仮面ライダーSPIRITS〜混沌の死者達〜   作:仮面ライダーハードエボル

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EPISODE,03 生きとし生ける全ての自由の為に・・・

side:仮面ライダーチェイサー

 

 

(あれが情報にあった仮面ライダー・・・・・・ )

 

 

チェイサーはこの世界で知った未知の戦士───仮面ライダー1号を見てその存在を認識した。

 

一方で1号(本郷)ら自身と他8人の後輩達と似た姿をした仮面ライダーチェイサーをちらりと横見し、血塗れになった滝の元へ向かった。

 

 

「敵は多いな、滝・・・いや、大した事は無いか・・・()()()が何者かは知らんが・・・俺と同じ仮面ライダー何だろ?」

 

 

1号はチェイサーを認識しつつ、傷だらけで座り込んで自分を見ていた滝に近づいて肩に手を置いた。

 

 

「・・・今夜は俺とお前と彼による・・・トリプルライダーと行こうじゃないか」

 

 

仮面ライダー1号の登場で硬直していた蝙蝠怪人は我に返り、1号に攻撃する。

 

 

「シャラクサイワァァァァッ!!!」

 

 

「俺を忘れるな!!」ドンドン!!

 

 

1号に放たれた蝙蝠怪人の翼をチェイサーが〝ブレイクガンナー〟で弾き、その隙をついた1号が天井まで跳躍して着地した。

 

蝙蝠怪人もそれに気づくが1号は天井から跳躍してキックを放った。

 

 

「ライダァァァキィーーック!!」

 

 

ブチッ

 

 

「ギィヤァァァァッ!!!?」

 

 

1号が放った必殺キックで左腕を失った蝙蝠怪人は痛みのあまり叫び、その場から逃げる為に割れた窓から夜の空へ飛び立った。

 

蝙蝠怪人の配下だった改造吸血鬼の群れも飢えを満たすために教会から飛び出し、そのままニューヨークの街に向かった。

 

 

「!まずい、コイツらもうイっちまってる!!外に出たら見境なく人を襲うぞ!!」

 

 

「俺に任せろ」

 

 

そう言ってチェイサーは自身の専用マシン〝ライドチェイサー〟を呼び出し、搭乗した。

 

 

「俺が奴らをやる。お前達はあのデカ物を任せた」

 

 

そう言ってチェイサーは〝ライダーチェイサー〟を発進させ、改造吸血鬼の群れを追ってニューヨークの街へ向かった。

 

 

「行っちまった・・・。なぁ本郷・・・アイツが仮面ライダーなのは本当なのか・・・・・・?」

 

 

「さぁな・・・だが、彼の仮面ライダーとしての覚悟は本物なのは確かだ」

 

 

滝は傷だらけでヨロケながらも自分のバイクを起こし、1号にチェイサーの事を聞いた。

 

1号自身もチェイサーと言う仮面ライダーの事は初めて見た存在であり、警戒はしていたが滝を守って改造吸血鬼達と戦っていたのを見て少なからず信用していた。

 

 

「ニューヨークは彼が向かったから大丈夫だ・・・俺達は奴を叩くぞ、滝・・・!!」

 

 

「あぁ・・・・・・!!」

 

 

1号と滝はニューヨーク市街地をチェイサーに任せ、自分達は元凶である蝙蝠怪人を追ってマシンを走らせた。

 

 

 

 

 


side:ニューヨーク市街地

 

 

「おい、あれ・・・」

 

 

「え?」

 

 

何時もの夜に何時もの日常を過ごすニューヨークの人々。しかしその日常の街はたった一声で崩れ去った。

 

声を出した男が指を指した方向を見れば空を飛ぶ影の群れが街を歩く人々に向かっていた。

 

影の群れの正体は最近街で噂が出ていた不可解な事件の元凶であり、本の中にしか存在しないハズの吸血鬼だった。

 

 

「きゅっ吸血鬼の群れだァァッ!!」

 

 

「なっ何でぇ!?」

 

 

「知るかッ!!早く逃げろォ!!!」

 

 

吸血鬼の群れは血を求めて人々を襲い、街は次第にパニックになり、近くの警察官達も突然の状況に困惑しつつ市民の救助に奔走していた。

 

突然襲って来た非日常である恐怖と絶望の群れに為す術なく、諦めかけたその時、バイクのエンジン音が聞こえ始めた。

 

 

ドルゥン!ドルゥン!

