というわけで第7話になります。
どんどん書き方わかんなくなってるぜ!(爆)
「待ちやがれこの野郎!」
時刻は夕方、本来なら帰り道の学生や車通りの多いはずの道路は閑散としていて、人通りもないに等しい。
まるで誰もいなくなってしまったようにしんとした道路を爆発音とバイクのエンジン音が嵐のように通り過ぎる。
音の発信源は銃弾を雨のように降らすサイガのバグとそれをガンバストライカーで追いかけるファイヤーだった。
どうしてこんなことになったのか、事の発端は3時間前に遡る……
3時間前
シャドーとの戦いから2週間、待機中にトレーニングルームで訓練を続けながら現れたバグを倒す日々が続いていた。
今日は久しぶりの非番ということもあり、圭吾はのんきにテレビを流し見していた。
もちろん、非番と言ってもバグが現れた場合には現場に急行しなければならないが、ガンバライジング社の中でで気を張らなくて済むだけで彼にとっては十分だった。
テレビに映るニュースはちょうど午後の天気のコーナーに移っていく。
『これからの日出市のお天気ははところにより……』
肝心のこれからの予報のタイミングでノイズの音が鳴る。
普段ならしっかり電波を受信しているので不思議なこともあるもんだ、そんなことを考えながらコーヒーを飲んでいると画面に砂嵐が走りテレビ局の前から部屋の中へと映像が切り替わる。
画面には白衣を着て仮面をつけた男が立っていた。
『……鉛の雨が降るでしょう』
瞬間、ボイスチェンジャーで加工された耳障りな声が飛び込んできた。
天気予報ではまず聞かないであろう鉛の雨というワードに驚いて思わず飲んでいたコーヒーを噴き出し、むせながら椅子から立ち上がる。
「鉛の、雨……?」
『日出市にお住いの皆様はくれぐれもご注意ください。それでは、良い1日を』
再び砂嵐が走り、映像はさっきまで見ていたテレビ局のスタジオに戻る。
突然のことにカメラの前のアナウンサーも困惑しているようだ。
『そ、それでは次のコーナーに』
とはいえ生放送を止めるわけにもいかないのか、顔色を変えないように次のコーナーに移ろうとしていた。
そもそも鉛の雨なんてそんな装置がない限り降るわけがない、そう思い圭吾も椅子に座る。
その数秒後、外で爆発音が響く。
「なっ!?」
窓を開けると街の中心部の方に煙が上がっていた。
音はテレビ局のスタジオにも届いていたようでスタジオ内にもどよめきが広がる。
『そ、速報です。日出市内にて爆発騒ぎがあった模様です。テレビの前の皆さんは身の安全を第一に建物の中などの安全な場所に避難してください』
煙の上がる方向には人影が一つ、空を飛んでいるように見える。
空を飛びながら爆発を起こすなど、明らかに生身の人間のできる所業ではない。
あれがバグの起こした爆発なら迷ってる暇はない、ハンガーからパーカーを引っ剥がし最低限の着替えを済ませ外に出ようとしたタイミングで時計にコールが入る。
『赤谷くん、非番のところすまない。ブリーフィングを行うから至急ガンバライダールームまで来てもらえるか』
「わかりました!」
圭吾は外に止めてあったガンバストライカーのエンジンをかける。
今は周囲の騒音なんてものを気にしている場合ではない。
アクセルを全開にして圭吾はガンバライジング社に向かうのだった。
────────────────────
ガンバライダールームに着くとすでにブリーフィングの用意が終わっていた。
中央部のモニターには日出市のマップと拡大された粗い画像が映し出されていた。
「遅くなりました。藤崎さん、状況は?」
「街の中心部にサイガのバグが出現、先ほどの爆発はフライングアタッカーから発砲された銃弾で引き起こされたものと思われます」
モニターには粗い写真とサイガの画像が映されていて、照合率は90%を超えていた。
「知っての通り、今のシステムでは空中戦には対応できません。そのためフライングアタッカーを破壊、地上で迎撃する体制を取ります。田沼さん、澤田さんにはオペレートをお願いします」
「「了解!」」
「山内さんと原田さんは迎撃ポイントの算出を」
「わっかりました!」
「おい原田、やる気は認めるが変なところ触んなよ!」
作戦プランをモニターに映し出しながら薫はその場にいた全員に的確に指示を出していく。
それぞれが準備を始め、圭吾はガンバライダールームを出て現場に急行する。
「しっかしあの仮面の男は何なんですかねぇ」
「まさか、バグと人が手を組んだとか……?」
「その可能性は捨てきれませんが……」
「まぁなんにせよ、今はアイツに頑張ってもらうしかない。俺たちでサポートするぞ」
倫の一言で、ガンバライダールームにいた全員が所定の位置につく。
3人の適格者のうちの2人がダウンし、本来分担できるはずの対応を彼に全て投げることになったのはここにいる誰もがわかっていた。
「頼んだぞ……」
倫はマップ上を移動するアイコンを見ながらそう呟いた。
────────────────────
数分後、圭吾は街の中心部に到着する。
既にどこかに避難したのか、人ひとりとして見当たらない中でバグは変わらずに破壊活動を続けていた。
