のび太の暗殺教室   作:黒猫紳士

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始業の時間

 

 

 

 

 

  むかしむかし、ある所に一人の少年と、1匹のネコ型ロボットがいました。

 少年の名は野比のび太。道を歩けばドブに落ちたり、野良犬から追いかけ回され、その様子を友人らに馬鹿にされながら毎日を過ごしていました。

 少年は、勉強も運動も人より特別出来ませんでした。

 ネコ型ロボットは名前を聞かれると、自らを「ドラえもん」と名乗りました。少年の悲惨な未来を変えるべく、ドラえもんは未来から遥々やって来たのでした。

 一人と1匹が仲良くなるのにそう時間は掛かりませんでした。

 

 それからというもの、少年にとって毎日がかけがえのない日常へと変わりました。

 それはドラえもんにとっても、同じことが言えました。

 

 ひみつ道具を使っていじめっ子たちに仕返ししたり、ちょっと悪戯をしようとしたら、自分に返ってきたり。

 好きな女の子に会いに行くと、いつもお風呂場で遭遇して二人で怒られたり。 

 些細なことで何度も喧嘩をして、ぶつかり合って。その度に仲直りをして。

 時には命からがら、過去や未来、異世界や宇宙の時空を超えた世界を大冒険をしてみたり。

 

 やがて少年とドラえもんの間には、固い絆で結ばれるようになりました。

 一人と1匹はずっとずっと一緒に居るのだと、誓い合いました。

 

 

 

 そんなある日、ドラえもんは動かなくなりました。

 

 

 ーーー ドラ……え……!

 

 

 これは悪い夢なんだと、少年は自分に言い聞かせます。

 

 

 ーーー ドラえもんってば!!いつまで寝てるんだよ!

 

 

 少年はドラえもんを起こそうと、あれよあれよと悪戯をします。

 ドラえもんのツルツル石頭に「バカ」と油性ペンで書いてみたり。ドラえもんに内緒で買って来た沢山のどら焼きを見せびらかしたり。一緒に徹夜で勉強した答案用紙を見せたり。

 一向にドラえもんは起きません。

 見かねた少年は少しやり方を変え、ドラえもんのポケットの中身を探ってみたり、引き出しを開けてみました。

 しかし、四次元空間に繋がっていたはずのポケットはただの白いポケットになっており、タイムマシンがあった引き出しには何もありませんでした。

 

 ーー のび太。

 

 ある友人は少年の肩に手を置き、彼を諭すように静かに首を横に振ります。

 友人らの泣きじゃくった顔を見て、ようやく少年は手を止め、その場に小さく蹲りました。

 

  そして、少年はある決心をしました。

 

 

 

 ーー きみはじつにばかだな。

 

 少年の未来を変えたら、ドラえもんは未来に帰るつもりでした。

 

 少年は素直で優しい心の持ち主でした。

 彼らからどんなに馬鹿にされようとも、苛められようとも、どんな関係かと聞けば、少年は彼らを「友達だ」と迷いもなく答えました。

 友人がピンチに陥れば、自分の事なんてお構いなしに、何も躊躇なく助けようとする。どうしようもないくらいに、お人好しでした。

 ドラえもんはそんな少年の事が嫌いでした。

 ドジで間抜けで根性なしで不器用でお調子者で勉強も運動もロクに出来なくて。まるで。

 まるで、自分を見ているみたいで。

 

 ドラえもんは不良品のネコ型ロボットでした。

 人と同じように優しい心を持ち、余計な世話をかけてしまうほどの世話好きな子守り用のロボットでした。

 だけどどうしても、他のネコ型ロボットのように上手くは出来ません。

 彼も少年と同じ様に周りから容姿や性能を馬鹿にされ、少なからず自己嫌悪に陥っていました。

 そんな周りとの劣等感でさえも少年と一緒に過ごしていくうちに、次第に無くなっていきました。

 一緒に過ごす時間が長くなるにつれ、少年の優しさと不器用さに触れる度に、ドラえもんは気付けば、少年から目が離せなくなりました。

 自分が隣にいなきゃダメだと、思うようになりました。

 

