「問題ない、ほら、自分で立っているじゃないか」
「何ということだ……俺はまた……同じ過ちを……」
「そんな顔しないでくれ、問題ない…よくあること…問題ないんだ」
勝者を讃える大歓声の中、しかしそれでも最後まで走り切った彼女はぎこちない笑みを浮かべた。
「だが、少しばかり疲れたな…トレーナー、
肩を貸してくれ」
「すまない…本当にすまない」
「よくあることだろう?私もその順が来たというだけだ、覚悟はしていたよ…」
(ただ、願わくば…もう一度彼女と……)
ーーー
そのニュースは瞬く間に日本中を駆け巡り、悲しみをもたらした。当然、彼女を応援していたこの学年全員がショックだったに違いない。
「うぅ…パラディンちゃん……」
パラディン、涙の帰国。レース中に骨折、予後不良とはならなかったが、当然凱旋門賞は敗北。期待が高まっていだだけに悲しみもひとしおだった。
「おい…なんとかならねーのか、ロンリー?こうシンオーが暗いと、クラスの雰囲気が暗くてしゃあない」
「ロタリオが明るくすればいいじゃん、なんてったって太陽帝なんだし」
「あれは異名なだけであって……はぁ…ただでさえ最近はホープもヤマトも元気ないつーのにって、レッド?」
「ふははは!君の愛しのパラディンは預かった!!返してほしければ、校門前まで来い!!」
「…何やってんだ??レッドは」
「あー…あれはヒーロー役を相手にやらせるっていう彼女の中での精一杯の励ましで…」
「パラディンちゃん!?もう帰ってきてるの??ありがとう!レッドちゃん!!」
「あ…待って……私が先に行かないと……」
「なぁ、ロンリー……レッドって…いい奴だよな……」
「何を今更…ヒーローなんだから、当たり前でしょ」
ーーー
言われた通りに校門に向かうと、見慣れた白い長髪が見えた。
「パラディンちゃん!」
「おや?シンオー、君か…レッドにここで待っておけって言われたんだが……」
「うん!レッドちゃんに言われたんだ!!」
「すまない、出迎えは必要ないと言ったんだが」
そう言いながら、傍に抱えていた松葉杖を下についた。確かに、つい先日から使い始めているにしては随分と慣れていた。
痛々しく片足に巻かれている包帯に、ズキリと姉の姿が重なる。いやいや、それほどひどくはないだろうと、雑念と頭を振り払った。
「……とりあえず、どこに行くの?寮?トレーナー室??荷物運ぶよ!頂戴!!」
「ありがとう、生徒会室まで、お願いできるか?」
自分も一緒に話を聞こうと思ったが、込み入った話ということで追い出されてしまった。
「パラディンちゃんは負けてないよ!!負けて…ないよ……もしも足を怪我してなければ…きっと…!」
「Well…、if…なんてものはレースでは存在しないのですよ、シンオー」
「うぅ…トレーナーさん……」
「あなたがすべきことはPaladinの心配をすることじゃないです、菊花賞が迫っているですよ、お姉さんに菊の冠を捧げるんだ!って息巻いていたじゃないですか??」
「それは…!そうですけど…」
「Ummm……(友人が怪我をしたんです、元気な方がおかしいですが…その上…故障してそのまま帰らぬ人となった姉と重ねていますね……その気持ちはわからないでもないですが、調子が上がってないと勝てるレースも勝てなくなってしまいます)」
「…とりあえず、今日のところはメニューをこなすた……ので、finishでーす」
「ふぁい…ありがとうございました
うぅ…パラディンちゃん……」
フラフラと帰路に着く。
「これは重症ですねー」
ーーー
別に気を使う様な間柄ではない、ノックと同時に部室に侵入…もとい、入室した。
