仮面ライダーSPIRITS〜混沌の死者達〜   作:仮面ライダーハードエボル

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夢と笑顔の紅い守人
EPISODE,04 理解したくない考え


side:ニューヨーク・国連ビル

 

 

「タキさん、見た見た!?ほら!!仮面(マスクド)ライダー!!もう大騒ぎなんだから!!」

 

 

「お・・・・・・でか」

 

 

FBI本部のある国連ビルの食堂でスパイクとチェイスを連れて食事をしていた滝は給仕のブリジットからある新聞を渡された。

 

その新聞には先日起きた吸血鬼騒動で現れた本物の吸血鬼達を退治する為に仮面ライダーに変身していたチェイスと、大元を追ってバイクを走らせていた仮面ライダー1号の写真が収められていた。

 

 

「まぁハデにやったからなぁ・・・・・・」ズズゥ

 

 

「そこまで騒ぐ事じゃないはずだ・・・」チューーッ

 

 

「・・・・・・!!」バクバクッ!!

 

 

「お前ら飢えとるのォーー・・・・・・」

 

 

ホプキンスは新聞を見つつ、食事をしている3人を呆れながら見ていた。

 

それを見て関係ないと言う様な勢いでブリジットは滝に2人の戦士の事を聞いてきた。

 

 

「ねぇ〜〜〜滝さん!!ライダー(カレラ)の事を教えてよ!!私メチャメチャハマっちゃったんだからぁ」

 

 

「何だよブリジット。お前全然信用してなかった癖に・・・」

 

 

先日の騒動で仮面ライダーのファンになったらしいブリジットに教えろとせがまれた滝は呆れつつ、仮面ライダー1号の方から教える事にした。

 

 

「先ずはこっちの2本の白い線が入っている方が仮面ライダー1号。俺とダチ公だ」

 

 

「1号・・・て事はこっちの銀色のスーツが2番目の2号とか!?」

 

 

「いや・・・仮面ライダーチェイサー・・・それがそいつの名前だ・・・」

 

 

ブリジットの推測に待ったをかけ、訂正したのは黙々と食事をしていたチェイスだった。

 

 

チェイサー(追跡者)・・・変わった名前ね?」

 

 

「聞いた話だが・・・その名はその仮面ライダーの友から貰ったそうだ」

 

 

「友・・・もしかして・・・・・・」|ωΟ。)

 

 

「俺はそっちのライダーは知らねぇよ・・・」

 

 

「知らないって事は・・・他にもライダーがいるの!?」

 

 

「まぁね」

 

 

「うそーーん♥教えて教えて、何もかも!!」

 

 

「ねーちゃん、ミソスープおかわり」

 

 

「あとあと!!ねぇタキさんったら!!」

 

 

「・・・・・・」

 

 

ブリジットの急かしを聞き流しながら滝は写真に写っている1号を見つめつつ、自分のPCに届いたメールを開いた。

 

 

「あぁ・・・いるさ・・・かけがえのないダチがもう1人・・・」

 

 

【滝、一文字の居場所が分かった。本郷より】

 

 

 

 

 


side:ガモン共和国・リアング国際空港

 

 

本郷からもう1人の友、一文字隼人の知った滝はガモン共和国という国に来ていた───もう1人を連れて・・・。

 

 

「何故俺まで一緒に・・・・・・?」

 

 

「お前の事を紹介しておこうと思ってな・・・」

 

 

滝はガモン共和国に来る際にチェイスのパスポートをFBI権限で発行し、一緒に連れて来た。理由は新しい後輩ライダーであるチェイスを紹介したかったから。

 

そうたわいも無い話をしながら空港を出た2人に地元の若者達がガイドはどうかと擦り寄って来た。

 

 

「そこのダンナ方!ガイドの案内は如何ですかい!!」

 

 

「お荷物お持ちしますぜ!!」

 

 

そう言って近づいて来た長い包みを持った若者の1人が滝の持っている新聞を見て気になる事を言った。

 

 

「あれ?この写真〝悪魔(ディアブロ)〟じゃねぇですかい?それも2体!アメリカにも出てきたんですかい?」

 

 

「ディアブロ・・・ってアクマァ?何で仮面ライダーが・・・?」

 

 

