仮面ライダーSPIRITS〜混沌の死者達〜   作:仮面ライダーハードエボル

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2023年初めての投稿です。


今年もよろしくお願いします。


EPISODE,06 狂気の公爵

side:診療所

 

 

「仮面ライダー2号・・・・・・」

 

 

仮面ライダー2号が現れた事で〝ウルフ〟に変身した乾や改造ゲリラに足軽達はその威圧感に思わず後ずさる。

 

 

「壊せェーー!!その道化共を血と鉄の塊にしろォーー!!!」

 

 

グィン将軍の号令が掛かり、改造ゲリラ達は顔の皮をはぎ取り、銃を乱射した。

 

しかしその弾丸は2号と〝ウルフ〟が身代わりになる事で後ろにいる滝や子供達を守った。

 

 

「・・・ガキにまで手ェ出してんじゃねぇよ」

 

 

「大丈夫か?」

 

 

銃弾を浴びてもビクともしない体に恐怖を覚えつつ、自分達を守った行動に真美は驚きを隠せなかった。

 

そんな彼女の戸惑いをよそに改造ゲリラと足軽達が襲いかかる。

 

チェイサーは銃を持った改造ゲリラを、〝ウルフ〟は足軽達を、2号は体の各部位から隠し武器を出した改造ゲリラ達をと示し合わせた様に動いた。

 

チェイサーは飛び交う弾丸を躱して〝ブレイクガンナー〟で銃を撃ち落としつつ、接近戦に持ち込む。

 

〝ウルフ〟は持ち前のスピードで足軽達を翻弄し、鋭利な爪で斬りつける。

 

2号は超人的なジャンプ力で高く飛び、投擲を受け止めながら改造ゲリラを牽制する。

 

 

「ウソ・・・・・・あれが隼人さんと乾さん・・・・・・」

 

 

そんな常人離れをした戦いを見ている真美は呆然としていた。そんな真美に滝は悲しげに語り掛けた。

 

 

「そうだよ・・・あれが一文字隼人・・・〝仮面ライダー2号〟と〝仮面ライダーチェイサー〟だ」

 

「見ただろ・・・あいつは今守った・・・あんたらを・・・ガキ共を・・・確かにあの姿になったあいつらはあの兵士達と同じ化け物かもしれねぇ」

 

「しかしよ・・・・・・あいつらの心は人間のままなんだよ・・・・・・」

 

 

そう言って滝は目の前で戦う3人を見て拳を握りしめながら心情を語る。

 

 

「一文字は怒りのスイッチが入ると顔面に傷が浮かび上がる・・・改造手術の名残でな・・・・・・。あいつはそれを見られるのを嫌った・・・異形の証を・・・・・・」

 

「平気じゃないんだよあいつは・・・一文字は・・・・・・どうしようもないくらい人間なんだよ!」

 

「チェイスや乾だってそうだ・・・チェイスは人間であろうと人間のルールを守ってる!乾は隠し続けていた正体を晒してまで戦っている!!」

 

「2人共一文字と同じだ・・・!チェイスは人間であろうと人間のルールを守ってる!乾は隠し続けていた正体を晒してまで戦っている!!」

 

「あいつらも一文字と同じだ・・・あいつらの紅い腕や爪が血塗られているのは守る為だ!クソどもをぶっ飛ばす為の怒りの証なんだよ!!!」

 

 

「・・・・・・・・・」

 

 

滝の話を聞いた真美は視線を戦っている3人に向ける。あの3人がどんな過去を背負っているのかは分からない・・・しかし、それでも自分達を守る為に戦ってくれている事は理解出来た・・・。

 

 

 

 

 


side:2号

 

(あれが仮面ライダーチェイサー・・・強ェな)

 

 

仮面ライダー2号に変身して改造ゲリラと戦っている一文字は横目でチェイサーの実力を見ていた。

 

滝と本人から少し話は聞いていたが、ミニカーの様に小さいバイクやベルトを着けてから変身する所から今までのライダー達とはかなり異質であった。

 

そして今日まで一緒に診療所にいた乾巧・・・彼が〝ウルフ〟と呼ばれていた怪人である事実。

 

しかし、この国で活動していた間で彼が人間として必死で生きてきたという事は理解していた。

 

 

(あいつも俺と同じ・・・足掻く者だった訳か・・・・・・)

