終わり、そして始まり   作:ミクス

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3/22.瑠々が玲奈を呼ぶとき、「ちゃん」をつけ忘れていたので付け足しました。




 20XX年、人類は謎の生命体「キャンサー」によって滅亡の淵へと立たされていた。

 

「キャンサー」が出現した当初、世界各国の軍は抵抗していたが、人類が生み出した兵器類による攻撃は一切通じず撃退するすべを持たない人類は、あえなく敗退していった。

 

 土地は放棄し、様々な国が戦火に消えていった。今では陸地の大半が「キャンサー」の支配下となっている。

 

 そして、ここ日本も滅亡の危機を迎えていた。

 

 

 

 その日、九州に住んでいる高校3年生の小鳥遊瑠々(たかなしるる)は幼馴染の成瀬玲奈(なるせれいな)は学校へ向けて登校している途中だった。そいつに出会ったのは。

 

 二人の目の前に現れたのは、奇妙なものだった。4本の足を持ち顔はない。そして何よりも重要なのはそいつの足元だ。そいつの足元には大量の血と人であったものがあった。

 

「瑠々! 早く逃げよう!」

「う、うん!」

 

 そいつを見た玲奈の行動は早くそして正確であった。瑠々はまだ死体を見たショックで動けていなかったが、玲奈が瑠々の手を引っ張りその場から逃げ出した。

 

 幸いにしてそいつは瑠々たちを追いかけてくることはなかった。しかし街のいたるところに、(後に「キャンサー」と呼ばれる)やつらが出現し逃げ場がなくなっていた。

 

 2人は近くにあったデパートへと逃げ、そこで必死に生き抜いた。やつらに見つからぬように生活に必要なものをかき集め、簡単なバリケードも作成した。デパートの放送室からは無線機やラジオを拝借し、毎日通信を行った。未だに結果は出ていないが。

 

「ねぇ、玲奈ちゃん」

「うん?」

「私達助かるのかなぁ……」

「大丈夫だよ。日本の自衛隊は強いって世界からも認めてもらえてるんだから! あいつらもやっつけてくれるよ!」

「そう……だよね……。ありがとう玲奈ちゃん」

 

 そういって二人で抱き合いながら眠りにつく。デパートで籠城を始めてからはずっとこうしてきた。

 

 そしてデパートで籠城を始めて2か月がたったころ、ついに通信が入った。

 

『ザッ……か。……存者……は……ませんか!?』

「「!?」」

『生存者の方はいませんか!?』

「瑠々!」

「うん! ……あーあー、こちら小鳥遊瑠々です。〇〇街のデパートで籠城中です! 救助を求めます! どうぞ」

『……!? すぐに救助隊を向かわせます! 〇〇街のデパートですね!? どうぞ」

「そうです! よろしくお願いします!」

「やったね瑠々! 私達助かるんだよ!」

「うん!」

 

 それから数日後、瑠々たちの隠れているデパートに救助隊がやってきた。

 

 先日救助隊が来てもその場から絶対に動くなとの命令を受けていた瑠々たちはおとなしく部屋の中で待っていた。待っている間外では、ずっと爆発音が鳴り響いていたがそれも数十分で収まった。

 

 そして瑠々たちのいる部屋のドアがノックされて、ドアを開けるとそこにはを黒い鎌持った女性が立っていた。

 

「貴女達が小鳥遊瑠々さんと成瀬玲奈さんで間違いないわね?」

「はい!」

「そうです!」

「私は手塚咲よ。もう安心して頂戴、周辺にいたキャンサーはすべて倒したわ」

「キャンサー……?」

「詳しい話はここを脱出してからよ。屋上でヘリが待機しているわ。私についてきてちょうだい」

「瑠々、いこう」

「……うん」

 

 手塚とともに屋上を目指していると手塚から待ったがかかった。

 

「二人ともあそこの物陰に隠れていてちょうだい」

「え?」

「生き残りがいたようね」

 