「・・・・・・・・・」

 

 

仮面ライダー1号と仮面ライダーチェイサーが悪魔と呼ばれる・・・2人は顔を顰めながらその理由を考えていたら、3台の武装車両が近くを走って来た。

 

 

「何だ?物騒な車は・・・」

 

 

「あぁ、グィン将軍の護送車だよ。この間捕まったクーデターの首謀者の・・・」

 

 

「要は犯罪者か・・・」

 

 

「道理で・・・」

 

 

「まぁ今から俺達に奪還されるんだけどな」バサッ

 

 

「へ?」

 

 

「!?」

 

 

2人に声をかけたガイドの1人が持っていた長い包みから小銃を取り出したと同時に、街の物陰に隠れていた武装集団が現れ、護送車を襲撃した。

 

 

ドドドドドッ!!!

パンパンパンっ!!!

 

 

「ゲリラだぁーー!!」

 

 

「応戦しろ!グィンを渡すなぁーー!!」

 

 

グィン将軍を護送していた護送兵も出てきて応戦を始め、町中で銃撃戦が勃発した。

 

 

「オイオイ、こんな町で銃撃戦かよ・・・ってあれ?チェイス?」

 

 

身を伏せて咄嗟に隠れた滝は隣にいたハズのチェイスがいない事に気付き、隠れながら辺りを見渡した。

 

 

「こっちだ、隠れろ!」

 

 

「あいつ・・・」

 

 

やっと見つければチェイスは銃撃をくぐり抜けながら町人を助けつつ、襲撃をして来たゲリラを撃破していく。

 

 

「へッ!流石は仮面ライダーってか・・・!」

 

 

「ダンナのお連れさん・・・中々強いじゃねぇですかぃ・・・・・・」ガチャッ

 

 

「!?」

 

 

チェイスを見直していた滝の頭に、包みのガイドが小銃を突き付けた。

 

 

「だが将軍の奪還、そして我々正当なガモンの民の存在を知らしめる為、被害はでかい程いいからな・・・キサマも尊い犠牲になる事を感謝するんだな」

 

 

「やなこってす」チャキッ

 

 

「!!」

 

 

滝が隠し持っていた拳銃をガイドの首に突きつけ、それに焦ったガイドは引き金を引いた。

 

だが滝は流れる様に銃撃を下からガイドの後ろに潜り抜け、ガイドの左腕を背に捻って拘束した。

 

 

ガキィ

「グ・・・キ・・・キサマ!!」

 

 

「おい、お前さっき悪魔とか抜かしてたな・・・・・・ありゃどーいう事だよ?」

 

 

「チィ・・・知るか!!」

 

 

「あっそ・・・」チューン!!チューン!!

 

 

「∑や・・・やめろぉ!!」( Ꙭ) 

 

 

流れ弾に当たりそうになったガイドは観念して〝悪魔(ディアブロ)〟について語った。

 

 

最近、戦場に現れては敵・味方関係無しに殺戮を繰り返す化け物がいる。その化け物は〝悪魔(ディアブロ)〟と呼ばれ、アメリカに現れた2人の悪魔(1号とチェイサー)とは容姿が違うらしい。

 

その悪魔は血に濡れた様な紅い拳をしており、戦場では〝紅い悪魔〟や〝紅い拳の悪魔〟と呼ばれて、恐れられているとの事。

 

 

「紅い拳だと・・・!?(ライダー2号(一文字)と同じ・・・・・・)」

 

 

滝は友と同じ特徴を持つ悪魔の話を聞いて動揺した。友が人を殺している・・・最悪の想像をして・・・・・・。

 

 

「それともう1つ・・・〝ウルフ〟っつう化け物もいるんだ!!」

 

 

「は?オオカミ?」

 

 

動揺で拘束の力が強まったのを感じたガイドは、〝ウルフ〟という情報まで語り出した。

 

 

「そいつは〝悪魔(ディアブロ)〟が現れた少し後に出てきたんだ!〝ウルフ〟は〝悪魔(ディアブロ)〟と同じ様に出てきて敵・味方関係なく殺戮をしてんだ!!」

 

「〝ウルフ〟は狼男の様な姿で、全身がまるで燃え尽きた灰の様な色をしてて、人間の目に止まらないスピードで殺し回ってるから戦場じゃ奴は〝灰色の狼〟って呼ばれてんだよ!!」

 

 

(悪魔の次は〝ウルフ〟・・・怪人かよ!?)