バグはこちらに気づいたのか銃弾を雨のように降らせてくる。
「チッ、文字通り鉛の雨ってかよ!変身!」
《RISE UP! FIRE!》
あらかじめ装着していたガンバドライバーにICカードを装填しバイクを急発進させながらスーツとアーマーが装着される。
ハンドルを切りながら銃弾を避けるが、これではフライングアタッカーを破壊するどころか攻撃することすらままならない。
「これじゃ攻撃できない……!」
『ガンバストライカーには自動操縦のシステムがあります、それを使ってください!』
《Ganba Striker Automatic drive mode》
言われた通りにモニターを操作すると音声とともにヘッドライトが光る。
恐る恐るハンドルから手を離すと自動で車体が保持されていた。
「おぉ、こりゃいいな……!」
これなら攻撃できる、そう思いファイヤーは再びモニターを操作しサイガのバグに狙いを定める。
先ほどのブリーフィングのタイミングでガンバストライカーのヘッドライトがビーム砲にもなるということを聞いていたファイヤーはそれを使ってフライングアタッカーを破壊しようとしていた。
「うおっ!?」
だが、自動操縦の回避精度が良すぎるのか狙いをつける前にバイク自体が回避行動をとってしまい、危うく転げ落ちそうになる。
また
すぐに自動操縦を切り片手でハンドルを握りながら狙いを定める。
しかし、バイクに乗りながらの射撃など訓練をしているはずもなく、攻撃は全て回避されていた。
そしてバグが建物の影に隠れた瞬間に不可思議な現象が起こる。
砂嵐とともにオペレーターとの回線が突如として切れ、表示されていたマップも消えてしまったのだ。
「ジャミング!?これじゃバグの居場所が……!」
こうなったら自分で追いかけるしかない、そう思ったファイヤーだったが影になっていた建物を超えた先にはサイガのバグはいなくなっていた。
『……ん、か谷さん聞こえま……』
バグがいなくなったからか、通信が回復しモニター上にマップが表示されるがそこには〈Enemy's LOST〉の文字があった。
「……こちらファイヤー、対象ロスト。一回戻ります」
仮面の下で唇を噛みながら圭吾はガンバライジング社に向けて帰投した。
────────────────────
「すみません、取り逃がしました」
「お前だけのせいじゃない、そう気を落とすな」
ガンバライジング社に戻り圭吾はいの一番に頭を下げたが倫によって肩を叩かれる。
そんな中で薫がタブレットからモニターに映したのは波形のようなものだった。
「先ほどジャミングが起きた時の周波数のデータがあるのでそれを使えばジャミングの打ち消しは可能です。もう先ほどのように通信不能に陥ることはないかと」
「それはいいとして攻撃はどうしますか」
圭吾の一言でガンバライダールームにいた全員が頭を悩ませる。
「やっぱり建物の上で待ち構えて狙い撃つか?」
「訓練もしてないのにスナイプは難易度が高すぎますよ」
「せめて限界まで近づければいいんですけどねぇ」
「それが出来りゃ苦労しないんだがな」
オペレーター陣がそれぞれにごちる。
接近するには高所に上るのが一番手っ取り早いが失敗した場合のリスクが大きい。
かといって地上からの攻撃は当たらない確率が高く、さっきのように取り逃がす可能性もある。
最適解が見つからないまま各々が考え込んでいるとアラートが鳴り響く。
七海が手早くコンソールを操作し、情報をモニターに投影する。
「サイガのバグ、再び出現!場所は日出市東部、湾岸ブロックの近くです!」
「街の外に出るってんじゃないだろうな!」
「赤谷さん!」
「急行します!」
そうして、追いかけっこの第二ラウンドは始まった。
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「待ちやがれこの野郎!」
時刻は夕方、ファイヤーは再びサイガのバグをバイクで追いかける。
「予測ルート算出、ファイヤー、次の道路を右に。一本道の先は湾岸倉庫で空間が開けてる!そこまで追い込めれば遮蔽物はなくなる!」
「了解!」
また砂嵐が走る。
「またジャミング!気を付けて!」
「わかってます!今度は逃がさない!」
建物を抜けるとさっきと同じようにバグは姿を消していた。
しかし、うっすらと聞こえる飛行音はマスクが捉えていた。
(どこだ……)
その時フェイスモニターに警告表示が映し出されえる。
バグのいる場所、それは
「……上かッ!」
ファイヤーは急ブレーキをかけ、銃弾をいなし再度加速する。
今の急ブレーキでかなり距離が開けてしまったが射程には既に捉えていると、圭吾はそう確信していた。
「行ける、ガンバストライカーのスピードなら!」
《ジカンギレード!ジュウ!》
ファイヤーはゲートからジカンギレードを取り出しバグに向けて発砲する。
距離を詰めながら狙いを定めようとするが、どうしてもハンドル操作と照準合わせのどちらがが疎かになる。
「チィッ、どうにかしてもっと近づければ……」
数十メートルの信号の先には湾岸倉庫の入り口が見えていた。
(やるしか、ないッ!)
