は融通が聞くわけで」

「皮肉?」

「いやそんなことはないですけど」

 

 そう、彼はバイトを辞めていた。一応「ガンバライジング社の中にある子会社(という設定の)企業に就職した」ということになっているが、実際業務はないわけでほぼ無職に近い立ち位置になっていた。

まぁバグが現れた時にバイト中で対応できませんでした、となってしまっては寝覚めが悪いわけだが。

 

「お、今日も来てたのか」

「することもないですからね」

 

 ドアが開き澤田がガンバライダールームに入ってくる。

 

「部屋に引きこもってばかりじゃ体に悪いぞ少年?よし、軽く手合わせでもしようじゃないか」

「手合わせですか?」

「そう、いくらドライバーの補助があるとはいえ、君は戦い慣れた戦士というわけじゃない、実戦経験は多い方がいいだろう?」

「確かに!それじゃあよろしくお願いします!」

 

 2人はガンバライダールームを後にした。

 

「男ってなんでこう修練とかばっかなのかしら……」

 

 男2人の少々暑苦し気な距離感に悪態をつきつつも、田沼は市内のモニタリングに視線を戻した。

 

 ────────────────────

 

ガンバライジング社 トレーニングルーム

 

「よし、まずは武器の相性の確認からだな」

 

 目の前にはガンバソードとガンバブラスター、ガンバトマホークが置かれている。

 

「使う武器にも向き不向きがあるからそれを確かめてからに手合わせした方がやりやすいだろう?」

「なるほど」

 

 圭吾は直感的にガンバソードに手を伸ばす。

最初の戦い以来、ハンドル剣を使い続けていた彼にとってそれは当然の選択だった。

 

「あぁ、ちょっと待った」

「え?」

 

 しかし澤田が待ったをかける。

 

「普段使っている系統の武器は後回し、まずはこっちだ」

 

 そう言ってガンバブラスターを持たせてくる。

澤田の指示でスタンバイしていた電算部の二人が端末を操作する。

ホログラムから実体化したのはドラマやゲームなどの射撃訓練場でよく見る円形のターゲットだった。

軽く銃の打ち方の説明を受けてから仕切りで区切られた射撃位置に立つ。

 

「さて、まずは10発当てるところからかな」

 

 的までの距離は5メートル、狙いを定めて引き金を引くも慣れていないせいか的にはうまく当たらない。

 

「やっぱそう簡単にはいかないか」

 

 そうぼやきながらも圭吾の目線はしっかりと的に狙いを定めていた。

決して射撃の精度は高くないものの的自体に当てるコツは早い段階でつかみ数十分ほどで的には10個の貫通跡がついた。

 

「思ったより早く終わったな、じゃあ次のステップに進もうか」

 

 澤田が指を鳴らすと止まっていた的が動き出す。

最初はゆっくりだった的の動きも早くなり次第に補足できなくなってくる。

 

「って思ったより的の動き早くないですかね!?」

「一発でも当てれば的は止まるからそれまで頑張ってね」

(鬼か……?)

 

 的が止まったのはそこから30分後だった。

 

「よし、じゃあ今度はこっちね」

「いやあの休憩とか」

「?そんなに汗かいてないだろう?」

(鬼か……?)

 

 休憩もなしに今度はガンバトマホークを持たされる。

 

「ってか重っ!?」

「今から戦闘員が100体出てくる、それで全員倒せば休憩だ」

「あの話聞いてます?ってか100体か……」

 

 いやでも思い出すのは数日前、戦闘員のバグを100体倒したことだった。

しかも今持っているのはハンドル剣よりも重いトマホーク、一体何分かかることやら、と圭吾は考えていた。

 

「それじゃあスタート!」

 

 澤田の号令と共に戦闘員100体が投影される。

 

「あーもうやってやらぁッ!」

 

 重いトマホークを引き摺りながら圭吾は駆け出す。

やけくそ気味にトマホークを持ち上げ回転しながら近くにいた戦闘員を斬る。

 

「ハァ……ハァ……」

 

 あれから何分経っただろうか。

100体倒し終わる頃には息も絶え絶えになり手からトマホークが滑り落ちる。

終わったことの脱力感からか圭吾は自然と床に倒れこむ。

 

「お疲れ様、少し休憩したら今度は体術訓練だ」

「……やっぱ鬼だわ」

 

 投げ渡された水を飲みながら圭吾の口からは自然とボヤきが漏れていた。

 

 ────────────────────

 

「さて、後半戦スタートだな」

 

 休憩もそこそこに体術訓練がスタートする。

GRZのロゴがあしらわれたジャージに着替え、2人は向き合う形になる。

 

「遠慮はいらない、今の君の全力を叩き込んでこい!」

「わかりました、行きます!」

 

 圭吾はそう言って深い深呼吸をする。

部屋の中が一瞬の静寂に包まれる。地面を蹴って駆け出し、右ストレートを繰り出す。

しかし、澤田は左手で圭吾の右手首を掴むと腕ごと引っ張り勢いのまま前に倒す。

澤田にとって格闘経験もない圭吾の攻撃を予測するのは容易かった。

 

「まだまだァッ!」

 

 その後も距離を詰めながら攻撃を当てようとしても澤田は一撃も当たることなくかわしていく。

 

「そんなものかい?まだ一撃も当てられてないよ?」

「すぐに当ててあげますよ……ッ!」

 

 威勢よく啖呵を切るが圭吾の胸の中には焦りが生じていた。

 

(どう攻撃しても軌道は逸らされる、だったら逸らされる前に!)