 

 

悪魔(ディアブロ)〟に〝ウルフ〟・・・友に会いに来ただけなのに奇妙な情報が舞い込んだ事で滝は混乱しっぱなしだったその時、護送車両から脱出したグィン将軍が援軍に来た兵達にゲリラごと射殺された。

 

 

「あああ・・・将軍・・・グィン将軍が・・・俺たちの聖戦が・・・・・・!!」

 

 

自分達が銃撃してまで救おうとしたクーデターの首謀者が死んだ事で嘆いたガイドを滝は怒りの拳で殴り飛ばした。

 

 

「テメェ・・・ら・・・!!」ギリッ

 

「何が聖戦だ・・・何が治安維持だ・・・!!」

 

 

「聖戦・・・そんな理由で罪のない人間さえも巻き込む戦い・・・俺はそれが正しいとは思わない・・・」

 

「人間の中でも1番理解したくない考え方だ・・・」

 

 

他のゲリラを制圧して戻って来たチェイスは助けが間に合わず、死んでしまった者達を悲しそうな目で見ながら呟いた。

 

そんなチェイスの声を聞き、何も出来なかった滝は顔を俯き、小さく吐き捨てた。

 

 

「バッカヤロウどもが・・・!!!」

 

 

 

 

 


side:診療所

 

 

「寺・・・・・・」

 

 

「どうやら診療所のようだな・・・」

 

 

「駆け込み寺ってわけか・・・・・・」

 

 

町中で始まった銃撃戦の後、滝とチェイスは負傷者を連れて駆け込み寺にやって来た。

 

その寺では他の患者が多く、中には感情の無い目で滝達を見つめる子供達の姿があった。

 

 

「なぁ、医者は何処に・・・」

 

 

「「「!」」」ビクッ

 

 

滝が医者の場所を聞こうと子供達に声をかけて近づいた途端、子供達は一目散に逃げていった。

 

 

「おい・・・」

 

 

「あれは人間を恐れている目だ・・・無理に関わらない方がいい・・・・・・」

 

 

「賢明だな・・・始めて此処に来た奴らは特に信用出来ねぇのがあのボウズ達の心情だ」

 

 

「ん?」

 

 

子供達に逃げられた滝とチェイスの前に現れたのはジャケットを羽織った渋い印象の男だった。

 

その男は機嫌が悪そうに顔を顰め、負傷者を背負った滝達の前まで近づいた。

 

 

「怪我人背負ってんだろ?医者はコッチにいるからついて来な」

 

 

「おお、すまねぇな・・・!」

 

 

「・・・・・・」

 

 

顔を顰めているが根はいい奴の男に素直について行く滝とチェイス。その道中で滝は男の名を聞く事にした。

 

 

「俺は滝和也!横のコイツがチェイスってんだ」

 

 

「チェイスだ・・・」

 

 

「あんたは何て呼べばいい?」

 

 

「・・・乾巧(いぬいたくみ)・・・・・・それが俺の名だ」

 

 

乾巧───夢を守る為に戦った男。人間とオルフェノクの2つの狭間による苦悩を乗り越え、チェイスと同じ奇妙な人生を歩んだ戦士。

 

 

 

 

 


 

side:診察室の近く

 

 

滝とチェイスは診療所関係者である乾巧の案内で医者のいる所までやって来た。

 

 

「おい、真美さん!また負傷者が来たぞ!!」

 

 

「奥に連れて行って!人手が足りないんだから!!」

 

 

「って訳だ、悪いがアッチに運んでくれ」

 

 

「分かった」

 

 

「オイオイ・・・」( ´•_•。) 

 

 

案内された先にいたのは日本人の真美と言う女医だった。この診療所では人手が足りないらしく、負傷者を連れて来た滝達にも手伝う様に急がせた。

 

そんな彼女は忙しい時にどこかに行った知り合いにイライラしていた。

 

 

「もう!!こんなに忙しいのに()()さんは何処に行ったのよ!?」

 

 

「アイツなら多分、またボウズ達の所じゃねぇのか?」

 