 

 

エンジン音を聞いた吸血鬼達が動きを止め、一斉に音の方に目を向けた。

 

そこには〝ライドチェイサー〟で車道の車をすり抜けながら自分達を追って来た仮面ライダーチェイサーがいた。

 

 

《ブレイク》

 

「はァァッ!!」

 

 

〝ライドチェイサー〟から跳躍したチェイサーはその手に握った〝ブレイクガンナー〟を吸血鬼の一体に叩き込み、すぐ近くにいた別の吸血鬼を掴んで下に叩き落とした。

 

チェイサーが危険だと本能で理解した吸血鬼達は地面に着地したチェイサーに襲いかかる。

 

チェイサーはそれを躱し、殴り、蹴り、撃つ事で吸血鬼達をいなした。

 

吸血鬼達に囲まれたチェイサーは突然右手を突き出した。すると〝ライドチェイサー〟に収納されていた日本の信号機の様な大型の斧───〝シンゴウアックス〟が放出され、突き出していた右手に収まった。

 

 

「はぁぁッ!!」

 

 

〝シンゴウアックス〟を横薙ぎに振って3体を切断し、後ろから迫って来た攻撃を防いで蹴飛ばし、大上段から振り下ろした。

 

突然現れた怪物の群れをバイクに乗った仮面の戦士が倒す───そんな絵物語の様な光景が目の前で起こっている事実に市民や警官達は唖然としていた。

 

その戦いの様子は近くにあった国連ビルの中にいるホプキンスとブリジットの2人も見ていた。

 

 

「ホプキンスさん、あれ・・・・・・!!」

 

 

「まさか・・・あれがタキの言っていた・・・」

 

 

「本当だったんだ・・・」

 

 

無償で戦う仮面の戦士〝仮面(マスクド)ライダー〟───滝がいつも言っていた妄想が現実に存在していた事に驚きを隠せなかった。

 

一方獅子奮迅の戦いを見せるチェイサーはマッハドライバー炎からシグナルチェイサーを取り出し、それを〝シンゴウアックス〟のシグナルランディングパネルに装填し、シンゴウプッシュボタンを押した。

 

 

《ヒッサーツ!》

 

《マッテローヨ!マッテローヨ!》

 

 

すると〝シンゴウアックス〟の赤のライトが光って日本の信号機の様に音声がなり、《マッテローヨ!》が響き続けた。

 

チェイサーはそれを縦に構えて仁王立ちする姿に吸血鬼達は困惑しつつ、討ち取ろうと囲んで飛び付いて来たと同時に〝シンゴウアックス〟の青のライトが光った。

 

 

《イッテイーヨ!》

 

《フルスロットル!チェイサー!!》

 

 

「はぁーーーッ!!!」

 

 

《イッテイーヨ!》の音声で〝シンゴウアックス〟を横回転に一閃の斬撃と共に横断歩道状のエネルギーを放った。

 

その必殺技をくらった吸血鬼達は一斉に爆破し、全て倒された。

 

 

(これで吸血鬼達は全て倒した・・・あの男達も上手くやったみたいだな・・・)

 

 

全ての吸血鬼の群れがいなくなったのを確認したチェイサーは〝ライドチェイサー〟に乗り、暗いニューヨークの闇に走って行った・・・・・・。

 

 

 

 

 


side:スタジオの外

 

 

「なぁ滝・・・・・・」

 

 

「ん?」

 

 

「まだ遅れてきた事を怒っているのか?」

 

 

「『ってるのか?』っじゃねーーよ(マジムカつくぜ、コイツ・・・・・・)」

 

 

吸血鬼騒動から数日後───ある場所に滝と本郷、そしてチェイスの3人が並んで立っていた。

 

 

「お前・・・今まで何処で何やってたんだよ?」

 

 

「俺は・・・何処に行ったって相変わらずさ・・・・・・」

 

 

「ケ・・・・・・まぁそんなところだろうな」

 

 

「お前達は信頼しあってるんだな・・・・・・」

 

 

2人の会話を聞いていたチェイスは無表情でありつつ、少し羨ましそうにそう言った。

 

 

「俺は俺でビックリだぜ・・・まさか本郷と一文字以外に仮面ライダーがいたとはな・・・」

 

 

「確かに俺と一文字を除いて仮面ライダーは後7人いるが・・・その中にチェイサーと言う仮面ライダーはいないぞ・・・・・・」

 

 

そう言って滝と本郷は少し目を細めながらチェイスをじっと見つめた。

 

その疑惑の視線を向けられているチェイス本人は無表情のまま2人を見つめた。

 

 

「俺が何者か・・・か・・・・・・それは俺が1番知りたい事だ」

 

 

「あ?」

 

 

「この世界に俺の知る人間の血縁者はいないうえ、俺は日本である敵と戦って消滅したハズだった・・・」

 

「だが何故か日本じゃなアメリカのスラムで目を覚まし、そのうえ時代と世界そのものが俺のいた日本と大きく違っている」

 

 

「はぁ・・・・・・?」

 

 

