仮面ライダーSPIRITS〜混沌の死者達〜 作:仮面ライダーハードエボル
side:滝
「仮面ライダー3号・・・・・だと・・・・・!?」
目と鼻の先で姿を変えた黒井恭一郎───仮面ライダー3号に滝は目を見開く。
そばにいたアンリエッタも驚いていたが、黒井恭一郎が名乗った仮面ライダー3号の名に異議を唱える。
「有り得ない・・・・・3号ライダーは既に別にいる!!何より・・・・・変身者自身が全くの別人よ・・・・・!!」
「・・・・・!!」
アンリエッタの言うように3号ライダーは風見志郎が変身するV3ただ1人。これ程1号と2号に酷似した仮面ライダーは誰もいない。
チェイスも声には出さなかったが、目を見開いて驚いていた。
そんな三者三様の反応を見せる滝達を尻目に、〝銀の牛〟は3号に突進する。が、3号はそれを簡単に受け止めて、左手を引き絞る。
3号から放たれた〝ライダーパンチ〟により、〝銀の牛〟は頭部を飛び散らしながら真後ろへ飛んで行く。
しかし、飛び散った銀が再び胴体へと集まり、再び〝銀の牛〟が復活すし、また突進して来る。
3号はこれも受け止めてみせるも先程よりも威力があったのか、3号の足場が窪み出した。
(もう一度ぶっ飛ばせばいいが、またさっきの様に復活するのが目に見える。それにこれ以上町の真ん中でやり合うのは流石に避けねば・・・・・!!)
3号はこれ以上町中で戦えば建物の中にいる市民に被害が出る可能性を考えていた。
更に目の前の〝銀の牛〟が何時自分を無視し、先程の男を襲いに行く事も考えられる。
その時、〝シンゴウアックス〟を持ったチェイサーが〝銀の牛〟を斬り飛ばし、3号と共に距離を取った。
「無事か・・・・・?」
「お前は・・・・・魔進チェイサー・・・・・なのか?」
「!?・・・・・何故その名を知っている?」
「フ・・・・・仮面ライダードライブ───泊進ノ介は元気だったか?」
「泊進ノ介を知っているのか・・・・・!!」
チェイサーは3号が口にしたかつての仲間の名前に反応するが、〝銀の牛〟はそれに構う事無く攻撃をして来る。
2人はそれを対処しながら滝とアンリエッタの元まで下がり、2人を連れて大通りまで出る。
「お前達もいたのか!!」
「まぁな!!アンタに聞きたい事は山ほどあるがそれは後だ!!!」
そう言って滝とアンリエッタも手持ちの武器で応戦しながら3号達と下がる。
「それで!!こっからどうすんだよ!?」
「このまま戦ってもいいがそれだと住民に被害が出る可能性がある!!」
「だがこの町にはデカイ闘牛場がある!奴を連れながらそこへ向かう!!」
「お前のやろうとしている事は分かったがよ!!その為のマシンは何処だよ!!」
「それならちゃんと来ている」
3号がそう言うと少し先から2台のマシンが走って来た。1台はチェイサーの〝ライドチェイサー〟と3号の愛車である〝トライサイクロン〟が来た。
「クっ・・・・・車!?」
「〝トライサイクロン〟だ!こいつのスペックは保証する」
バイクではなくまさかの車に驚く滝を3号は隣に乗せ、チェイサーの〝ライドチェイサー〟にアンリエッタを乗せる。
2人を乗せた2台のマシンが夜の町を走り出し、未だに突進して来る〝銀の牛〟も追いかけて行く。
〝ライドチェイサー〟を操るチェイサーの町を走り抜けるテクニックは一級品だったが、3号のテクニックはその上をいっていた。
〝トライサイクロン〟に搭載されているメインエンジンとジェットエンジンの併用による最高加速に加え、6本のマフラーにロケットエンジンで異様なスピードを出していた。
これに乗っていた滝は自分にかかってくるGを何とか耐えていた。
「(なんちゅうスピードだ・・・・・こっちが放り出されちまいそうだ!!)おい!奴は追ってるか!?」
「後ろを付いて来ている!!俺達を仕留めるまで止まる気は無いだろう!!」
「それなら好都合・・・・・このまま闘牛場へ突っ込む!!」
そう言って3号は〝トライサイクロン〟の速度を更に上げ、チェイサーも何とか追いかける。
少しして闘牛場に着いた3号は〝トライサイクロン〟の〝フロント機関砲〟で大きい入口を破壊し、闘牛場の広場へ入る。
中に入ったら広場の中央に黒い人影が見えた。〝トライサイクロン〟のヘッドライトに写ったそれは銀のスーツに赤い目、そしてマフラーと仮面にXの印が特徴の人物がたっていた。
「あれは・・・・・仮面ライダー!?」
そのまま2台のマシンはその人物を残して走り抜け、人物は腰のベルトから武器を取りだして構える。
アンリエッタのその叫びに合わせるかの様に人物───仮面ライダーXが専用武器の〝ライドル〟を使って〝銀の牛〟をX字に斬り裂いた。
斬り裂かれた〝銀の牛〟は銀の液体に変わっていき、闘牛場を這いながら逃げ出して行く。
完全に闘牛場から銀が全て消え、残ったのは滝達と仮面ライダーXだけとなり、4人はマシンを降りてXの前に立った。