 

 そう思い圭吾は攻撃の手を早める。しかしそれすらも読まれているのか巧みに攻撃を逸らされる。

 

「くっ……」

 

 完全な上手を前にして、焦燥感に駆られながらもひたすらに攻撃を繰り出していく。

時計の針が1周した頃、すっかりスタミナの切れた圭吾は大の字に寝転がり天井を見上げていた。

すんでのところで攻撃を当てられそうな場面はあったが巧くかわされながら幾度となく投げられた、その事実が圭吾の胸の中で悔しさに変わっていた。

 

「ハァッ……ハァッ……」

「ははっ、少し休憩にしようか」

 

 そういって澤田はタオルを渡し静かに語りだす。

 

「赤谷くん、君の攻撃はある意味純真だ。真っ直ぐで素直に正面から打ち込んでくる。その心意気は立派だけど、それだけじゃ敵は倒せない」

「……」

「戦況を見極めること、相手の攻撃をしっかり読んで逸らすことも重要なのさ」

「勉強になります」

「勤勉なのはいいことだ、ハッハッハ」

「……その笑い方なんかおじさんみたいですよ?」

「まだ投げられ足りないのかな?」

「嘘です許してください」

「なぁんて、冗談だよ冗談」

 

 そんなことを話していると

 

『日出倉庫街にバグ出現、出動可能な適格者は至急対処にあたってください!』

「赤谷君」

「大丈夫です、行けます!」

 

 ────────────────────

 

 現場に到着するとディエンドのバグが暴れまわっていた。

 

『ウ、アァ……』

「変身!」

 

 ガンバライダーへ変身しさっきのトマホークよりも体感的に軽くなったハンドル剣を取り出しバクへと駆け出す。

 

「そォらッ!」

 

《@タッ苦ラiドォ…隠ビsiブ留e…》

 

 ハンドル剣を振り下ろしたっ瞬間に禍々しい音声と共にディエンドのバグはその場から消失しその刀身は空を切る。

 

「……!どこ行った」

 

 ベルトに手をかざし敵の位置のスキャンを行うが反応はない。

透明になったバグを探していると背後に攻撃を受ける。

 

「うわっ!?」

 

 オリジナルと同様姿を消したがその場から逃げたわけではなく透明化して攻撃をしてきているようだ。

さっきの特訓のせいもあり体が重い、近接をあきらめゲートからドア銃を取り出すが状況は依然として悪手だった。

 

(まずい、頭パンクしてきた……!)

 

 攻撃への対処とバグの位置の捜索で圭吾の頭の中のキャパは今にも限界値を超えそうだった。

一度深呼吸をして思考を落ち着かせ、再び集中する。

大事なのは戦況を読み相手の攻撃をかわすこと。

聞こえるのは風の音、マンホールの金属音。

 

(……ん?マンホール?)

 

 目の前の地面にはマンホールが置かれている。

仮に今バグがあそこに立っているとするならば、そう考えファイヤーは瞬時にベルトを操作しメロンディフェンダーをゲートから取り出す。

目の前に構えた瞬間に衝撃を受けた。おそらくバグの放った銃弾が当たったのだろう。

だとすれば

 

「そこだァッ!」

 

 メロンディフェンダーを投げ捨て何もいない目の前に向かって銃弾を放つ。

放たれた銃弾はディエンドライバーへ直撃しインビジブルの効果が切れたのかバグはその姿を現した。

 

「さてと、サクッと終わらせる!」

 

 そうしてファイヤーは顔パーツを裏返し再度はめ直す。

 

《Limiter release! Burst Change!》

 

 バーストを行うと余剰エネルギーが炎に変換されスーツから放出される。

 

《Burst Break!》

 

 ドライバー内でエネルギーがチャージされ技を選択する。

 

《マイティキック!》

 

 電子音と共に足裏に擬似的な封印エネルギーが増幅し、左足を下げながら左手をベルトの前、右手を前に出し両手を下ろす。

バグへと駆け出しながらエネルギーを溜め、両足で踏み切り空中で1回転して右足を突き出す。

 

「オリャーッ!」

 

 封印エネルギーの込められた右足から放たれるキックはバグに命中しその体にはリント文字が刻まれていた。

やがてリント文字が強く発光しバグは爆発四散する。

 

「お、終わった……」

 

 今日1日の疲れからか変身解除するとその場にへたり込む。

とはいえこのままここにいるわけにもいかないのでゲートからガンバストライカーを呼び出しガンバライジング社へとバイクを走らせた。

 

 ────────────────────

 

「へぇ、あれが正規の適格者ってわけか」

 

 そこには青年が一人佇んでいた。

 

「お前は俺に勝てるか、せいぜい楽しませてくれよ?ガンバライダー」

 

 狙いを定め不敵に笑うフードを被った青年は屋根の上からバイクが走り去るのをただ見つめていた。

 

 

次回予告

「この1か月のバグの出現に何か規則性はあるんでしょうか?」

「可能性は0とは言い切れません」

「バグが喋った……!?」

「この間の一人だけか」

「俺もガンバライダーさ、名前はシャドー」

第5話 忍び寄る影




後出しの補足になりますが訓練中に使ったガンバブラスターはオペレーターなどの非戦闘員の使用も視野に入っているので反動がほぼない分威力は低いというような設定がかかっています。
銃を扱ったことのない圭吾が数十分で10発的に当てることができたのもそういう理屈からですね。

ガンバドロイド
適格者が持っている時計に組み込まれる多機能システム。
液晶部分に手をかざすことで武器やバイクの転送、オペレーターとの通信、バイタルチェックなどが可能となる。
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