終わり、そして始まり   作:ミクス

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私は気づいてしまった…。これいつ月歌達出てくるんだろうと…。


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「瑠々はさ、これからどうするの?」

 

 浅見さんに連れられて訪れた部屋で玲奈ちゃんにそう聞かれた。さっき手塚さんに言われた戦いか安全な暮らしかのことだろう。だけど私の心は決まっている。

 

「私は……お父さんとお母さんの敵を討ちたい。だから私は軍に入りたい。セラフ部隊に所属できればキャンサーを倒すすべを身に着けられると思うから」

「ふふふ、いうと思ったよ瑠々」

「じゃあ……」

「もちろん、私も軍に入るよ。瑠々の隣には私が必要でしょ?」

 

 多分今私の頬が真っ赤に染まっているかもしれない。玲奈ちゃんは唐突にこういうことを言うから困っちゃう。いつまでたっても慣れない私が悪いのかもしれないけど。

 

「玲奈ちゃんが隣にいてくれるならものすごく心強いね」

「そのとおりよ瑠々。それに私のお父さんやお母さん、そして弟が殺されてるんだもん。キャンサーなんてけちょんけちょんにしてやるんだから!」

 

 玲奈ちゃんが隣にいてくれるなんて本当に心強い。それに玲奈ちゃんも私と同じ気持ちだったんだ。ちょっとうれしい。

 

「それよりもさ瑠々、私達にはもっと重大な任務があるよ」

「うん……!」

「「お風呂に入りたい!」」

 

 そう、先程浅見さんに聞いたところこの基地にはなんと大浴場があるらしいのだ。今まではお湯で体をふくぐらいしかできていなかったからものすごく楽しみ。

 

 デパートから持ってきた荷物を整理した後に、いざ大浴場へ。場所は既に浅見さんから聞いているからばっちりだ。

 

 大浴場につくと素早く衣服を脱ぎ捨て、備え付けられていたバスタオルで全身を覆うようにして隠すと、意気揚々と中に入った。デパートでは風呂そのものがなかったので体をぬぐうことしかできていなかったので、私も玲奈ちゃんもごしごしと洗い続けた。その後はゆったりと今までの疲れをいやすかのように湯の中でだらけていた。久しぶりのお風呂は気持ちよかった。

 

 そして夕食は食堂で食べた。食事も保存のきく缶詰を主に食べていたから温かいご飯に涙を流した。それを玲奈ちゃんに慰められていたのだけど、妙にほかの軍の人の目が暖かった。

 

 部屋に戻ってあとは寝るだけとなった段階で、私はちょっと迷った。部屋は8人用のようで二段ベッドが4つあるのだが、そのうちの一つを使うことになっている。でも私は今までお布団が一つしかない状況で、玲奈ちゃんと抱き合いながら寝ていたのだがどうしたものか。話し合いの結果では、上のベッドを私が使って下のベッドを玲奈ちゃんが使うことになっている。

 

「瑠々どうしたの?」

「え!? いっいや、なんでもにゃい!」

 

 口が裂けてもそんなことは言えない。ものすごく恥ずかしいしはしたないことだって理解できるから。でも玲奈ちゃんはそんな私の様子に気づいたのか、にやにやし始めた。

 

「もしかして、一緒に寝たいのかなぁ?」

「べっ別に! そんな、わけじゃ……」

「もー、遠慮しなくていいのに。ほら、早くおいでよ」

 

 こくりと頷いて玲奈ちゃんの隣に寝そべると、玲奈ちゃんに後ろから抱きつかれた。

 

「ちょ!? 玲奈ちゃん!?」

「もーほら、暴れないの」

 

 玲奈ちゃんに抱きつかれながら横になること数十分。そろそろ眠りにつきそうというところで玲奈ちゃんがポツリと話し始めた。

 