「・・・・・・」

 

 

チェイスの語った敵や消滅、更に時代と世界と言う単語に滝は顔を顰め、本郷は顎に手を当てて考え込んだ。

 

 

「ほら、タキさん!!もう出番来ちゃうわよ!!」

 

 

「お、そうか」

 

 

そこへ建物の中にいたブリジットが急いで外にいた滝達3人を呼んできた。

 

3人は中へ入り、アマチュアナイトに出場している元の姿に戻ったスパイクのステージを見に行った。

 

すっかり元に戻ったスパイクは観客席にいる子供達や滝に本郷、チェイス達に誰もが聞き惚れる歌を披露し、スタジオは大盛り上がりになった。

 

それを見ていた滝とチェイスは本郷に感謝の言葉を送った。

 

 

「スパイクの事は礼を言っとくぜ。お前がワクチンを持って来てくれなかったら今頃は・・・」

 

 

「俺からも礼を言わせてくれ・・・アイツは得体の知れない俺を拾い、世話をしてくれた。助けてくれてありがとう・・・」

 

 

(生真面目な奴だな・・・)

 

 

「あぁ、ギリギリで進行を抑えられたよ。ただそれもあるが・・・あの子は死にもの狂いで人間でいようといた。人間の力にはそういう力もある・・・・・・」

 

 

そう言って外に出た本郷は〝サイクロン号〟に乗り、エンジンをかける。

 

 

「おい、もう行くのか?」

 

 

「ああ」

 

 

滝の言葉に本郷はそう返し、今すぐにでも出発しそうだった。

 

 

「なぁ滝・・・・・・」

 

 

「あ?」

 

 

「・・・・・・・・・また・・・戦いが始まるかもしれん」

 

 

「・・・ポイな」

 

 

「その時は・・・・・・頼む」

 

 

「・・・人類の自由と平和ってやつか?ちっしゃあねぇ・・・・・・手伝ってやらぁ・・・」

 

 

「君も頼めるか、チェイス君・・・同じ仮面ライダーとして・・・・・・」

 

 

「その答えは既に決まっている・・・・・・」

 

 

滝と自分に背を向けるチェイスに本郷は問いかけ、チェイスは自分の答えを2人に聞かせた。

 

 

「生きとし生ける全ての自由の為に戦う戦士・・・それが仮面ライダーチェイサーの使命だ」

 

 

そう言ってチェイスは建物から出て来たスパイク達の元へ足を運んだ。

 

 

「・・・何者かはまだ分かんねぇが・・・やっぱアイツもお前と一文字と同じ仮面ライダーなんだな・・・・・・」

 

 

「そうだな・・・彼が味方でよかった・・・・・・」

 

 

その会話を最後に滝はチェイスの後を追ってスパイクの元へ、本郷は〝サイクロン号〟を走らせて別れた。

 

 

 

 

 


side:ガモン共和国

 

 

東南アジアガモン共和国───この国では軍事クーデター勃発後、国連軍介入によって反乱軍はジャングルの中に敗走し、戦乱は収まったかに見えた。

 

しかしゲリラ活動は内乱を長引かせている事でジャーナリズムはこの戦争をもう1つのベトナム戦争と呼んでいる。

 

しかしその戦場のあちこちで敵味方関係なく武器を破壊する紅い拳の悪魔───〝ディアブロ〟と呼ばれる存在がいた。

 

そしてその〝ディアブロ〟とは別にもう1つの存在が確認されていた。

 

それは〝ディアブロ〟と同じ様にあちこちの戦場に現れ、目にも止まらない速さで兵士達の武器を破壊している姿が目撃されていた。

 

その姿は燃え尽きた灰や狼男を連想させる様な色合いをした人間並の体躯をした怪人で、武器は破壊すれど兵士や巻き添えになった村の人間は誰も襲う事はなかった。

 

そして現れた戦場で両軍の武器を破壊終えた怪人はその戦場から姿を消していた。

 

その怪人は〝ディアブロ〟と同様に恐れられ、周囲の人々にはこう呼ばれていた。灰色の狼───〝ウルフ〟と・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

〜END〜




転移した仮面ライダー


仮面ライダーチェイサー

変身者:チェイス


登場作品『仮面ライダードライブ』


仮面ライダードライブの世界で最初の仮面ライダー──仮面ライダープロトドライブとして登場し、敵対勢力〝ロイミュード〟に洗脳されて魔進チェイサーとして仮面ライダードライブ達と敵対し、巡り巡って仮面ライダーチェイサーとして共に戦った。

しかし最後の決戦で蛮野天十郎が変身したゴルドドライブとの戦いでベルトを破壊され、霧島剛こと仮面ライダーマッハを守る為に魔進チェイサーに変身して自爆した。
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