妖怪ウォッチを手に入れたのが、ケータではなくカズマだったら?   作:カジ

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大変お待たせしました!更新遅くなってごめんなさい。このすばの3期決定など、色々ありましたね。そしてなんと、妖怪ウォッチぷにぷにとこのすばが実際にコラボするという夢の企画も。間接的に夢のクロスオーバーが実現したので嬉しいです!何かの間違いでスタッフさんたちもコレを読んでいてくれないかなぁ


さあ皆で唱えましょう。エリスの胸は…?

「いや〜、びっくりしたなあ」

 

 「そうでウィスねえ」

 

 「まさか前回の投稿から一年以上もたつなんてなあ」

 

 「いや、そっちじゃなくて…」

 

 アクシズ教の総本山、アルカンレティア。この世界で変人と嫌われている者たちの巣窟。

 信者達の勧誘の嵐を避け、カズマ達は急いで宿に向かう。疲労が溜まっている一行は、宿に到着したら早々に眠りについた。

 そして翌朝。

 

 「おはようございますカズマくん」

 

 「ふぁ〜、疲れてたからよく寝たなあ。あれ?アクアとめぐみんは?」

 

 「アクアさんは朝早くからご機嫌そうに出発しましたよ。よっぽど信者の皆さんにチヤホヤされたいんでしょうねえ。めぐみんさんはアクアさんが何かやらかさないよう、念の為について行ったでウィス」

 

 ジバニャンもめぐみんについて行く形になり、とりあえずアクアのお守りはあの二人に任せよう。

 

 「じゃあ俺もちょっと街を見てこようかな」

 

 「私も行こう。この街は色々と面白そうだ」

 

 「あ、あの。私も一緒に行っていい…ですか?」

 

 「もちろん、ゆんゆんも一緒に行こう」

 

 ウィズはもう少し宿でゆっくりしたいらしく、カズマ達はアルカンレティアの街に出かけた。

 街にはドワーフやエルフなど、ゲームでお馴染みの種族がいてカズマもテンションが上がる。

 

 「見ろカズマ、噴水があるぞ」

 

 「おー、結構大きいな」

 

 「女神像も立派なものだな」

 

 噴水の真ん中に、豪勢な女神像が立っている。恐らくアクアを模したものだろうが、実物と比べると詐欺レベルに誠実そうな見た目だった。

 

 「きゃあ!?」

 

 「だ、大丈夫ですか?」

 

 通りがかった女の子が、転んだ拍子に持っていたりんごを落としてしまった。一番近くにいたゆんゆんが見かねて、落としたりんごを拾ってあげる。

 

 「ありがとうございます。お優しいんですね」

 

 「い、いえ。そんな…」

 

 「ぜひお礼を。この近くにアクシズ教のカフェがありますから、そこでお話ししましょう」

 

 「いや、でも…」

 

 「まあまあそう言わずに」

  

 本当にお礼なんていいのだが、その女の子はゆんゆんの手を掴んで執拗に迫ってくる。

  

 「もんげ〜。なんでこの人、こんなにしつこいんずら?」

 

 「うぅ〜…じゃあ、ちょっとだけなら」

 

 「ありがとうございます!ささ、どうぞこちらへ」

 

 「ゆんゆんが行くならオラも行くずら」

 

 女の子の押しに負けて、ゆんゆんは戸惑いながらもついて行く。その後ろにコマさんも続き、その様子を見ていたカズマとコマじろうは不安になった。

 

 「お、おい。あれ止めた方がいいんじゃないか?」

 

 「兄ちゃんとゆんゆんが危ないズラ!」

 

 妖怪のコマさんは女の子には見えないから問題ないのだが、人間であるゆんゆんはそうはいかない。嫌な予感がしたカズマとコマじろうが慌てて止めに行く。

 

 「あの〜、俺たち用事があるのでこれで…」

 

 「あっ、彼氏さんですか?」

 

 「え?ああ、いや…まあ」

 

 「おいカズマ」

 

 彼氏と言われて満更でもないカズマに、ダクネスが冷ややかな視線を送る。

 

 「と、とにかく!俺たち先を急ぐので」

 

 「ああ待ってください!実は私、占いが出来るんですよ。よかったらちょっとやっていきませんか?」

 

 「い、いや結構です」

 