 

「!」

 

 

2人の会話に出てきて隼人という言葉に反応した滝は女医にその事を尋ねた。

 

 

「おい・・・今「ハヤト」って言わなかったか?」

 

 

「・・・・・・言ったケド?」

 

「隼人・・・一文字隼人ってね」

 

 

女医の真美から友───一文字隼人の居場所を聞いた滝は負傷者を乾に任せ、チェイスを引っ張って急ぎ隼人の元へ走って行った。

 

 

「ほら・・・笑ってみな。ほら、いい顔して!ダメか?ダメ?」

 

 

───しかし、向かった先にいたのは子供にカメラを向けて笑顔の写真を撮ろうとしていた変質者に見えるカメラマンだった。

 

 

「あれも・・・ライダーなのか・・・・・・?」

 

 

「・・・・・・」

 

 

「なら・・・この顔はどうだ!?面白いだろ〜?」

 

 

変顔で子供を笑わせようと四苦八苦するカメラマンを見て流石にいたたまれなくなった滝は声をかける事にした。

 

 

「おい、一文字・・・」

 

 

「ファ?」

 

 

「「・・・・・・」」

 

 

変顔のまま振り返ったカメラマンに滝とチェイスは何も言えず、茫然と眺めていた。

 

対するカメラマンは自分に声を掛けた2人組みのうち、片割れの男が見知った顔だった事に気付き、声を上げた。

 

 

「滝!!滝和也か!!久しぶりだなぁおい!!」

 

 

「そりゃあこっちのセリフだ」ボスッ!

 

 

「∑ゴフッ!!」

 

 

「バッカヤロォ・・・・・・」

 

 

「イテテっ・・・で?そいつは誰だ?」

 

 

軽く殴られた腹をさすった一文字は滝の隣に立っていた無表情のチェイスの事を聞いた。

 

 

「あぁ・・・こいつはチェイス。お前と本郷の後輩だ」

 

 

ピクッ

()()・・・って事は・・・」

 

 

「お前と同じ仮面ライダーのチェイスだ・・・」

 

 

滝の紹介で前に出たチェイスは右手を差し出したのを見た一文字は握手に応じた。

 

 

「一文字隼人・・・〝2号〟だ」

 

 

 

 

 


side:何処かのアジト

 

 

「まさか此処に乗り込める人間がいたとはな・・・」

 

 

「生憎ただの人間じゃないものでね・・・」

 

 

ガモン共和国の何処かにある怪しい施設・・・その施設にいるのは町の銃撃戦で死んだハズのグィン将軍が侵入者と対面していた。

 

一方で侵入者はたった10人足らずの数でグィン将軍に余裕な態度で前に立ち、右手にはレモンの装飾がされた手の平サイズの錠前を持っていた。

 

 

「君達が向かおうとしている所には仮面ライダーが滞在している。彼と戦うには君の戦力だけじゃすぐにヤられるのがオチだ」

 

 

「ほう・・・それで?貴様らの目的は何だ?」

 

 

「研究データの収集。その為なら私は手段を選ばない質でね・・・」

 

 

侵入者のリーダーらしき白衣を着た男は真剣でありながら、子供の様な無邪気な顔で断言した。

 

その男の狂気を垣間見たグィン将軍はしばらく熟考し、侵入者のリーダーに手を差し伸べた。

 

 

「よかろう・・・お前達に利用価値があるかどうか確かめさせてもらうぞ・・・・・・(使えなければ処理すればいいだけだ・・・)」

 

「そういえば・・・貴様の名はなんだ?」

 

 

凌馬(りょうま)・・・戦極凌馬(せんごくりょうま)・・・」

 

「見せてあげるよ・・・私達の力を・・・・・・」

 

 

戦極凌馬───かつて異世界からの侵略から生き残る為の技術開発を任された責任者であり、自身の科学技術で人間を神のステージまで高めようと目論んだマッドサイエンティスト。

 

しかし自身の研究に頼らず人間を超えてロード・バロンに進化した仮面ライダーバロン───駆紋戒斗(くもんかいと)との決闘に敗れ、生涯を終えた。

 

その狂気の科学者がこの世界の悪に接触し、再び暗躍を始める・・・。

 

 

 

 

 

 

〜END〜

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