左腕にギレードリューズを叩きつけチャージ体制に入る。
《タイムチャージ!5、4、3、2、1……》
こちらに向けて発射される銃弾をよけながらチャージ完了を待つが、ビルの上に立っていた看板に発砲、それが落下し停まっていた車に直撃し大きな爆発が起こる。
爆炎が立ち上り、サイガのバグは一度追撃の手を止め空中でホバリングする。
だが、その一瞬の隙が命取りだった。
《ゼロタイム!》
「そこだァッ!」
車の上に落ちた看板を坂のように使い、ウイリー走行で飛び上がったファイヤーとガンバストライカーは上空に立ち上がった火柱の中を駆け抜ける。
《スレスレ撃ち!》
すれ違いざまにに放たれたエネルギー弾はフライングアタッカーのバーニアに直撃する。
姿勢制御がままならなくなったのか、サイガのバグは重力のままと地上に落ちていく。
地面に激突するタイミングで背面の飛行ユニットを切り離しトンファーエッジを分離しながら道路を転がっていく。
「さぁて、追いかけっこはこれで終わりだ!バーストチェンジッ!」
《Limiter release! Burst Change!》
顔パーツを裏返しバースト、ゲートからバーニアが転送される。
モニターの端で鍵のマークが開錠され、見慣れない文字列が飛び込んできた。
《Rider Finish Unlocked.》
「新しい技……?使ってみるか!」
《ストライカーブレイク!》
ファイヤーが必殺技を選択するとガンバストライカーのヘッドライトが光り、タイヤに炎のエネルギーが集まる。
ハンドルを捻りながらバグとにらみ合いの態勢が続く。
両者に走る緊張、先にそれを破ったのはファイヤーだった。
後輪から煙を上げながらスピードを上げバグに肉薄する。
《£×€eeo| €h@rge》
サイガのバグはENTERボタンを押しトンファーエッジを構えるが相手の間合いに入るよりも速く、バイクを駆りバグの後ろで急停止、その反動で浮き上がった後輪をバグに叩きつける。
弾き飛ばされたバグが立ち上がる前にモニターを操作しバイクを自動操縦に切り替えるとガンバストライカーはヘッドライトからビーム弾を打ち出しバグをその場で拘束、ファイヤーはシートを踏み台にして飛び上がり空中で一回転する。
「デヤァァァァァァァッ!」
ファイヤーはバーニアを点火して上空からのキックを、ガンバストライカーは速度を上げ一直線にバグへと向かう。
炎を纏ったキックとバイクの突撃の同時攻撃はバグの体を貫き空中でバイクに飛び乗る。
ファイヤーが左足を軸に1回転してバイクを止めると、背後でバグが力なく倒れ爆発四散した。
「藤崎さん、こちらファイヤーです。対象の撃破を確認。これから帰投します」
『お疲れ様です。安全運転で戻ってきてくださいね』
「了解!」
通信を終え変身を解除するとガンバライジング社に向けてバイクを発進させる。
進む先の空には、きれいな夕焼けが広がっていた。
次回予告
「2人とも無事に退院できたんですね」
「貴方に聞きたいことがある」
「攻略の糸口は、それじゃないかな?」
「つまり息を合わせろってわけか……!」
「正体不明の怪物と謎の戦士、一体何者なんだ?」
第8話 並び立つ適格者
というわけで今回はバイク回でした。
ガンバストライカーの外観イメージに1番近いのはブーストライカーとかチダニックのバイク形態みたいなやつです。
今回脳の映像を文字に起こすのかなり大変だったしバイクアクション特有の疾走感みたいなのが出てるのかわからん!つらい!
ご意見ご感想等お待ちしております。