 

 

2号(一文字)は〝ウルフ〟となってまで戦っている乾巧を見て、嘗て人間の体を奪われた頃の自分を思い出していた。

 

その時、〝ウルフ〟と戦っていた数体の改造ゲリラ達が涙を流しながら苦痛の叫びを上げる。

 

 

「ギギ・・・・・・ァ・・・・・・アタマガ・・・イタイ・・・!!」

 

 

「コ・・・・・コロシテェ・・・・・!!」

 

 

「!?」

 

 

「イタイヨォ・・・・・ヒトヲコロスノモイタイヨォ・・・・・!!!」

 

 

「コ・・・・・コロシテェェェ・・・・・!!!」

 

 

「コ・・・コロ・・・ギギギギギ・・・・・!!!」

 

 

「・・・・・ウオォォォォォッ!!!

 

 

改造されても尚、人の心が僅かに残っていた改造ゲリラ達の声を聞いた〝ウルフ〟は顔を少し下に向け後、雄叫びを上げる。

 

その雄叫びと同時に〝ウルフ〟の脚が狼の後ろ脚のように変形し、先程よりも速い速度で改造ゲリラたちの元へ突進する。

 

その瞬間、ある者は〝ウルフ〟の体に生えている突起物の刃に切り裂かれ、ある者は突進の威力で体の一部が吹き飛び、ある者は〝ウルフ〟に掴まって地面に叩き付けられた。

 

この一連の動きは〝ウルフ〟にとって体感数秒の感覚だったが、他の者達からは一瞬の出来事だった。

 

 

(何だ今のは・・・・・一瞬で改造ゲリラ達をのシやがった!?)

 

 

(これが噂の〝ウルフ〟の実力ってわけか・・・・・!)

 

 

他の改造ゲリラや足軽達と戦いながら見ていた滝や2号は〝ウルフ〟の実力に肝を冷やした。

 

一方で泣きながら苦しんでいた改造ゲリラ達にトドメを指した〝ウルフ〟は自分の手を見つめながら居心地の悪い気分になっていた。

 

そんな〝ウルフ〟の心情を分かっているのか、ワザとらしい2人の拍手が響いた。

 

 

「フフフ・・・・・脳の弄りが足りてないのか、何故か兵士共の意識は苦痛を感じ、命令を拒んでたとはいえ、それでも強力な()()であった」

 

 

「まぁ本音を言えば君達のデータがもう少し欲しかったと私は思うがね」

 

 

そう言って来たのは戦車に乗っていたグィン将軍と、いつの間にか戦車の車体に座っていた戦極凌馬がいた。

 

その2人が出て来た事で改造ゲリラや足軽達が2人の元へ集まった事で滝達はこの国で起こった全ての争いの元凶だと理解する。

 

しかし、新たに現れた戦極凌馬の存在を知らない滝達は何者だと疑問を浮かべる。

 

 

「あぁ?何もんだ、お前・・・・・」

 

 

「おおっ!これは失礼したよ、仮面ライダー2号の一文字隼人にその友人の滝和也君」

 

 

「!」

 

「俺はともかく、滝の事まで知っているのか?」

 

 

「勿論知っているよ!嘗て君達がショッカーやゲルショッカーと戦った事やそれ以降にも7人の後輩達と様々な組織を壊滅させて来た事もね♪」

 

 

愉快そうに語った戦極凌馬は自身の腰に隠してたバックル───〝ゲネシスドライバー〟を装着し、レモンが施された特殊な錠前───〝レモンエナジーロックシード〟を構え、〝ゲネシスドライバー〟にはめた。

 

 

「申し遅れたね・・・・・私の名は戦極凌馬」

 

 

《レモンエナジー!!》

 

 

「君達と同じ・・・・・仮面ライダーだ」

 

 

《ロック・オン!!》

 

 

「変身!!!」

 

 

《ソーダ!!》

 

コポコポコポコポ

 

《レモンエナジーアームズ》

 

《ファイトパワー!ファイトパワー!ファイファイファイファイファファファファファイッ!!》

 

 

「仮面ライダーデューク・・・・・それが私の名だ」

 

 

戦極凌馬の頭上から大きなレモン型の物体が現れ、それが頭から被った瞬間に青いスーツが全身を覆う。

 