「一晩考えても解決策が出なかったので、私に教えるがいーですよ」
「はぁ……クリスティーナ、てめぇ俺が、パラディンがどんな状況かわからないわけないよな?」
いつもはそれじゃあノックの意味ないだろ、という旨のツッコミがとんでくるが、何せ状況が状況だ。チラリとPaladinの方を見るが、本人は何やら資料を読み耽っていた。
「Oh…意外と元気ですねー、もっとふさぎ込んでると思ったのに」
「はん…うるせぇよ……」
「いーじゃないですか、あなたと私の仲でしょう?」
「どんな仲だ!」
「密かに蜜月の夜を……」
「なんの話だ!!ってか、なんでそんな言葉ばっかり知ってんだよ!!」
その時、後ろでバサバサと紙が崩れる音を聞いた。振り返ると今世代最強のウマ娘が慌てた様子で立っていた。
「すまない、話の腰を折ってしまったな」
「いや、違うんだ、パラディン、これは」
「何をそんなに慌てている?内密の話なら席を外すが……」
「内密の話などない、外さなくていい、というか外さないでくれ、こいつと2人きりなど頭が痛くてしゃあない」
「そんな照れなくてもいいのにー」
「照れてない!!」
「なるほど…2人はそういう仲か……」
「全くもって違う!!」
「Well…席は外さないでください、ウマの手も借りたい状況なんです」
「…んなことわざわねぇよ……」
「私に協力できることなら、なんでもしよう、どうせ暇だし」
「流石!Paladinは話がわかる!!ハシバは分からない!!」
「しばくぞ」
「それでーーー
ーーー
トレーナーというのは楽な仕事ではない。
担当のウマ娘の為のトレーニングメニューを考えること、栄養管理、スケジュール調節。
励ますことも大事。諌めることも大切。
…そして、時には残酷なことを言う必要もある。
「家族は呼ばない?」
激昂されるかもしれない、理由を問い詰められるかもしれない。しかし、予想とはどれも違った反応だった。
「それもそうか、結局家族を呼んでも一度も勝てていないしな」
「そうじゃないんだ…彼らが来ないのは……」
この子との付き合いは所詮、今年度に入ってからであり、正直長いとは言い難い。しかし、短いとは言わせない年月を共にしてきた。その中で分かったことがいくつかある。
「じっちゃんもばっちゃんも仕事があるしな
了解了解、別に俺のやることは変わらん、勝ちに行くだけだ」
口は悪く、態度は尊大。馴れ合いを好まず、仲が良いのは同期のシシシンオーかヤマトノヌシくらい。
しかし、それも全て自分を律する為にやっていることである。臆病な面が出てこない様に強い言葉で武装して、負けるなんて考えられない様に大言壮語を吐く。
どれもこれも母の血を証明し、有名になり、自分を愛し育ててくれた牧場に客を呼び込み恩返しをする為。
本当は彼らを呼んでいる。しかし、彼らきっての願いで言わないでくれ、と懇願された。
理由は単純、自分のためではなく彼らの為に走ってしまうからだ。別にそれ自体が悪いことではない。走る理由なんてウマそれぞれ、別になんだって構わない。
ただ、彼らが見ていると冷静さを欠き、かかってしまうことが多い。そして何より、負けた時、泣きそうな…叱られた子供の様な悲しい顔を見せるのが見てられないとのこと。
「たまには、自分のために走ってもいいんじゃないか?」
「はぁ?なんだよそれ、俺はいつだって自分の為に走っているぜ」
嘘だ。わかっている。けれど、彼女を勝たせてやれない僕にとやかく言う資格はない。
「そうだな、君のスタミナ、根性は唯一無二の個性だ。長距離である菊花賞なら今まで以上に可能性はある」
「そうだな、パラディンもいねぇし、一着を目指すか」
