変身ヒロインですが悪の手先です   作:ちゅぴま

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春になったと思ったら暑い…!


私は無害で無知な一般人

「アイリス!貴女を連行します!」

 

「私何もしてないけど…?」

 

 

赤峰ちゃんによる突然の宣言。連行、ということはやっぱり彼女はあの赤ゴリラだったようだ…私は君に騙されてとっても悲しいよ…。

 

 

「そ、そうだけど連れて行かなきゃいけないの!」

 

 

やる気満々な赤峰ちゃんには申し訳ないけどガチが付くほど行きたくない。今からでも回れ右してパパ殿の元へ帰ってゲームをしたい。

 

 

「抵抗するなら無理矢理にでも連れていくからね!」

 

 

グッと握り拳を作りながら私と向き合う赤峰ちゃん。仮に素手でやりあったとしたら顔面がボコボコになる気がするので素直に従おう…だがこれだけは言いたい。

 

 

「くっ、殺せ!」

 

「殺したりしないからね!?」

 

 

おお寛大なご処置……殺さないことは分かってたけど言質を取るともっと安心できるよね。なんてことを思っているたら私の腕はいつの間にかがっしりと掴まれていた。試しに動かそうとしてみたがビクともしない。本当にゴリラじゃんこいつ。

 

 

「ほらほら抵抗しないでねー」

 

「おっ!?」

 

 

って私を担いだ!?なんか手軽に担がれたんだけどどういうことなの…?乙女の体重は米国の極秘ファイルよりも重要だから明かせないけど人を担ぐだなんてどんな馬鹿力よ。

 

 

「それじゃあ、暫くじっとしててね?」

 

 

挙句の果てには片手でスマホを弄り始める赤峰さま。覗いてみれば内容は…メール?誰かと連絡のやり取りをしているみたいだ。内容は…

 

 

『司令!さっきの話の人捕まえました!』

 

『え?本当に?早すぎでしょ流石桜ちゃんだ。すぐに回収班を向かわせるから待っててね。』

 

『了解です!』

 

 

なんだこの文面は、世界政府直属の組織はこんなにも緩いのか。とメールの内容に度肝を抜かれていると公園のすぐそばに車が停止した。元から辺りを巡回してたのかやけに到着が早い。なんて思ってたら黒スーツにサングラスといういかにもな男が運転席から窓を開けてこちらにハンドサインを送っている。そして赤峰は私を担ぎながら車の方に移動していく。

 

 

「それじゃあお願いします!」

 

「!?」

 

 

赤峰の元気な声と共に後部座席に窓から投げ込まれる。これ完全に誘拐だよね?状況に混乱していると赤峰も後部座席に乗車してこようとしたのでしっかりと座り直す。

 

 

「いやーもっと抵抗されると思ってたよー」

 

「赤峰さん、これを」

 

「あ、はーい」

 

 

赤峰が黒服からハンカチを受け取る。手拭きとかそういうのかな…よく分からない。まーこれから連れていかれるであろう場所の事を考えることに集中したいから気にもしないが…

 

 

「アイリスー」

 

「ん?なn…ッ!?」

 

 

私の名前を呼ぶと同時に口元にハンカチを押し付けてきた。少ししたら意識がとおくなって……

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ハッ、夢!?」

 

 

…いいや、現実だ。身体を起こしながら状況を整理する。しかしあれが正義の味方のすることか…?否、無駄な先入観があったようだ。認識を改めておこう。

というか服もいつの間にか入院患者が着るような衣服に変えられている。それに身体もほんのりいい香りがしてるから、お風呂に入れられたのらしい。

 

 

「あ、アイリスおはよー!」

 

「来たねレッドゴリラ」

 

 

扉を勢いよく開けて入ってきたのは赤峰。ここには私が寝かされていたベッド以外何も無い真っ白な部屋だった。ので赤峰の桃色の髪が目立ち過ぎるし間抜けそうな声と相まってすぐに分かった。

 

 

「レッドゴリラって…酷くないですか司令ー!?」

 