 一人と1匹は似たもの同士でした。

 

 

 

 ーーー ごめん。ごめんね、のび太くん。

 

 

 ドラえもんは少年に泣きながら謝ります。

 

 しかし、少年にはドラえもんの声も姿も届きませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「———ふぅむ、困りましたねぇ」

 

 球状の顔に黄色と緑の縞模様が浮かび、複数の触手が目に見えぬ速さでうねうねと飛び交う。

 その様子はとてもじゃないが、困っている様には見えない。一体何に困っているというのか。

 

 「以前に一度だけ、貴方の射撃を見た事があります。実に素晴らしい腕前でした」

 

 今度は顔に赤い丸が浮かび上がり、ペンと一冊のノートを自分の目の前の少年へ差し出すと共に疑問を投げかける。

 

 「何故キミは、暗殺に参加しないのですか?」

 

 ーーー 野比のび太くん。

 

 少し伸びた前髪と丸眼鏡が特徴的な少年。よほど急いで着替えてきたのか、襟が少し捻れている。

 この少年こそが、得体の知れない生物の悩みの種となっていた。

 

直したい(助けたい)友人がいるんです。僕が欲しいのはお金や点数ではなく、知識ですから」

 

 大きな花丸マークと細かな解説が赤ペンで書き殴られた答案用紙を受け取り、のび太は少しバツが悪そうに答えた。

 

「それに————」

「それに?」

 

 少し笑みを浮かべ、のび太は続ける。

 

「僕にはどうしても先生が悪い生物(ひと)には見えなくて」

 

 アカデミックドレスと三日月をあしらったネクタイを身に纏った黄色いタコのような生物は、先程よりもはっきりと困ったような表情を浮かべる。

 

 

「あ、片岡さん、磯貝、手伝うよー!」

 

 その空気に耐えかねたのか、のび太はその場から逃げる様に数m先にいる二人に声をかけた。

 

「お、サンキュー!のび太」

「ありがとう。助かるわ」

 

 じゃあこれを持ってもらおうかしら、と髪を一つにまとめた少女がのび太に手荷物を渡す。

 少女よりも少し重そうな顔をするのび太に、お前に持てるのかー?と少年少女らは談笑しながら歩き始める。

 

 持てるってー、とのび太は遅れて一歩を踏み出す。

 次の瞬間、床に亀裂が走る。

 

「え」

 

 バキバキバキッ 

 

 鈍い音が校舎内を響き渡った。

 

「うわあああっ!!?」

 

 少年少女は埃が飛び交う中、人一人分がすっぽり入れそうな穴にむかって、すぐさま声をかける。

 

「おい大丈夫か、のび太!?」 

「ニュヤ?!大丈夫ですか、のび太くん!」

「どこから持ってきたのよそれ!」

 

 のび太の叫び声を同じくして、先生と呼ばれていた生物は医者の服装を身にまとい、どこから持ってきたのか、触手には注射、救急箱やAEDなど様々な医療器具が揃えられていた。

 

「いててて……大丈夫大丈夫。あはは」

 

 運が良いのか悪いのか、頭を掻きながらのび太は底が抜けた床を見上げ、自分は大丈夫だと告げた。

 

 

 

 

 

 ーーー 椚ヶ丘中学校三年E組は暗殺教室。

 ーーー 始業のベルが、今日も鳴る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 






 のび太の友人らとの絡みも度々書いていきたいですが、出来杉よりは出番がないと思われます。
 ヒロインは相手も人数も未定ですが、正直のび太の優しさでどんな女の子でも落とせそう(小並感)

のび太の将来のお嫁さん候補(ヒロイン)の数

  • 1人
  • ハーレム
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