やはりここ最近負け続けているのがよほどこたえているらしい。少し前なら一着を目指すなどと言わず、一着をとると言っていたはずだ。
「僕は、君が1番だと思っている
僕の夢は…最初から最後まで君だよ、ブラックホープ」
「は!臭いセリフだな!全くもってお前らしいよ、ただ…まぁ、うん、そうだな…頑張ってみるよ」
ーーー
雄大な体躯、自身の力強さを生かした走り。遠くからでもわかる、あれは…
「あ!ホープちゃんだ!」
「随分と気合が入ってるな…」
あの日、シンオーのトレーナーに言われたこと。
『Shinouが、あなたを心配して練習に身が入ってないです、なんとかしてください』
『なんとか…か』
『はぁ?お前の担当なんだから自分でなんとかしろよ、パラディン、聞かなくていいぞ』
『そうは言ってもだな…』
『お願いします、あの子に…どうしても一着を取らしてあげたいんです』
『それをライバルの前でいうかね……相変わらず豪胆というか…なんというか』
『君の覚悟はわかった…私になんとかできるかはわからないが、できることはしてみよう、トレーナーもそれで構わないな?』
『はぁ…無茶だけはするなよ』
『ありがとう』
『ありがとございます!!』
とは言ったものの、言葉でなんとかなるものなら…あのトレーナーがなんとかしているだろう。ならば、ターフでしか語れぬものがあると思い至ったが、あいにくこの脚では満足にそれも行えない。気休めにもなればとこうして外出に誘ったわけだが、
「今日はありがとう!トレーナーさんに言われたんでしょ!久しぶりのオフ楽しかったよ!」
そう言いながらもこちらの脚から目を離さない。むしろ、今日1日で心配を強くさせてしまった気がする。
「まだ門限まで時間がある…何か予定があるなら付き合うが?」
「う…うーん、予定あるけど……遊びで行く様な場所じゃ」
「構わない、連れて行ってくれ」
「そ…そう?じゃあ、行こっか」
連れてこられたのは弓道場。弓道を特技としているウマ娘も多く、学園近くのこの場所はよく使われているらしい。今日は他に誰もいなかったが。
「お姉ちゃんはどんな体勢でも、どんな場所からでもど真ん中に当てることができたんだ、私はそこまでうまくはないけど…」
10月の高く空の下、静謐が支配するこの場に緊張感が走る。息をするのも忘れて彼女を見守る。
足を開き、弓を構え、弾き絞り、放つ。
全ての所作を丁寧に、しかし途切れることなく流麗に。その様は、まるで一つの舞の様にも見えた。
「動かなければこの通り」
「お見事」
小気味良い音を響かせた弓矢はど真ん中を貫いていた。その後も精度を落とすことなく的を貫いていく。なるほど、彼女の勝負に対する類い稀な集中力はここで培っているのかもしれない。
「お姉ちゃんのファンがね、いつもはあまりレース前は話しかけには来ないけど、菊花賞は…絶対勝ってくれって……
私も、あまりこういう考え方は好きじゃないんだけど、お姉ちゃんが唯一取れなかった最後の冠はどうしても欲しい…勝って、笑って……会いにいくんだ」
「今は君のファンだろう?」
「あはは、そうだねー……」
しかし、5本目の弓矢は的には当たったものの、中心からは大きく外れてしまっていた。
「…あの日もこうして弓を引いてたわ」
最後の一当は彼女の手から離れることはなかった。
「お姉ちゃんがさ!菊の冠がどうしても欲しいって言っていたのを聞いて、私花の菊の冠をプレゼントしたんだ!!今思えば、それは菊じゃなくてタンポポだし、欲しがってたのは菊花賞のトロフィーだったんだけどね!」
「それでも、喜んでくれてたんじゃないか?」
「あはは、まぁねお姉ちゃん優しいから!