 

赤峰が入ってきたドアの方に声をかけると、アタッシュケースを持った男が入ってきた。黒髪ポニーテールの糸目…こいつ明らかに敵だろ。肝心な時に裏切ってくるヤツ。いやSCFの敵となると私たちの味方になるのか?ともかく、彼がSCFの司令官らしい。

 

 

「アハハー、桜ちゃんの腕力なら言われてもおかしくないね」

 

「そんな司令まで〜!」

 

「と、お巫山戯はここまでとして桜ちゃんは外で待っててね?」

 

「はーい」

 

 

眼前で妙なコントが繰り広げられた私は苦笑いでしか場を流すことが出来ない。こういう状況ってどうすればいいのさ。答えを知っているやつがいたら是非とも聞いてみたい。

 

 

「それで、君がアイリス・アンリバーだね?

僕は神崎 宗助。ここSCFの司令官だ、よろしく」

 

「よ、よろしくお願いします?」

 

 

挨拶の握手をしたところで話は本格化していった。まず最初に無理やり連れてきたことへの謝罪。次に自分たちがどういった組織でどういう理由で連れてきたことによる説明だ。かいつまんでいえばSCFは特殊な事件を解決する組織で、私にはそういったものへの適性があるから協力してほしいとのこと。

…全部知っているから特に驚きはないけど驚いた風を装っておく。

 

というかM2アームズの事とか戦う事に言及しない辺りこいつかなり黒いぞ。お、続けてなんか言ってるようだ。

 

 

「それででね。機密事項を知ってしまった君には現時刻を以て行動制限がかけられます、ました。」

 

「…え?」

 

当たり屋もびっくりな理不尽さだよこれ。自分からペラペラ喋っておいて被害被ってんの私なんだぞ。何まるで私がいけないことしちゃったみたいな流れでおっそろしい事言ってくれてんの?

 

 

「ここで君には2つの選択肢があります。

まず我々SCFに所属する。すると行動制限は解除される。

次に機密保持の為に一生拘束される。娯楽はほぼ無し。

ああ、妙な真似はしないでね?僕達も真っ白な組織じゃないから」

 

 

うーん…だいたい理解かった。選択肢以外を選ぶとご臨終になるやつだ。それに今の私は路上生活者の1人っていう設定だ。消えても問題にならないからマジでやるだろう。

 

 

「私にほぼ選択肢ないですよね、それ」

 

「え?そうかなー?」

 

「………」

 

 

…初めから答えは決まってたけど、改めて口にするとなると緊張してくる。フリだとしてもなんかドキドキしてくる。…あーもうヤケクソだ。

 

 

「分かりましたよもう!所属する!します!!これで良いんでしょッ!?」

 

「うん、改めてよろしくね。アイリスちゃん」

 

「…なんか緩くないですか?この組織」

 

「まあまあそこは気にしなくていいよ。それじゃ」

 

 

純粋な疑問を流しながら神崎は私にアタッシュケースを開けて見せる。そこで私の目に入ったのは深海を思わせるような青の宝石、それが埋め込まれているブレスレットだった。手に取っていいよと言われたので持ってみると思いの外軽かった。恐らくこれが…

 

 

「これって何ですか?」

 

「それが君の仕事道具、M2アームド。使い方はこれからの事を含めてこのファイルに纏めておいたから1文字も余さず読んでね」

 

 

そして、次に渡されたのは…眩暈がしてきそうなほどに文字が書き込まれた紙の束だった。枚数を軽く数えるが……うん、やめよう。気持ち悪くなってきた。こういうのは残りを数え始めて億劫になるやつだ。なんて考えていたら

 

 

「あ、それ読み終わったらすぐに試運転を始めるからよろしくねー」

 

「……これが噂のブラック企業ってやつ?」

 

 

結局この後寝落ちするまで読み込んだけど全体の半分も読み終わらなかった。あと私が寝かされてた所は敵を捕まえておく為の部屋らしく後でしっかりとした部屋が割り当てられた。




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