そこから奇妙な音楽と音声が流れ、それに合わせる様にレモンが部分的に別れ、上半身に鎧の様に装着した。

 

更に隠れていた顔が王冠や髭を模した仮面を被った状態で現れ、最後は右手に近距離や遠距離の対応が可能の弓型武器〝ソニックアロー〟が出てきた。

 

 

「仮面ライダー・・・・・だと・・・・・!?」

 

 

「そして君達が相手にしていた彼らは〝黒影トルーパー〟・・・・・私の創ったライダーシステムによって編成された量産型の仮面ライダーだ♪」

 

 

「量産型・・・・・!?」

 

 

戦極凌馬───仮面ライダーデュークが語った事に滝と2号は驚きを禁じえなかった。

 

仮面ライダーを名乗る者が人間を襲った事実もそうだが、仮面ライダーが大量に量産されている事もそうだった。

 

そこで〝ウルフ〟がデュークの正体に当たりをつけて呟いた。

 

 

「なるほど・・・・・お前は〝()()()()()()()〟かっ!!!」

 

 

「ご名答♪」

 

 

「ダーク・・・・・ライダー・・・・・?」

 

 

「そう!君達の様に人間の為に戦う者もいれば、私の様に自らの利の為に人間に仇なす者もいる。そういった者達は総じて()()()()()()()()───〝ダークライダー〟と呼ばれているのさ」

 

 

そう言って楽しそうに語るデュークは〝ソニックアロー〟のグリップを引き絞り、発出部分の〝エイミングスコープ〟にエネルギーが溜まり始めた。

 

そしてその標準が向けられたのは───真実達が1箇所に集まっている場所だった。

 

 

「ヤロォっ!!!」

 

 

それに気づいた〝ウルフ〟が急いで駆け付けて真実達の盾代わりになる事で防げたが、威力が高かったのか膝を着く〝ウルフ〟。

 

 

「ガァッ!!!」

 

 

「乾ィ!!」

 

 

「気にすんな・・・・・少し掠っただけだ!!」

 

 

〝ウルフ〟の無事を確認した滝は少し安堵したのか、ホッと息を吐く。

 

それを見た2号は真実や子供達を狙ったデュークの無慈悲な攻撃に怒りを覚えていた。

 

 

「デュークって言ったか・・・・・なぜアイツらを狙った?」

 

 

「君達の様な人種は情に弱いからね・・・・・こうすれば確実に当てられるんだよ」

 

 

「そんな理由で・・・・・!!」ギリッ

 

 

「言っただろ?自らの利の為に人間に仇なす・・・・・それが〝ダークライダー〟だとね」

 

 

「お前の様な奴が・・・・・仮面ライダーを名乗るなァ!!!」

 

 

そう叫んだ2号はデュークの元に走り出し、チェイサーもその後に続いた。

 

 

「さて・・・どうやら私にご指名のようだし、少し出だし無用で頼むよ」

 

「ふん・・・・・好きにしろ」

 

 

そう言ってグィン将軍に一言伝えたデュークは歩きながら2号とチェイサーへ向かう。

 

 

「フフフ・・・・・」

 

 

「ライダーパァンチ!!!」

 

 

「ハアァッ!!!」

 

 

デュークの元まで走り着いた2人はそれぞれ紅い拳と〝ブレイクガンナー〟を叩き込む。しかしデュークはそれを少し逸すだけで躱す。

 

躱された2号は超人的な反射神経で片足で後ろに飛び、ローキックを浴びせるがデュークは〝ソニックアロー〟でいなす。

 

チェイサーも直ぐさま追撃するが、デュークはこれも〝ソニックアロー〟と拳で受け止め、蹴りを一撃入れる。

 

 

「クソ、以外にやりやがる!!」

 

 

「ではこれはどうかな?」スウゥ──

 

 

思いのほか実力のかあった、思わず悪態を着く2号。その2号を更におちょくる様に、デュークの姿がスウゥっと見えなくなった。

 

 

「∑何っ!?」

 

 

「ステルスか!!」

 

 

「分かったからと言って、そう簡単に攻略は出来ないよ」

 

 

その宣言通り、透明になったデュークの攻撃に翻弄される2号とチェイサー。しかし2号の咄嗟の判断で地面の土を蹴り滑らす事で土煙を起こす。

 

その土煙により、透明になったデュークの動きが土煙で見える様になり、その一瞬を突いてチェイサーの〝ブレイクガンナー〟のナックルが入る。

 

 

「ヴゥ・・・・・流石は〝力の2号〟・・・しかし!!」ヴヴヴヴォン!!!

