最後の紹介文は、読んでも読まなくても物語に影響しないので大丈夫です。
1話にはシシシンオー
2話にはパールアラディーン
今回はブラックホープの紹介です。
さぁ、出走の準備が整ってきています、若葉ステークス
2着までには皐月賞への切符が手に入ります
注目しているのは誰ですか?
パスカルレーザーです
枠番を考えるともしかして…もしかしてがあるかもしれません
なるほど、確かにあるかもしれません
「パスカルレーザーか…強いのか?」
「うーん、俺も聞いたことはないな」
「今回はカーローラー、ロンリーロンリー
シシシンオーの三つ巴じゃないのか?」
「いや、シシシンオーの一人勝ちだろう、一人だけモノが違う」
「おや、嬉しいこと言ってくれますね!!」
「!?誰だあんた」
各ウマ、見ていきましょう
1枠1番、カーローラー
3番人気です
脚部不安に悩まされていましたが、今回、無事に参戦の運びとなりました
落ち着いています
彼女も強いウマ娘ですからね、枠番にも恵まれました、ローラ社の悲願、叶えてくれるかもしれません
「私は紅莉栖、レース好き女子でーす!」
「いや…あんた……クリストレ……」
「ほら!来ましたよ!今日の主役です!」
2枠2番、シシシンオー
断トツ1番人気です
話題の動画、見ました?
勿論見ました
この世代がP-SYBと呼ばれる所以となった伝説の模擬レース、彼女のは残念ながら3番でしたが、強いウマ娘であることは間違いないです
彼女は昨年、悲劇に見舞われたあのウマ娘の妹ですからね、頑張って欲しいところ
「シシシンオー…あんまり強そうじゃないけどな、どう見る?」
「まずは、ロンリーロンリーが飛び出してレースを作るだろう、シシシンオーはあの模擬レースを見る限り、後ろからになるな」
「どうした急に……」
「カーローラーはどうでるかわからないが、
シンオーを抑え込まない限り、他のウマ娘は勝ちがないからな、どうするのだろうか」
「Car Lauraはmark屋ですから、相手は勿論Shino、他のウマ娘の中にもShinoをmarkする者もいるでしょう、それでもShinoが勝ちます、そう信じています」
8枠13番ロンリーロンリー
2番人気に甘んじていますが、他のウマ娘の出方次第では十分に勝ちを狙いにいけます
さぁ、主役は出揃いました
若葉ステークス、いよいよスタートです
ーーー
昨日の予報では雨だったが、晴れてよかった。どんなレースも一世一代の晴れ舞台、できることなら快晴がいい。
「うーん」
なんとなく居心地が悪い、皆が遠巻きにこちらを見ている。1番人気をとる、とはこういうことなのだろう。
「でも負けないよ……」
ここで負けたら、皐月賞が遠のくだけでなく、お姉ちゃんの顔に泥を塗ることにもなる。負けることは絶対許されない。
「おい!シン!!」
大声で私の名を呼ぶ声が聞こえた。観客席の方から、ホープちゃんとヤマトちゃんが手を振っているのが見えた。
「見に来てくれたんだ!!」
「ヤマトがどうしてもっていうからな」
「黒がどうしてもっていうからのぉ」
「あん?」
「おや?」
「あはは!まぁどっちでもいいよ!来てくれてありがとう!ライブまで見てってね!!」
「心王はこの黒なんかより歌がうまいからのぉ」
「シンはヤマトより踊りがうまいからな、楽しみにしてるぜ」
「はい?」
「あん!?」
「あはは!まぁホープちゃんは踊りが上手くて、ヤマトちゃんは歌がうまいからねー」
「ん?」
「おぉ」
「じゃあ頑張ってきます!!」
そのまま、ゲートに向かう。
「始まる前から、ライブの話なんて…随分と余裕ね」
「ローラちゃん……」
先程の話を聞いていたらしい。ただ、怒っているわけではないみたいだ。
「精々油断してるがいいわ」
「何で……何でそんなにレースに拘るの?」
あの後、トレーナーから聞いた、ローラちゃんは産まれながらにして脚が悪い。だから、ローラちゃんのお母さんは何も意地悪で皐月賞と言ってるわけではない。彼女の脚を案じてのことだろう。それに、今もなお、不安が解消されているわけではないとのこと。
「…はぁ……そんなの決まってるじゃない、私の存在を証明するためよ、親が決めたルートじゃなく、自分で決めた道を……あなただってそうでしょう?」
「私は…そんな大それた話じゃないよ……
お姉ちゃんの為と…何より、走るのが好きだから」
「そう、なら頑張るしかないわね、あなたの夢と私の夢、どちらが強いか勝負といきましょう」
レースが、始まる。
ーーー
さぁ、全てのウマ娘がゲートに入りました
ゲートが、今、開きました
若葉ステークスのスタートです
まずまず揃ったスタート
「ピギィィィィーーーー!!!」
外側から飛び出したのはロンリーロンリー
今日も奇声を上げて一人旅…とはなりません
パステルレーザーが続いています
先頭は2頭並んでいます
人気のシシシンオーはこの位置、後ろから2番目、後方からのレースをする様です
「予想通りだな、シンオーは後ろからだ」
「まずいな……」
「えぇ、まずいですね」
「何で??」
「シンオーの前を見てみろ、3人が並んでいる、どうやらあの3人はシンオーをマークしているみたいだ」
「別に珍しい話でもないだろう?」
「えぇ、ですが、Shinoは小さいですから強引に位置を奪うことは苦手ですし、大外を回って行くにはstaminaが大きく削られる……
corner周りは得意ですから、内らちに入れたらいいんですが……内側はLauraです、開けるようなmissはしないでしょう」
(ひぃぃぃぃ!!!もっと前に!!ウマが来る!!もっと前に!!)
