タコピー鬼こええ!   作:タコピーは食材

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誰も書いてなかったので書きました。


1話

 

児童虐待という言葉がある。

 

子供に対して暴力を振るうことだ。

到底許されることではない。

 

しかし、多くの人はこれに対処することができない。

お隣さんが虐待行為をしていた、と気がつける人がどれほどいるだろうか。

仮に気がつくことができたとしても、子供を助けることができる人がどれくらいいるのか。

 

おそらく多くはないだろう。

 

俺もそうだと思っていた。

実際に何かしらの事件にでくわしても、何か行動を起こせるとは思わない。

 

それにそのような事件ポンポン起こるわけがない。

その一回だけ見過ごして仕舞えば、あとは平穏な生活が待っている。

見逃せば、いい

 

そう、思っていたはずなのに。

 

 

気がつけば俺は動いていた。

 

ーーー

 

1人ため息を吐きながら、空を見上げる。

カッコつけてるわけではない。

いややっぱりカッコつけてるかも。

 

俺はいわゆる転生者だ。

だが特殊能力なんてないし、TSもしていない。

転生先も異世界などではなく、日本だ。俺が死んだ世界より少し昔だが、もうすぐ追いつく。誤差の範囲だ。

 

そんな転生先の日本も普通であり、魔法なんてないし、個性と呼ばれる超人的要素もないし、仮面ライダーにもなれない。

本当にただの、現代日本であった。

 

転生してすぐ、普通の両親から生まれて前世の記憶を持っていた俺は赤ん坊の時に異世界ものの鉄板として魔力を鍛えようと力んだりしてみるも、おむつを汚すことしかできなかった。

その後もどうにかして異世界的要素に備え、剣術だの体術だの鍛えたり、

特殊な義務教育、例えば個性使用訓練とかないかと小学生の時から大学受験生並みの学習をしてきたり、いろいろしていた。

 

でも、何もなかった。

 

異世界に憧れていた俺は、それはそれはがっかりした。

剣や刀で無双したかったし、魔法でエクスプロージョンしたかったし、死に戻りしたかった・・・嘘、やっぱ死に戻りは嫌だ。

 

それでも何か諦めきれなくて、実力至上主義の学校があることを期待し、小学生のうちから死ぬほど勉強していた。

 

なかった。

 

しかし死ぬほど勉強した結果、小学4年生ごろには大学側から声がかかった。

 

人を助ける医者になるつもりはないか、と。

 

結果として俺は医者になった。

それも、日本一、いや世界一と呼ばれるまでの外科医に、なった。

 

まぁ強くてニューゲームってやつだったからな。

周りが義務教育受けている間に俺は大学講義を聞けたんだ。なれて当然である。自慢にもならない。

 

その後、高校卒業と同時に医者を名乗ることを許され、世界を渡り歩き、日本一、世界一と呼ばれ・・・

 

今は、たまにある休みとして、北海道の小さい一軒家で、月を見上げている。

 

ここに帰ってきたのも久しぶりだ。

最後に家を出たのは何年前だっけ?

確か3年ぐらい前だった気がする。

 

明日久しぶりに帰った家の掃除をしたら、知り合いにでも会いに行ってみよう。

学校の旧友や、両親。

あとあのクリニックのご兄弟は元気だろうか?

 

こうしてぼーっとしていると、いろいろ考え事をしてしまう。

 

昔は心のどこかで、この世界が異世界である可能性を探していた。

 

どんな世界でもいい。ただの、普通の世界ではないことを願っていた昔。

 

なんでも、なんでもいい。

 

普通じゃない世界を見たい。

 

魔法なんてなくてもいいし剣もなくていい。

ただ、普通じゃない世界。

 

地獄でもいい。クソみたいな世界でもいい。

 

本当に何でもいいんだ。

たとえどんな幼稚な世界でも・・・

 

なんて昔は考えていたが、今はこの世界で良かったと思っている。

俺を頼ってくれる人がたくさんいて、たくさん感謝されて、

たくさん喜ばれて、たくさん楽しいことがあった。

 

未だ独り身なのは少し悲しいが・・・

 

悲しくなったので、他のことを考える。

そうだな、前世でも思い出そう。

 

だんだん薄れていく前世だが、まだ覚えていることは沢山ある。

前世ではよくアニメを見ていたなぁ。

 

そうだな、たとえば、あのアニメ。

誰もが最初に憧れたであろう秘密道具たち。

 

どこでもドア?スモールライト?

 

実際にあったらなぁ・・・

 

そこでふと、五年前を思い出した。

 

そういえば、あのキャラクターと同じ名前の子が隣に住んでいたな、と。

 

視線を隣の家に向けると、そこにはちょうどあの子がいた。

犬を連れて散歩に行くのだろう。隣には大きな犬がいた。

 

その子もこちらに気づいたようで、目があった。

 

体に電気が走った。

 

俺が五年ほど前この辺りに住まいを建てて、お隣さんに挨拶に行った時、

家から出てきた小学生ぐらいの女の子。

 

名前はしずか

 

時が止まったかのように感じた。

 

驚きのあまり、体が動かない。

 

何ということだ。

どうやらこの世界は、普通の世界ではないらしい。

 




主人公の設定盛りすぎました。
お医者さんだってことだけ覚えていただければ大丈夫です。
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