 通路の陰からやつが現れた。

 瑠々たちが初めて奴らに遭遇した時と同じタイプだ。

 

「そんなに不安そうな顔をしないでちょうだい。貴方達には指一本触れさせないから」

 

 そういって手塚は持っていた黒い鎌を構えた。そして次の瞬間、目の前にいたやつがバラバラにされていた。瑠々たちの目では手塚の動きがとらえられなかったのだ。

 

「すごい……」

「こんな簡単に倒せるなんて……」

 

 ふぅっと手塚が一息つくと改めて二人のところに歩いて行った。

 

「さぁ、急ぐわよ」

 

 それからは奴らにであることもなく屋上へたどり着くことができた。そこでヘリに乗り込み無事吸収を脱出することができたのだ。

 

「手塚さん、改めてお礼を言わせてください。助けていただきありがとうございました」

「あ、ありがとうございました」

「そうね。あなたたちを助けることができて本当によかったわ」

「あの、一つ質問してもいいですか?」

「えぇ、私が答えられる範囲でなら」

「私たち以外に生存者はいませんでしたか……?」

「…………残念ながら九州はキャンサーによって壊滅させられたわ。今ではキャンサーの支配下に置かれているわ。だからあなたたちは本当に運がよかったのよ」

「そんな……」

「じゃあ私たち以外の人はみんな死んじゃったの!?」

「キャンサーは知的生命他を無差別に襲っているの。既に九州はキャンサーによって陥落したし、アフリカ大陸はもう人は住んでいないそうよ」

 

 手塚の言葉に瑠々たちは絶句していた。キャンサーが出現してから1か月ですでに大陸が陥落しているとは思ってもいなかった。

 

「そもそもあいつらは何なんですか!?」

「わからないわ。1か月前突然世界各地で出現した謎の生命体。出現当初、もちろん各国は抵抗したわ。でもね、人類の兵器類が一切通用しなかったの」

「「え?」」

「ミサイルも銃も爆弾もすべて通用しなかった。人類が抵抗するすべがないのよ」

「で、でも、手塚さんはキャンサーを倒していましたよね……?」

「これのことは私からは言えないわ」

「そう……ですか……」

 

 中からはあまり外が見えないが、そろそろ着陸するようだった。

 

「さて、ついたわ。あなたたち二人はこれからどう生きるのかを考えなさい」

「「え?」」

「行くわよ」

 

 それだけ言って手塚はヘリを降りて行った。瑠々と玲奈は不思議そうな顔で見ていたが、慌ててヘリから降り手塚についていった。

 

 基地はどこかの学校の校舎を改装したのか結構大きい。その中を迷うことなく進んでいく手塚に二人はついていく。そしてついた場所は教官室だった。

 

「改めて、自己紹介しておくわ。私はこの基地の司令官をしている手塚咲。そして、セラフ部隊の総指揮者よ」

「セラフ……?」

「部隊……?」

「貴方達には二つの選択肢があります。一つは今まで通り普通に暮らしていくこと。もう一つはセラフ部隊の一員として戦うか」

「「……!」」

「まぁ、すぐに決めろとは言わないわ。明後日、答えを聞かせてもらえるかしら? 今日はもう休みなさい」

 

 手塚がそういうと背後のドアが開いて誰かが入ってきた。

 

「失礼しまーす」

「あら、浅見。ちょうどいいところに来たわね。この二人をこの部屋まで案内してくれない?」

「え? えーと、先に報告をしても?」

「報告書を提出するだけでいいわ」

「えーと、初対面なんだけど?」

「そうね、私も今日初めてあったわ」

「…………はい、了解しました」

 

 浅見から書類をもらった手塚は改めて二人のほうに向きなおった。

 

「わからないことがあったらそこにいる浅見に聞いてちょうだい」

「「……はい」」

「……はぁ、浅見真紀子、セラフ部隊の一人だよ。よろしくな」

「「よろしくお願いします」」

「それじゃ、頼んだわよ」

「……はいはい」

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