優しいからさ、私に見せたかったんだろうね…本物の菊の冠ってやつを、さ、私…小さい頃X脚ってやつで走らないって言われてたから……まさかG 1に出るなんて、思ってもなかったんじゃない?」
「それは違うよシシシンオー、君の姉は言っていた、『今に私に匹敵する…いや、それ以上のウマ娘になる』って」
「お姉ちゃんは私に厳しかったけど、評価は甘めだから…別に……いや、ごめん、ちょっとネガティブになってる…確かに私を信じていたのはお姉ちゃんだけだったから…こんな言い方良くないね」
「姉君も鼻が高いな、将来性のあるウマ娘を見抜くなんて、熟練のトレーナーですら至難の業だ、そんな中君がG 1で1位2位を争うウマ娘になることを予見していたのだからな」
「争ってもあなたのせいで毎回1着とれないけどね」
「ぐっ…すまん……」
「あはは!冗談じゃん!勝って謝っちゃダメだよー」
「そうだな、失礼だった、すまない」
「また謝ってるし!」
「ぐっ…どうすれば……」
「フッフッフッ、今日は私の勝ちかなー」
こちらに背を向けるシシシンオー、その背中はいつもより小さく見えた。
「お姉ちゃん…レースの前には必ず弓を引いていたの……それを見るのが私は大好きで……あの日いつもと同じだった……」
「……」
「怪我の具合はどう?」
1番最初に聞かれると思っていた質問は、その日の最後に問いかけられた。彼女を心配させまいと、用意していたいくつかの嘘が浮かんでは消えた。
「…医師から言わせると、もう二度とターフを踏むのは無理だそうだ」
「……!!」
「だが、私は諦めない…諸先輩方が…君の姉君が教えてもらったウマ娘の役割を完遂するまでこの足を止めることはできない、そうだな…今年中には間に合わせる…有馬記念で必ず走ってみせる」
「そんな……それじゃお姉ちゃんと……」
「安心してくれ…なんて言えた立場じゃないが……本当に最後の最後にドクターストップがあったら、走らない、それは約束する」
「本当?」
振り返った彼女の瞳は涙で潤んでいた。
「あぁ、本当だとも……だから君は…何の気兼ねもなく菊花賞を走ってくれ……それが私の、そして恐らく君の姉君の1番の望みだ」
「うん……わかった、わたしも約束…あなたと…お姉ちゃんに捧げるよ三つ目の冠を…!!必ず…必ず…!!」
菊花賞が始まるーーーー!!
ーーー
残念ながら曇天模様であります!京都レース場!少し小雨が降ってきたか?
それはさておき……
クラッシック戦線、最後の戦い菊花賞!
果たして菊の冠を手にするのはどのウマ娘か…
発走が近づいております!
各ウマの表情を見ていきましょう!
まずは1枠1番!ーー
「今回P-SYBのSBだけか…どっちが勝つと思う?」
「そんなんP-SYBの順番が物語っているだろう、SからB、シンオーが1着、ホープが2着、それで終わりだ」
「どうかな、ブラックホープも力強いウマ娘だ、菊の舞台…しかも重い場だ、彼女に部があると思うが?」
「あんたは…??」
「失礼、ただの通りすがりのウマ娘だ、君らがあまりに稚拙な考察をしていたものでな…少々口出しさせてもらった」
「ちせ…いうじゃねぇか…」
「バカ!当たり前だろ!このウマ娘は…!?」
「申し遅れたな…私はパー…ホーリーナイトというウマ娘だ」
「ホーリーナイト…??しらねぇな、んな無名なウマ娘が俺らに口出しするもんじゃないぜ」
「それもそうだな…すまない、不快にさせたなら、謝る」
「ちょっと!ちょっと待ってくれないか?
いや、待ってください!!
その…ターフで走ってるウマにしかわからないことだってあるでしょう?その辺を僕らに教えていただけるとありがたいというか…なんというか…」
「ふむ…そういうことなら、講釈垂れてみようか」
「お願いします!!」
「なんだよお前……」
「いいからこのお方の解説を聞いとけ!!」
「来たぞ、彼女もかなり強いウマ娘だ」
2枠4番!私たちの逃げウマ!がむしゃらの走りに応援せずにはいられません!!
4番人気!我儘に!ロンリーロンリー!
今回もレースを引っ張るのは彼女でしょう!
いつもより落ち着いているように見えます…!
3枠5番!前回劇的な勝利を飾りました神戸新聞杯!!雨娘なのに太陽が好き!しかし、今日も雨を降らせるのか?
太陽帝!2番人気!
ロタリオグランデ!
小雨のせいで気分が落ち込んでいるように見えます…!
