ガンバライダーファイヤー   作:ドラゼイド

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お久しぶりです
4ヶ月振りの更新になりますお待たせ(?)いたしました…


第6話 戦う理由

 サンダーの手引きでガンバライジング社へと帰投した圭吾は待機していた医療班と一緒に裕樹を乗せたストレッチャーを運んでいた。

 

「ここに来るまでの状況は?」

「えっと、いつもみたいにバグの対処にあたってた時に知らないガンバライダーと会敵、そのまま戦闘に入りました」

「わかりました、後はこっちでやっておくので」

「あ、はい」

 

 医務室にストレッチャーが担ぎ込まれる中で圭吾は扉の前で立ち止まる。

中に入ることはできないし入ったところで彼にできることはない。

とぼとぼとガンバライダールームに戻ると中では慌ただしくオペレーターが動いていた。

 

「松永さん聞こえますか!?」

「救護班は何やってるんだよ!」

「今は宮原さんの処置やってますよ!ただでさえ人員少ないんですからすぐには回ってこないです!」

「何があったんですか!?」

「赤谷くんか、悪いけど今悠長に説明している時間はないんだ」

「松永くんと連絡が取れない、おそらくシャドーとの戦闘で深手を負ってる可能性がある」

「先輩このプラグどこに刺せばいいですか?」

「あーもう変なとこ触んなこっちの仕事が増えるだろ!」

 

 シャドーの猛攻により裕樹が倒されただけでなく聡も音信不通、バタバタと多くの職員が動き回る中で圭吾だけが蚊帳の外だった。

騒ぎの渦中の外にいるような感覚を覚えた圭吾はその日静かにガンバライジング社を後にした。

 

 ────────────────────

 

 あれから数日が立ったが何もできなかった事実は圭吾の心の中に深く影を落としていた。

いくら適格者になってから日が浅いとはいえ、誰かを守ると言っていた彼の意志は揺らいでいた。

迷いがなかったら、力を使いこなせていたら裕樹も聡も怪我をすることはなかったのでは?

けれどそれはあくまでも可能性の中の1つの結果論に過ぎない、自室のベットで天井を見上げながら考えるが答えらしいものは何も見つからず、どうすればよかったのかという疑問は彼の中でグルグルと回っていた。

 

「……このままじゃダメだ」

 

 いつまでもウダウダと考えているだけでは何も変わらない。そう思った圭吾は立ち上がり、ガンバライジング社へと向かった。

 

「トレーニンングルームの使用許可?」

 

 オペレータールームにいたのは田沼だけだった。

 

「はい。俺は今のままじゃダメなんです、だから」

「……それ私に言われても困るんだけど」

「そうですよね……すみません」

「澤田くん、もうトレーニングルームで待ってるよ」

「ッ、ありがとうございます!」

 

 そう言って圭吾はガンバライダールームを早足で出ていく。

 

「ふふっ、頑張ってね」

 

 彼の後ろ姿を見送りながら、田沼はそっとエールを送った。

 

 ────────────────────

 

 トレーニングルームに着くと、ジャージに着替えた澤田が立っていた。

 

「澤田さん」

「おう、よく来たな」

「今日も手合わせお願いできますか」

「俺もそのつもりだ」

「ありがとうございます!」

 

 お互いに距離を取り、深く深呼吸をする。

先に動いたのは圭吾の方だった。

 

「ハァッ……!」

 

 前回と同じ右ストレート、澤田は腕をつかみ転ばせようとするがすんでのところで踏ん張り左足で回し蹴りを放つ。

しかし顔に当たる前に左足を掴まれ投げ飛ばされる。

そのまま転がっていくが壁に激突する前に体勢を立て直す。

 

「いっ、つぅ……!」

「それで終わりか?」

「まだ、まだァ!」

 

 その後も手合わせは続いた。

しかし、一度も澤田に攻撃は通っていない。

それどころかずっと投げられっぱなしで圭吾の体には至る所にアザができていた。

 

「くっ」

「赤谷くん、今の君には焦りが見える」

「……やっぱりそうですかね」

「奴との戦闘で何かあったのか?」

 

 圭吾は床に倒れこみ静かに呟く。

 

「俺って何もできないんだなって」

「それは?」

「適格者になったばっかで、右も左も分かんない中でただ戦ってきて、人かどうかもわからないのに心が揺らいで、2人に守られて今ここにいる。情けないって思ったんです」

「じゃあ、ここに来たのは」

「それは、次アイツに負けないためです」

 

 圭吾は決意のこもった眼で言い放つ。

 

「俺負けず嫌いなんですよ。あの時何もできなかったから、もう逃げるわけにはいかないんです。アイツからも、自分自身からも」

「だからこうしてここまで来たわけか」

「バグの正体とか、なんのために戦ってるとか、自分の中でどうすべきかはわかりません。だから俺は」

 

ビーッ!ビーッ!

 

『日出市第五地区でドライバーの識別信号!データアーカイブからシャドーのものと判別!赤谷君はドライバーを回収後至急現場に向かって!』

 

 けたたましい音とともに田沼のアナウンスが入り出動命令が入る。

 

「赤谷くん」

「大丈夫です、今ので吹っ切れました。手合わせありがとうございました!」

 

 そう言って圭吾はトレーニングルームを飛び出していった。

 

「……いい目をしていたな」

 

 サポートのため足早にガンバライダールームに向かう澤田の口元にはかすかに笑みが溢れていた。

 

 ────────────────────

 

 ガンバストライカーを駆る圭吾は現場に到着、目の前には彼の来訪を待ち侘びたかのようにシャドーが佇んでいた。

バイクを降りながら圭吾とシャドーは対峙する。

 

「なんだ、今日はお前だけか」

「他の2人はこの間お前が食い散らかしただろ。今日は俺だけだ」

「へぇ、前にあれだけみっともない所見せたんだ、今日は楽しませてくれよ?」

「……変身」

 

 懐からガンバドライバーを取り出し圭吾はファイヤーに変身する。

 

「さァ、遊ぼうぜェッ!」

「ッ……!」

 

《BREAK!》

 

 シャドーは持っていたブレイクガンナーを手早くブレイクモードに変えファイヤーへと肉薄する。

攻撃が当たる寸前にファイヤーは腕をクロスしすんでのところで攻撃を受ける。

右足の蹴りでシャドーから距離を取りながらファイヤーは攻略への道筋を考える。

 

(当たり前だけどパワーは向こうの方が上、正面でやりあったら負けるのは確実……!)