 「はい出ました!あなたはこの後、なんやかんや色々あって不幸になります!でもアクシズ教に入れば全て解決しますよ!」

 

 「現在進行系で不幸だっつーの!主にあんたのおかげで!」

 

 身の危険を感じたカズマは一目散にその場から逃げ去り、ウィスパー達も急いで後を追った。

 

 「…ぺっ」

 

 走り去るカズマ達の背中を見て、女の子はツバを地面に吐き捨てた。

 

 「ハァハァ…まったく、何だったんだ今のは」

 

 「しつこい勧誘でしたねえ。逆に清々しいくらいでウィス」

 

 「はぁ、せっかくの観光気分が台無しだ。どっかで適当にお茶でも飲んで休憩…」

 

 「きゃああああああ!!」

 

 突如の悲鳴。カズマ達の前方から、屈強な男に追われた女性がこっちに向かって走ってきた。

 

 「助けてください!邪悪なエリス教徒に追われてるんです!」

 

 「逃げても無駄無駄〜!邪悪なエリス教徒からは逃げられねえよ〜!まあ、強くて正義感のあるアクシズ教徒が来れば話しは別だがな〜!」

 

 「またこのパターンか」

 

 目の前で繰り広げられる三文芝居を見て、カズマとダクネスはうんざりした表情を浮かべる。

 

 「…関わるな。見なかったことにして通り過ぎるぞ」

 

 「分かった」

 

 何食わぬ顔で男女の横を通り過ぎるカズマとダクネス。何事もなくやり過ごしたと思ったが、後ろからゆんゆんとコマさんの声が聞こえてきた。

 

 「あ、あの!その人、嫌がってるのでやめてください…」

 

 「弱いものいじめは良くないずら!」

 

 (おいいいい!何やってんだお前らーー!!)

 

 せっかくスルー出来たと思ったのに、ゆんゆんとコマさんがこの茶番に引っかかっている。しかもコマさんは変身用の葉っぱを頭に乗せて、人間の姿になっていた。

 

 「なんだお前ら!まさかアクシズ教徒か!?」

 

 「い、いえ。違います」

 

 「へっ、じゃあ恐れるに足らねえ!お前らがこのアクシズ教の入信書にサインさえしなければなあ!」

 

 「あれに名前を書くだけで、邪悪なエリス教徒をやっつけることができます!ああ誰か!誰か名前を書く勇敢な人はいないかしらー!」

 

 なんの時間だこれは。俺達はただ、街を観光していただけなのに、何でこんな芝居を見せられなければならないんだ。

 

 「よく分からないずらけど、それに名前を書けばいいんずらね?」

 

 「へへ、そうさ。たったそれだけで、この俺様を倒すことが出来るぜ」

 

 「分かったずら」

 

 コマさんが入信書を受け取り、名前を書く。その直前で、本格的にまずいと思ったカズマと、人間に変身したコマじろうが止めに入った。

 

 「兄ちゃん駄目ズラー!」

  

 「そんな怪しい書類に簡単にサインすんじゃねえー!!」

 

 コマさんとゆんゆんを連れ、間一髪のところで脱出した。

 

 「駄目じゃないかコマさん。あんな入信書にサインするなんて、危うくアクシズ教にされるところだったぞ」

 

 「うぅ、ごめんずら…」

 

 「ゆんゆんも、あんな分かりやすい芝居に引っかかってどうする」

 

 「だ、だって、本当に襲われていたらって思うと…」

 

 しゅん…と落ち込んでる二人を見て、カズマもこれ以上は何も言わなかった。とりあえず注意はしといたし、二人も今後は気をつけるだろう。

 それよりも何なんだアクシズ教徒は。評判が悪いとは聞いていたが、ここまでとは思わなかった。妖怪ウォッチで調べてみても、誰も取り憑かれていない。つまりあれが素だということだ。

 妖怪のしわざなら退治すれば済む話しなのに、いっそのこと取り憑かれていて欲しかった。

 

 「街並みは綺麗なのに、住民があれじゃなあ…」

 

 「その街並みに皆さん普通にツバ吐いてましたけどね」

 

 「今のとこ観光らしい観光出来てないし、しょうがない。一言文句を言ってやる」

 

 「誰にでウィス?」

 

 「決まってるだろ、あいつらの元締めだよ」

 