「順当にいったら、ロタリオグランデ、シシシンオー、ブラックホープの順だと思うが…今日は雨だ、かなり力強さが要求される重場、その辺を考慮したら……力強いブラックホープ、どんなコンディションでも、自由に走れるシシシンオー、あと…気合入っているロンリーロンリーといったところか?」
「流石の慧眼!おみそれしました!!」
「は!そんな奴の予想当たるわけないだろう!俺はシシシンオー、ロタリオグランデ、ブラックホープだな!」
「人気バを並べただけだろ、誰でも思いつくわ、アホ」
「なんか今日厳しくないか?お前…」
「お、主役の登場だな」
5枠10番!!
クラッシック戦線!!このウマ抜きでは語れません!!三冠相続人!!悲劇の末…姉が取れなかった菊の冠を狙います!!
獅子の立髪!!ゴールドバレット!!
1番人気!!シシシンオーだぁ!!
気合十分であります!!
「やはり、彼女には頑張って欲しいな……」
「ですよね!ライバルですものね!」
「そうだな」
「は!無名のウマ娘がおこがましいわ!」
「お前…少し黙れ……」
「…は…はい……」
7枠15番!!
地方から来る!!どうしても中央G1のタイトルが欲しい!!臨みます!!地方の吉星!!地方の夢!!母の悲願を背負い戦いに臨みます!!
漆黒の来訪者!3番人気!
ブラックホープであります!!
いい勝負はしますが、いまいち勝ちきれません!!人気が高いのは期待の裏返し!頑張って欲しいところ!!
さあ18頭…主役は出揃いました!
菊花賞…間も無くスタートです!!
ーーー
京都は何度か来たことがある。それでも緊張するのは私の性格の為か…はたまた雰囲気に呑まれているのか。
「いつもより…静かだな……」
いつもだったら、パラディンちゃんのファンが騒ぎ出し、レッドちゃんとロンリーちゃんのヒーローショーを囃し立てる声があって、ホープちゃんを応援する声もたくさん聞こえて…
雨も拍車をかけているのだろうが、今日は本当に異常な静けさだ。観客席も…ターフも。熱気が足りないわけではない。ただ、皆んな気合が入っているのだろう。それは…私も…
「でも…私のファンは…いつも通りだな」
こちらを一身に見つめている。ただし、その瞳はいつもより情熱に満ちて見えた。
夢を見ずにはいられない…このレースはお姉ちゃんが……
「ねぇ…」
「ん?あぁ、ロンリーちゃんか、あなたから話しかけてくるなんて珍しいね!特にレース前に!」
「…天真爛漫、自信満々な明るいあなたに話しかけたら、気合が抜けちゃう気がして…」
「えぇ…なんかごめん……」
「謝らないで…私の問題だから……」
「そ…そう?それで…なんのよう?」
「私……いや…でも……はぁ、言うわ、聞いてて……いつもはそんなのできないって心のどこかで思ってたから……言わなかったんだけど……
私、あなたたちに勝つわ…今日ここで」
「…!!そう、ロンリーちゃんも…何かあるんだね……詳しくは聞かないよ…けど、
私も負けないよ…絶対」
「うん…うん…あんたはそう言うと思ってたよ、ありがとう…いいレースにしようね」
「あ、ひとつだけ訂正!天真爛漫は知らないけど…自信満々は違うよ!自信なんて…だって強いウマ娘がいっぱいいるんですもの!
そんなにないよ!
パラディンちゃん、ヤマトちゃん…レッドちゃんも…他にもムーンちゃんロケットちゃん…ローラちゃんだって……強かった
今日だったら、ホープちゃん、ロタリオちゃん、それに…あなたも……!」
張り詰めていた顔を一瞬緩めだが、すぐに戻した。何か言おうとしていたが…自嘲気味に笑うとそのまま立ち去ってしまった。
「ホープちゃんは……」
担当トレーナーと話している。いつもみえる彼女の家族は居ない。どこか違うところで見ているのだろうか。その後、一直線にゲートに向かった。彼女もかなり気合が入っている。最近頑張っているという話もよく聞いたし、私も実際練習を今まで以上に頑張っていたのを見た。
「それでも…負けるのはダメ、許されない」
ファンを一通り見た後、1人のウマ娘を指差した。見ててね…あなたの分まで走るから。
ゲートに向かう。
クラッシック戦線…最後の戦い、
菊花賞が始まるーー!!!!
ーーー