 

「だったら!」

 

 ファイヤーはドライバーに手をかざしゲートからゼンリンシューターとシグナルカクサーンを取り出す。

 

《ヒッサツ!フルスロットル!シューター!》

 

「食らえッ!」

 

 正面戦闘を避けるためにもカクサーンの力を使って隙を作りながら徐々に詰めていく、というのが彼の立てた作戦だった。

しかし、

 

「前回よりはマシな動きだ。だがッ!」

 

 シャドーは銃弾に当たることなく全て避けながら距離を詰めファイヤーのアーマーに思いきりパンチを食らわす。

予想外の動きにガードが間に合わずファイヤーは勢いのまま壁に叩きつけられる。

 

「当たんなきゃ数撃っても意味ねぇんだよ」

「グハッ……やっぱ付け焼刃の戦法じゃ通じないか」

 

 そう言い放ちファイヤーはゼンリンシューターを投げ捨てる。

 

「へぇ……そんなんで俺に勝てるとでも?」

「勝ち筋は、ない。それでも……俺は絶対に逃げない!」

「クハハ、言ってくれるぜ!そういう綺麗事ばっかの奴ほど、壊しがいがあるッ!」

 

 2人が手を伸ばしたのは同時だった。

互いに顔パーツを裏返し、叫ぶ。

 

「「バーストチェンジ!」」

 

《Limitter release!Burst Change!》

 

 バーストで放出される赤と紫の余剰エネルギーは互いにぶつかり合い、余波で瓦礫が粉々に砕け散る。

 

「ハァァァァッ!」

 

 先に動いたのはファイヤーだった。

背中のブースターを噴射し滑るようにしてシャドーに接近していく。

 

「正面突破か、おもしれぇ!」

 

 シャドーもファイヤーの愚直な策に乗ってきたのか、地面を蹴って近づきながら拳を構える。

しかし、0距離になる寸前でファイヤーは足をあげてパンチを避けブースターを再点火、そのまま上空へと飛び上がる。

 

「これで、終わりだァッ!」

 

《フレアラストラップ!》

 

 疑似再現されるマックスフレアの炎と直上からの落下エネルギー、そしてダメ押しのブースターによる加速、これが今ファイヤーに出せる最大火力だった。

 

《プロトオーバークラッシュ!》

 

「来いよオラァッ!」

 

 迎え撃つようにシャドーも必殺技を発動し、拳に紫色のエネルギーを集中させる。

ぶつかり合った衝撃は爆炎になり砂埃が舞い散る。

 

「ガァッ!」

 

 ファイヤーは爆発の衝撃で地面を転がりながら体勢を立て直す。

砂埃が晴れるとシャドーは右腕を抑えながらもまだその場に立っていた。

 

「嘘、だろ!?」

 

ピーッ、ピーッ

 

 驚いていたのもつかの間、無機質な電子音が鳴ったと思ったらシャドーの体の白ラインが点滅しスーツの色が紫から灰色に変わる。

 

「なんだよ、もう時間切れか」

(時間切れ……?)

「おいそれって」

「お前、なかなか見どころあるな。また遊ぼうぜ?」

「なっ、待てッ!」

 

 シャドーはドライバーに手をかざし、ファイヤーたちとは違うゲートを出現させどこかに消えていった。

 

「勝てた……のか?」

 

 誰もいなくなったその場所で変身を解除した圭吾は、ただ立ち尽くしていた。

 

 ────────────────────

 

 どこかの路地裏、ドライバーからICカードを抜き取った青年は右腕を抑えながら壁にもたれかかる。

 

「ハハッ、あの野郎、なかなか見どころあんじゃねぇか」

「……ドライバーの時間制限、知られてしまったな」

「んだよアンタか、だったら万全の状態で作ればよかった話だろ?」

「用意できない部品だってある、その中で純正のシステムに勝るとも劣らない出来までもっていったんだからむしろ感謝してほしいくらいだ」

「へーいへい」

「……しばらくはバグを泳がせる、お前は休め」

「どーも、博士」

 

 博士と呼ばれる仮面をつけた白衣姿の男はそのままどこかに去っていく。

彼らの対峙は、まだ先の話……

 

 

 

 

 

次回予告

「今日の日出市はところにより……」

「……鉛の雨が降るでしょう」

「まさか、バグと人が手を組んだとか……?」

「ジャミング!?これじゃバグの居場所が……!」

「行ける、ガンバストライカーのスピードなら!」

第7話 弾丸チェイシング




案の定書き方を忘れました()
投稿頻度はもう少し上げていきたい所存…
ご意見ご感想等お待ちしております。


ガンバドライバー
業務用モデルと戦闘用モデルが存在し、業務用モデルは消防や警察、建築現場など危険な作業が多い業種向けのパワードスーツとしてリリースされている。
戦闘用モデルには特殊なロック機構がかかっており、ドライバーで1番最初に認証を受けパターンを記憶された人間しか扱うことはできない。
本来開発者ならびに適格者しか戦闘モデルの存在を知らないはずだが……?
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