(いい位置につけた、卑怯とは言うまい、こうでもしないとあなたには勝てないから……そして、私と同じ考えのウマ娘が2人…)
(前に3人…でも……)
さぁ、引き離してロンリーロンリー
第二コーナーにかかろうというところ
リードは2、3バ身、パスカルレーザーが続きます
トライアングル、コスタリカ、ファーナーブルスが真ん中から
少し離れて横一列の3人リモートファン、ピルグリム、うちの方に1番カーローラー
シシシンオーは依然その後ろ、バ郡に埋もれて前に出れないか?
向正面に入ります
「大きな問題ではねぇな」
「うむ、あの程度大した壁じゃない、あの娘が超えてきた壁に比べたらの」
(シンオーをマークしているけど、このままじゃロンリーに逃げられる……それに……後ろからのプレッシャーがすごい!こんなに小さい身体なのに…!なんで!?)
(この展開なら…まだまだ大丈夫……最後の直線で!)
縦長の展開からシシシンオーが押し上げる形で前に詰まってきます
先頭集団は第4コーナーに差し掛かっています、ロンリーロンリーちょっと外に出ている
パスカルレーザーいい位置につけているぞ
(このまま、最後まで、先頭で!!)
(シンオーはまだ!?何で動かないの??コーナーにかけてるなら内側は開けないわよ!!)
(……)
さぁ最後の直線!
未だ先頭はロンリーロンリー!
リードは3バ身!後ろのウマは間に合うか??
(もう我慢できない!ここからなら…シンオーの末脚でも間に合わないはず!!)
ここでカーローラーが上がってくるぞ!ぐんぐんぐんぐん前に差を詰める!シシシンオーは来ないのか!?
カーローラーとロンリーロンリー!
まもなく残り100m!!
カーローラーとロンリーロンリーの叩き合い!
「ヒィ!!」
僅かにロンリーロンリー前に出る!!
(シンオーに勝ってもロンリーに負けたら意味ない!絶対に勝っ……!!!)
直接見たわけではない、が、いる、確実に
ほんの少し後ろから不気味な気配が前を窺っている。
「ヒェ…」
僅かに漏れた悲鳴は、彼女の風に呑まれて消えた。
シンオー来た!!シンオー来た!!
速い疾い!!大外から一気に抜き去っていく!ロンリーロンリー必死に粘りますが、これは届かない!!
瞬く間に置き去りにしました!!
「ギッ!!」
「そんな……!」
これほどまでに差があったとは……
もしも…女神様なんてのがいたら……
きっと、とっても意地悪だ
才能…なんてものがないのなら…最初から希望なんてくれなければよかったのに……
「……」
3番手はカーローラ!4番手に…
あぁ、夢が終わる…私の夢が、
どうしてあの時…がんばらなかったのだろう。あの日、努力をあと一歩続けていたら違う結果があったんじゃ無いか?
いや、本当はわかっていたのよ……
私が、あなたに勝てない、現実を直視できなかっただけ
『なんでレースに拘るの?』シンオーの言葉が繰り返される。
そんなの……
瞬間、チラリと後ろを見たシンオーと目があう。瞳の奥でチラリと閃光が弾けた。
(違う…そうじゃ無いだろう…後悔は後
全ての感情をぶつけろ!脚を回せ!
最後まで諦めるな!!だって…だって私はまだ……!!)