 

 

「同じ奴が・・・!?」

 

 

「いや、これはホログラムだ!!」

 

 

チェイサーの一撃を食らったデュークは直ぐ土煙の中に戻り、複数体のデュークが2人の周囲を囲っていた。

 

囲った複数体の内2〜3体のデュークが2人に斬り掛かる。2号とチェイサーは本体まで分からない為、避ける事しか出来ない。

 

その隙を突いた残りのデューク達が〝ソニックアロー〟で狙い撃ちし、〝ゲネシスドライバー〟のレバーを押し込む。

 

 

ピュゥンッ!!!

 

 

「「グワァッ!!」」

 

 

「ハハハハっ!!!」

 

 

カシュ!!!

 

《レモンエナジースカッシュ!!!》

 

 

「ハァっ!!!」

 

 

「「ガアァァっ!!!」」

 

 

〝ゲネシスドライバー〟のレバーを押した事で《レモンエナジースカッシュ》と響くと同時に〝ソニックアロー〟刃部分のアークリムが檸檬色に光り始める。

 

アークリム全体が檸檬色に染まったと同時に、デュークが〝ソニックアロー〟を真横に振るう。その瞬間、その軌跡に沿うようにレモンの断面の様なエネルギーが拡がり、2号とチェイサーを吹き飛ばす。

 

 

「一文字!!チェイス!!」

 

 

「問題・・・・・ないっ!!」

 

 

「騒ぐな滝・・・・・ちょっと擦りむいた程度だ」

 

 

「擦りむいた程度か・・・・・良くそんな強がりが出来たものだね・・・・・」

 

 

「ククク・・・・・全くその通りだ」

 

 

吹き飛ばされ、地面に転がった2人を無様だと言う様に見下すデュークとグィン将軍。

 

 

「それにしてもライダーシステムか・・・・・改造を受けているミスクリエーション(出来損ない)とは違い、誰でもその力を手にするとは・・・・・」

 

「素晴らしい!!我が兵士共がそれを使う事になれば更なる力が手に入るぞ!!!」

 

 

そう言いながらグィン将軍は自分の顔の皮を引っ張り、おぞましい姿を晒した。

 

顔は蜘蛛の複眼が3つあり、口は蜘蛛の牙が2本、背中からは蜘蛛の足が6本生えてきた。

 

 

「ククク・・・・・それにしても憐れなものだな。〝赤い拳の悪魔〟に〝ウルフ〟・・・・・両軍の兵士共の武器を取り上げて無理やり争いを止めてた事からそう呼ばれていただけなのになァ・・・・・」

 

 

「そ・・・・・そんな!」

 

 

一文字と乾巧がそう呼ばれていた理由を知った真実は空いた口を閉じれずにいた。何も知らなかったとは言え、2人を憶測だけで悪く言っていたのは事実だった。

 

 

「その軟弱さ・・・・・そして脆弱さ!!私が最も嫌うもの」

 

「よって此処で処分する!!!」

 

 

そう吐き捨てたグィン将軍───蜘蛛怪人は口から糸を吐き飛ばし、立とうとしていた2号とチェイサーを巻き付ける。

 

2人は抜け出そうともがくが、抜け出す事が出来ず、逆に更に締め付けられる。

 

2人を締め付けた蜘蛛怪人は糸が繋がったまま釣り糸の様に振り上げ、〝ウルフ〟の頭上へ振り落とす。

 

 

ズガァァァン・・・・・!!!

 

 

「一文字ィ!!チェイスゥ!!乾ィ!!」

 

 

叩き付けられ、砂塵の舞う場へ駆け寄る滝。そこには変身が解け、元の人間の姿で倒れる3人がいた。

 

 

「隼人さん・・・・・乾さん・・・・・!!」

 

 

「まぁ・・・・・頭に血が上っていればこんなものか・・・・・」

 

 

「クククク・・・・・」

 

 

 

 


 

side:???

 

 

──ウイィン──ウイィン──

 

 

 

 

〜END〜

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