滝達と対面したXは変身を解き、元の神敬介に戻って近づく。
「仮面ライダーX・・・・・テメェが・・・・・」
「改めてよろしくな、滝さん・・・・・」
そうして挨拶を交わした神敬介は滝の後ろにいるチェイサーと3号の元まで赴き、声をかける。
「仮面ライダーチェイサー・・・・・だったな?あんたの事は本郷さんや一文字さんから聞いているよ」
「そうか・・・・・」
「あんたは・・・・・正直に言ってよく分からん。外見はあの2人によく似ているが全く違う」
「・・・・・」
「何よりその両手足に着いている枷にはショッカーのマークが着いている・・・・・一体何者だ?」
変身を解いたチェイスに軽く挨拶した神敬介はもう1人の人物───3号を観察する様に見つめて問い掛ける。
3号は変身を解いて元に戻った黒井恭一郎は革スーツを整え、少し頭をかいてから口を開いた。
「俺は黒井恭一郎───仮面ライダー3号だ」
「仮面ライダー3号・・・・・」
「───俺はショッカーの〝歴史改変〟の策略で生まれた」
「その〝歴史改変〟で俺は仮面ライダー1号と仮面ライダー2号を倒し、ショッカーの世界征服の一助をしてた・・・・・」
黒井恭一郎が語る〝歴史改変〟にショッカの世界征服───その上伝説のダブルライダーの殺害。
色々とありえない事を語っていたが、特に1号と2号のを倒した発言にチェイス以外のみんなが目を見開き驚いた。
ガバッ
「ショッカーの〝歴史改変〟?世界征服の一助?さっきから訳の分からん事を言いやがって・・・・・挙句の果てに
「寝言は寝て言いやがれってんだ!!!」
ダブルライダーの敗北────黒井恭一郎のこの言葉に頭に血が上がった滝は胸ぐらを掴んで怒鳴りあげる。
神敬介も同じ気持ちだったが、拳を強く握って2人のやり取りを見ていた。
「滝和也・・・・・あんたの言いたい事は分かる・・・・・」
「だが俺が言っているのは
「・・・・・は?」
黒井恭一郎が更に語った言葉にさすがの滝も頭が真っ白になり、ポカンっと口を開いた。
side:船内
酒場で酷く酔った上に大暴れしたグレコは神敬介に連れ帰られてベットに寝かされていた。
しかし、40年前に起こった流行病と迷信により息子夫婦を目の前で失った記憶が悪夢として蘇り、うなされて起きた。
「大丈夫か爺さん、だいぶ魘されてたぜ・・・・・」
「!」
「ん?」
目を覚ましたグレコに声をかけたのはここまで運び込んだ神敬介だった。彼はグレコを心配するように優しく声をかけ、落ち着かせる。
「また・・・・・あの夢か?」
「!!」
「バカヤロウ!!俺の寝顔見てる暇があるなら網の手入れでもしてろい!!!」
「チェ・・・・・ハイハイ」
「・・・・・クッ」ギュ...
神敬介を追い出したグレコは首に掛けていたペンダントのロケットを外して中身の写真を見る。
その写真に写ってたのは40年前に死んだ息子とバラの花束を持った酒場の踊り子に瓜二つの女───ロッサが仲良く写っていた。
「俺があんな物を持ち帰らなかったら・・・・・クソったれ・・・・・」
side:ロッサの寝室
漁師の町で活動しているロッサの一団は小さな一軒家を借りている。その寝室で寝ている白目のロッサが涙を流していた。
涙を流すロッサに声を掛けたのは昨日ホセを襲った時に持っていた額に3つ目の様な穴が空いた〝銀の髑髏〟だった。
〝銀の髑髏〟はそのまま空中に浮き、〝銀の涙〟を流しながらロッサを慰めるように語り掛ける。
ロッサは〝銀の髑髏〟の指示に従い、ベットから離れる───ベッドに何輪かの薔薇と無数の花弁を残して・・・・・。
side:神敬介
「・・・・・」
漁船で一仕事を終えた神敬介はロッサの一座がいる一軒家を近くの物陰から監視していたが、後ろからアンリエッタとチェイスが近づいて来た。
「アンリさんと・・・・・チェイスだったか?」
「さすがね。滝の無礼は謝るわ・・・・・インターポール伝説の捜査官がまさかあんな直情的なタイプだったとはね・・・・・」
「だがそういう人間は時に得がたい力を発揮する・・・・・俺はそれを見て来た」
「黒井恭一郎・・・・・奴の言っていた
神敬介はそう言ってチェイスに問う。問われたチェイスは少し間を開けて答える。
「そうだ・・・・・奴の言う通り俺はこの世界とは別の世界からやって来た」
「そして───俺と黒井恭一郎・・・・・乾巧の共通点は1つ・・・・・
「「・・・・・」」
神敬介とアンリエッタは黒井恭一郎が推測して語った内容と、チェイス自身が認めた
side:???
「まさか仮面ライダー3号もいるなんてね・・・・・」
「やはり奴の言った通りライダー共が続々と来ているみたいだな」
「それで?どっちが3号を殺って
「俺が3号の相手をしながら時間稼ぎをしよう。出来れば奴を俺の右腕として勧誘してみるつもりだ」
「その勧誘に乗るの?」
「やってみるさ。今は
「