 そう言ってカズマ達は、アクシズ教の本部教会に足を運んだ。

 

 「くおぉうらー!責任者出てこいやー!!」

 

 「どうしました?そんなに大声をだして」

 

 カズマの怒鳴り声に、一人のシスターが現れる。

 

 「責任者を出せ!いったいどういう教育をしたら住民があんなことに…」

 

 「まあまあ、まずは落ち着きましょう」

 

 優しく微笑みかけるシスターを見て、怒り心頭だったカズマは言葉に詰まる。よく見ると結構綺麗な人だった。

 

 「入信ですか?洗礼ですか?それとも〜…わ」

 

 「…わ」

 

 「た」

 

 「…た」

 

 「し?」

 

 「…し、し? え? あ、あのちょっ…!」

 

 シスターのまさかの問いかけに、カズマは真っ赤になってあたふたしている。すると、その様子が可笑しかったのかシスターは笑い出した。

 

 「ぷっ、あっはははは!ちょっと〜、なに本気にしてるんですか〜?頭大丈夫ですか〜?」

 

 「ウィスパー、バット持ってこい」

 

 「まあまあ、気持ちは分かりますけど」

 

 「思いっきり遊ばれてるズラ」

 

 男の純情を弄ばれて、カズマはぶち切れ寸前である。ここはぐっと堪えてシスターの話しを聞くと、どうやら最高司祭は布教という名の遊びに出かけていて留守のようだ。

 

 「水色の髪をしたアークプリーストが、ここに来ていると思うんだけど」

 

 「その方でしたら、奥の懺悔室で信者の悩みを聞いて頂いてますよ」

 

 「あいつそんなことしてるのか。すっかり教祖気取りだな」

 

 「まあ、教祖どころか女神様でウィスから」

 

 懺悔室の場所を教えて貰い、カズマとウィスパーはそこに向かう。

 

 「おや、カズマくん。あそこでめぐみんさんがうずくまってますよ」

 

 「ほんとだ、何やってんだあんなところで」

 

 協会の隅っこで、膝を抱えてびくびく震えてるめぐみんを発見する。

  

 「お、おいジバニャン。一体なにが合ったんだ?」

 

 めぐみんと一緒に行動していたジバニャンに聞くと、どうやらめぐみんもカズマ達と同じように、アクシズ信者達からの執拗な勧誘攻撃を食らっていたらしい。

  

 「…こ、この街に来たときから覚悟してましたが、やはりここは恐ろしいところです」

 

 「気持ちは分かるわよ、めぐみん」

 

 同情したゆんゆんが、めぐみんの肩にポンと優しく手を置く。

 

 「そっちも大変だったみたいだな。俺達も散々追い回されて、なあダクネス?」

 

 ダクネスの同意を求めようと振り返ったが、なぜかダクネスがどこにもいない。

 

 「おかしいな、一緒に来てたはずなのに」

 

 「あの、お連れの方ならあちらに」

 

 「あちら?」

 

 「どちら?」

 

 シスターに言われた方を見るカズマとウィスパー。するとそこには…

 

 「や〜い、や〜い。お前エリス教徒だろ〜!」

 

 「エリス教徒なんかこうしてやる〜!」

 

 「ああんっ!やめろ〜!くっ、私はこんな責め苦に屈しないからなああっ!!」

 

 アクシズ教の子供たちに逆さ吊りに磔にされ、石を投げられて苦悶の表情を浮かべているダクネスの姿があった。

 

 「なにごと!?」

 

 「どういう状況でウィス!?」

 

 ちょっと目を離してる隙にこんなことになっているとは。カズマは子供達を追っ払い、急いでダクネスを救出する。

 

 「お、おい!大丈夫か!?」

 

 「はぁはぁ…み、見たかカズマ。今の子供たちの容赦のない責めっぷりを。あの年でこれ程とは、将来が楽しみだな!」

 

 「俺はお前の将来が不安でいっぱいだよ」

 

 ダクネスの将来はさて置き、カズマとウィスパーはアクアがいる懺悔室に再び向かう。

 

 「ここか。おーい、アクアー。いるんだろー?」

 

 呼びかけるが、向こうからの応答はない。

 

 「ちっ、アクアのやつ。ウィスパー、ちょっと見てきてくれ」

 

 「了解でウィス〜」

 