ーーー
「ローラ社も安泰ですね!こんな聡明なお子様がいらっしゃるなんて!!」
生まれた時からそうだった、私を見る目はいつだってローラ社の令嬢。私自身を見てくれる人なんて1人もいなかった。
「ローラ、あなたはこの会社を継ぐの、その為に勉強を頑張りなさい」
そう、母ですらも。私はどこまでいっても母の代わりでしかないのかと
母の影から逃れることはできないのかと、そう思っていた。
そんな中、私がとあるレースで1番を取った。
すると皆が、ローラ社の令嬢、ではなく私自身を褒めてくれた。
やっとこの世界に認められた気がした。ローラ社のではなく、カーローラと認めてくれた気がした。もっと認めてほしい、その為には2着でも3着でもない、1着を取らなければ……!
だがしかし、この世界に存在証明をしてくれた私の脚は、希望をくれた私の足は、どうやらそれほど強くはなかったみたいだ。慢性的な脚部不安。辞めた方がいいと、何人もの人に言われた。多分そっちの方が楽だろう。壊れる不安を抱えながら走るのは、とてつもなく怖いことだから。それでも私は選んだ、走ることを、なぜか。そんなの決まっている。私だって、向こう10年語られるような……誰かの記憶に残るような……!
ーーー
「何者かになりたかったんだから!!」
カーローラーもう一度差し替えす!!
シシシンオーに届くか!?ロンリーも粘る!!頑張れ!ロンリーロンリー!!
「はぁ…!!」
「グギィ!」
「ごめん…なんて言わないよ…!!」
しかし、獅子には届かない!!差が広がっていく!!
P-SYBは伊達じゃない!!
今、シシシンオーが1着でゴールイン!!
1人だけ役者が違いました!!
今から皐月賞が楽しみです!!
2着にロンリーロンリー!3着にカーローラー
4番手争いは……
ーーー
(もし負けたら…最後くらいは笑顔でって考えたんだけど、そんな気分じゃないわね…)
あれほど遠くにいた獅子が近づいてくる。私の夢を食らった獅子が、私を視線の先にとらえながら近づいてくる。
「はぁ…なんであなたが泣いてるのよ」
「私、全力で走ったよ……
勝つために走ったよ……!」
金色の瞳から流れ出る一筋の光は、太陽の光を受け止め、泡色に光っていた。
「知ってるわよ、あんたが手加減しちゃうほど弱いウマ娘じゃないことくらい…はぁ、これで私の夢は終わり、私の夢を喰らったんだから、あなたはせいぜい……せいぜ……
はぁ…やっぱりダメだ……」
これでは全く格好がつかない、この私が体を二つに折って咽び泣くなど。しかし、はぁ…それもいいだろう、もはや私の夢は途絶え、この会場にいる誰一人として私を観て覚えてくれる人などいないのだから。
「私は忘れない、あなたがこの日、同じレースで走ったこと…絶対忘れない」
「別にいいわよ……私なんか、忘れてさっさと遠くに行ってしまいなさいよ……そして……皐月賞もきっと勝ってね……」
私に勝ったあなたが皐月賞で勝てば……少しは
その後、脚部不安が悪化してよろめいた私を、勝者が控室まで運んでくれた。恥ずかしくもあったが、他に適役もいまい。
「お疲れ様です、お嬢様」
聞こえてきたのはずっと支えてくれたトレーナーの声。それも今日で終わりだが。
「ごめんなさい、負けてしまったわ」
「謝らないでくださいませ、私はあなたの従僕、偉そうに命令しておけばいいのです」
「はぁ……じゃあ命ずるわ、今日をもって私のトレーナーを解約しなさい、そして……新しい娘を見つけてきなさい、その娘は……きっと勝たしてあげてね」
「……かしこまりました、そして、短い間でしたが今までありがとうございました……あなた様のことは一生涯、忘れません」
こんな素敵な2人に覚えてもらえるなら、私の選手人生も、悪くなかった方だわ……あぁ、それでも……
「勝ちたかったなぁ……!!!」
ーーー
その日のライブは私がセンター、脚を少し悪くしてしまったローラちゃんが棄権した以外は問題もなく終わった。
こうして、皐月賞に出場する役者が揃った。
若葉ステークスからシシシンオー、ロンリーロンリー
弥生賞からパールアラディーン、ブラックホープ、サウザントヒル
スプリングSからレッドオフェンダー、モンスターロケット、フリーサクセス(回避)。
多くの期待通り、パラディンが勝つのか…はたまた……
皐月賞が始まる。
ウマ娘紹介文
ブラックホープ
俺が勝って、うちの牧場に人を呼び込む!
母さんの血を証明する!!
両方叶えてこその俺だろ!!
黒いショートのボブ、若干厨二病の気があるため、カッコつけてはいるが、優しさのこもる瞳をしている為、効果は薄い模様。パラディンの方がよっぽど怖がられている。
背はまぁまぁ高い。
勝負服は、キルトと呼ばれる民族衣装をモチーフにした物を使用。緑と赤でクリスマスカラー。
趣味は旅行でアイルランドにいつか行ってみたいらしい。