「ほんとはさ、戦いに行って欲しくないんだよね」

「え?」

「戦いに行って一生残る怪我とかできちゃうかもしれないしさ。……死んじゃうこともあるかもしれないし」

「玲奈ちゃん……」

「ねぇ瑠々、私と一緒にさ、安全な街で暮らさない? 一緒に生活して、一緒に美味しいもの食べて、色んな思い出作ってさ」

「……」

「……ごめんね変なこと言っちゃって。せっかく決意したばっかりだったのにね……」

「私だって……」

「え?」

「私だって玲奈ちゃんと一緒に生活したよ。玲奈ちゃんと一緒にいるとすごく楽しいし、安心する。でもやっぱり、お父さんとお母さんを殺されてはいそうですかとは言えないよ」

「……そうだよね。私も覚悟決めなきゃね」

「無理に私に合わせなくてもいいんだよ?」

「ううん、大丈夫だよ。それに瑠々の隣は私のなんだからね! 誰にも譲る気は無いから」

「もう! 玲奈ちゃん……!」

「あはははは! ……そろそろ寝ようか」

「……うん」

 

 玲奈ちゃんがこんなにも考えてくれていたなんて思ってもいなかった。私はだめだね……。目先のことにすぐに食いついちゃうから。それでも嬉しいな。やっぱり私の隣は玲奈ちゃんで、玲奈ちゃんの隣は私だよね。これだけは私も譲る気はないんだから! 

 

 そして私と玲奈ちゃんはぐっすりと眠った。

 

 翌日も十二分に休息しさらに翌日。私達はまた、教官室へと来ていた。

 

「……それで、決まったのかしら?」

「「私達にもキャンサーと戦わせてください!」」

「……覚悟は決まったようね。わかったわ。では本日より、小鳥遊瑠々さんと成瀬玲奈さんは軍の指揮下に入ってもらいます。いいわね?」

「「はい!」」

「よろしい。部屋はあなたたちが使っていた部屋をそのまま使ってもらって構わないわ。明日から早速訓練を受けてもらうからそのつもりで。それからこれを渡しておくわ」

 

 渡されたものは電子軍人手帳というらしい。これは生産ラインが確保できないらしくかなりの貴重品。そしてこれを常に持っておかないといけないらしい。

 

「これは防水加工もされているからお風呂に入るときも持っておくようにしなさい。では、今日は自由にしてていいわ。明日の朝0500(まるごーまるまる)に起床して準備をしておきなさい。浅見を向かわせるから」

「「わかりました」」

「では解散」

 

 訓練は明日からということだったので、今日は敷地内を散歩することにした。

 

「それにしてもここは広いわねぇ」

 

 玲奈ちゃんの言う通りこの基地は意外と広い。昨日はこの学舎と南にある広場を見て回っていたが、学舎の北のほうには運動場があり、東には森が広がっている。一応この森は安全が確認されているので、入っても大丈夫らしい。ただかなり広いので、迷わないように注意しなければいけない。

 

「……でも男の人がいないのはなんでだろう?」

「あー確かに。私たち、この基地に来てから一度も男性にあってないよね」

 

 不思議なことにこの基地に来てから男性を見ていない。運動場で訓練している人も全員女性だ。

 

「まぁ、何かしらの理由があるのかもね。手塚さんの言っていたセラフってのが女性しか扱えないものとか」

「あ、玲奈ちゃん。あれ浅見さんじゃない?」

 

 運動場のほうでほかの人と一緒に外周を走っている浅見さんを見つけた。浅見さんも私たちに気づいたらしく、走りながら手を振っている。と思っていたらこっちに向かってきた。

 

「よー、瑠々と玲奈じゃないか。お前たちがここにいるってことは、戦う覚悟を決めたってことか?」

「……決めました」

「……そうか。お前たちが選んだ選択にとやかく言うつもりはない。明日からみっちり鍛え上げるからそのつもりでな」

「「はい!」」

 

 明日からは辛いことがいっぱいあるだろうけど、それでも私は頑張っていきたい。

 

 こうして私と玲奈ちゃんの軍での生活が始まった。

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