 懺悔室の壁をすり抜け、スゥ〜と中に入っていくウィスパー。

 

 「アクアさ〜ん、なにしてるんで…へゔぁっ!!」

 

 「ウィスパー!?」

 

 入った直後、アクアからパンチを食らって無理やり追い出された。

 

 「あ、アクアさん…何やら神妙な顔で待っている様子でした〜」

 

 「正々堂々、正面から中に入って来いってことか」

 

 神聖なる懺悔室に、すり抜けて入ってくるなど言語道断。カズマとウィスパーは、意を決して懺悔室に入っていく。

 

 「ようこそ、迷える子羊たちよ。さあ、悩みを打ち明けなさい。慈悲深い神はきっと、お許しくださるでしょう」

 

 「何が迷える子羊だ。煽てられて、すっかりその気になってるようだな」

 

 「なるほど、もてない童貞で生きるのも辛いと。諦めてはいけません。諦めたらそこで試合終了と、偉い人も言っています。きっとあなたにも、そのうち良い人が…」

 

 「勝手に人の悩みを捏造するな!」

 

 「まったく的外れじゃないところが逆にムカつくんでウィスね」

 

 アクアのやつ、信者達からチヤホヤされて完全に調子に乗ってやがる。こういう場合は下手に文句行っても逆効果だ。

 ならばお望み通り、付き合ってやろうじゃないか。

 

 「…実は」

 

 「なんですか?仲間のクルセイダーのお風呂上がりの姿にムラムラしてることですか?魔法使いの短いスカートの中身が気になることですか? 美しいアークプリーストに、身の程知らずにも劣情を…」

 

 「仲間のアークプリーストが大切にしてるコップを割ってしまい、こっそりご飯粒で直しました」

 

 カズマの罪の告白に、さっきまで上機嫌だったアクアは固まる。

 

 「他にも、隠していた酒を拝借してしまい、どうせ味なんて分からないだろうと水で薄めました」

 

 「アクアさん、まったく気付かずに飲んでましたねえ」

 

 「ちょ、ちょっと…! え?嘘でしょ?」

 

 アクアの顔が引きつってる。先程までの余裕がだんだん無くなってきた。

 

 「そのアークプリーストが問題ばかり起こすので、そろそろリストラして新しい仲間を入れようと思い、新メンバー募集の張り紙を…」

 

 「うわああああん!もうやめてええええ!!」

 

 観念したのか泣きながら出てくるアクア。最初の二つはともかく、少し懲らしめるための冗談だったと安心させる。

 

 「え?と、ともかく?今ともかくって言った?」

 

 「よし。アクアも出てきたことだし、そろそろ宿に戻…」

 

 ガチャ、扉が開く音。信者が懺悔室に入ってきたようだ。

 

 「ほら、私はこれから忙しいの。邪魔したら承知しないんだからね」

 

 カズマとウィスパーはアクアの後ろで、懺悔のようすを見ることにする。

 

 「どんな人が懺悔に来るんでしょうね?」

 

 「さあな。アクシズ教の信者だから、ろくな懺悔じゃないだろう」

 

 入ってきたのは髭を生やした中年の男性。何やら思い詰めてる顔だ。

 

 「…懺悔します」

 

 内容をまとめると、エリス様の肖像画の胸に心を奪われたらしい。アクア様をさしおいて、あの豊かな胸にまどわされた自分が許せないと。

 

 「どうでもいい悩みでウィスね…」

 

 「これ、俺引っ叩いてもいいよな?」

 

 「…なるほど、よく分かりました。ご安心を、神はきっとすべてを赦すでしょう。あなたは何も間違ってはないのです。それでも迷うなら、この言葉を思い出して」

 

 エリスの胸は、パッド入り(3枚重ね)

 

 「お、おおっ…!なんだか目が覚めた気がします!他の人にも教えてきますー!」

 

 エリスの胸はパッド入り。この言葉を大声で連呼しながら、信者の男は懺悔室を後にした。

 

 「ふっ、また迷える子羊を導いたわ」

 

 「間違った方向に導いてる気がするでウィス…」

 

 「信仰のために後輩を貶めるってお前…」

 

 アクアにとって、数少ない信者たちは何より可愛い子供たち。それを守るためなら手段を選ばないアクアに、カズマとウィスパーは呆れたようなドン引きしたような顔をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

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