変身ヒロインですが悪の手先です   作:ちゅぴま

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思いついたものを超特急で仕上げた作品です
生暖かい目でご観覧ください

誤字脱字等があればご報告お願いします


スパイか…やだな…

風が吹く摩天楼。立ち並ぶ街灯が夜の街を照らす中、ビルの屋上に不気味な人物が立っていた。見れば180cm近い高身長、だが羽織っている外装の上からでも確認できる程に細い身体をもつ白髪の老人。彼はある組織の一員だ。

 

 

「フッフッフ…この街一帯に住む人間達から魔力を吸い上げ…」

 

 

秘密結社『聖黄金の星』

その全貌はイギリス発祥の悪の魔術組織。魔術で世界を支配する事を目標に掲げ、日夜暗躍を繰り返している。更には表社会の複数の企業、組織を裏で操っており現実社会に於いてもそこそこの発言力を持つ。しかし、何故そんな組織が今日までその目標を達成出来ていないかというと…

 

 

「そんな事、私達がさせません!」

 

 

タン、と反対側から音がした。見れば淡い赤のインナーに赤の装甲を纏った、桃色の髪をした少女の姿が。ああまたお前かと男はため息をつく。多数のヘリが既にビルの周囲を飛び回っており、男と少女の姿をライトで照らす。

 

世界政府直属の組織『特殊事案部隊(Special. Case. Force. )』通称『SCF』。超常的な事件を取り扱う専門の組織だ。聖黄金の星とSCFは既に何度も交戦しているが、互いに目的を達成できず捕縛できずの鼬ごっこを繰り返している。

 

 

「またまたお主か…『機械魔術武装(Mechanical. Magic. Armed. )』だったかの。他に種類は無いのか?お前さんのゴリラファイトも見飽きてしまってな…」

 

 

杖を向けながら問い掛ける

『M2アームズ』、少女の纏うソレの名前。機械的な観点から魔術理論を構築し、媒体に封印。そして適した魔力特性を持つ者が起動コードを読み上げることで起動する。M2アームズはシステムコードを口にするだけで媒体に封印された力を自動的に処理、出力する事で使用者の思考リソースを戦闘行為にだけ注ぐことができる。

 

 

「ゴ…!?女の子に向かってそんなこと言う!?普通に考えてさァッ!!」

 

 

しかし、実用化に至ってるのは少女『赤峰 桜』の1号機のみである。徒手空拳がメインウェポンである桜は強く踏み込み、風が舞い上がる程の速さで懐に潜り込み男に拳を突き出し………

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

高級ホテルの一室にて、白髪の老人が同じく白髪ーー少女は方は絹のように綺麗だがーーを持った少女に看護されていた。

 

 

「父さん、もしかして馬鹿?」

 

 

私は帰ってきた父の腰に腰痛にスーッと効く事で有名なハロンパスを貼ってあげていた。いや、戦闘は遠見の魔術で見てたけどまさか戦闘中にぎっくり腰に襲われるなんて……フッフッフ…とかノリノリでやってたのに酷いなパッパ

 

 

「いやぁ面目ない…まさかギックリ腰になるとは…」

 

 

対して父は白髪を震わせながら苦しそうに顔を突っ伏していた。何せぎっくり腰になったとしてもSCFは容赦せず殴りかってくるのだ。まあそれでも父は普通に捌いていたけど。…頭おかしいのでは?

 

 

「して、『アイリス』。準備はできたかの?」

 

 

と父は聞いてくる。父、といっても記憶喪失の私を拾ってくれただけなのだが、私が勝手にそう呼んでいるだけだ。アイリスという名前も父さんがくれた。

 

 

「うん、出来てる。SCFへの潜入…確かあれでしょ、メカニックマジカルアーマーだっけ。あれを使える適性が私にあるんでしょ?」

 

 

以前聖黄金の星がSCFの支部を襲撃した時に記録されていたデータ。2Mアームズ2号機の運用に必要な魔力適性が私にはあった。といってもそれは理論上であり実際はどうなるか分からない。まあ失敗したら帰ってくるだけなんだけどね。失敗しねえかな…

 

 

「…若干違うがまあいいだろう。」

 

「なんだよヨボヨボジジイ」

 

なんか腹が立ったので腰に指を押し付ける。こう、グリグリって。

 

「ッ!?やめんかアイリス!グリグリやめんか!痛いから!ホント止めなさい!!」

 

 

と父が喚きだしたのでやめてあげることにした。いや、流石に酷いことした自覚があったのでお詫びとしてお茶を出す。父は茶を好んで飲むから大体のことはこれで機嫌を良くしてくれる

 

 

「おお…すまんな。しかしさっきのは痛かったから許しはせんぞ?」

 

ダメだった。

 

「…そ、それで私はどうすればいいんだっけ?潜入」

 

 

多少ムリがあるが話題転換をしかける。このままでは稽古に付き合わされる…!というかこの人魔術師の癖にリアルファイトの方が強いのなんで?

 

 

「なに、普通にほっつき歩いておればよい。向こうから迎えに来てくれるだろうよ」

 

 

向こうから、という言葉に疑問を持つ。潜入なのだからこちらからアプローチしなければどうにもならないだろう。待つだけで迎えに来るってまさか…

 

 

「私の情報を売ったの!?」

 

「もちのろんじゃ」

 

 

その返答に流石の私も声が出ない。いや、使用できない2Mアームドに適性のある人物の情報が来たら…まあ確かめに行くか…?どうなんだろう…?

 

 

「…うん、まあ分かった。明日の朝からだったよね?始めるの。…せっかくだし今から昔話でもしない?」

 

 

潜入を開始するのは明日の朝から、始まったら暫く父とは会えなくなるだろう。今のうちに思い出話もすませておこうと思う。

 

 

「それもそうだな…お酌、頼めるか?」

 

「お酒はダメ」




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