ブリタさん可愛がり   作:ミソカッスン

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100話・火急の知らせ

 「はぁ!?なにコイツの態度!?」

 

 高級ホテルに用意された部屋の中で、遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモート・ビューイング)を用いパーティ会場を覗いていたブリタが、レメディオスの態度に不満を漏らした。

 ちなみに、本来は遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモート・ビューイング)では音声までは聞こえないのだが、魔法を併用することでそれを可能にしている。

 会場に招待されるのは面倒でも興味が無いわけでは無い。【鉄の闘志】はまるでテレビ中継でも見るような感覚で会場を観察していた訳だが、そこで起きた事件がこれだ。

 

 「確かに、立場ある人間の態度では無いですね。とはいえ、貴族社会では良くあることなのかも知れませんよ?アルシェも慣れているかも。もう少し成り行きを見てみましょう」

 

 モモンガにとっては、ハプニングもスパイスの様だ。

 ブリタは頬をぷっくりと膨らませながら、鏡に向き直り事の成り行きを見守る事にした。

 

 

 

 

 

 

 「それに貴さ―――貴女は第6位階の魔法を使えるそうだが、それで亜人たちを駆逐出来るとは思えん。一体どんな手品を使ったのだ?」

 

 問われ、アルシェは暫く呆けたが、手札までばらされた以上隠しだてしてもしょうがないと考え、素直に方法を説明することにした。

 

 「先ず、魔法で適地を偵察し、魔法の射程ギリギリの場所に転移する。長距離から広域魔法を用いある程度数を減らす。その後把握しておいた敵のリーダー各の元に転移し高威力の魔法で攻撃する。大体これで終わり。向かってくる敵を殲滅し、魔力が枯渇しそうになったら転移の魔法で王国まで逃げる、そして魔力が回復したら再び同じことを繰り返した」

 

 アルシェの説明を聞き、3人の貴族たちはゴクリと生唾をのんだ。

 聖王国の貴族の多くは魔法が使える。収めているのは信仰形の魔法で第1位階か第2位階が殆どだが、威力系魔法についても知識が無いわけでは無い。そんな彼らの知識と照らし合わせてみてもアルシェの説明した方法がいかに恐ろしいかが分かった。不可避の速攻からのヒットアンドアウェイ。魔法に対抗できる手段が無ければ相手がいくら強くても無意味なのだ。

 

 貴族たちが想像に身を震わせていると、レメディオスはフンと鼻を鳴らした。

 

 「冒険者らしい卑怯な戦法だ」

 

 アルシェを見下ろす様に、いや、見下す様に腕を組み、憮然とした表情を浮かべるレメディオスを呆気ながら見ていた貴族たちは、遂にアルシェを擁護し始めた。

 もし、彼女の発言が全て本当で、その矛先がこの国に向くような事になれば、国が亡びる事になりかねないのだ。

 

 「いやいや、素晴らしいではありませんか。同じ第6位階魔法の使い手と名高いフールーダ・パラダインとてそうは行きますまい!」

 

 「しかりしかり」

 

 「大体レメディオス殿。彼女は北部の貴族や聖王女様が招いた客人、いや、恩人でしょう。それなのに先ほどからの貴方の態度はいただけませんぞ?」

 

 「何を言う、私は本当の事を――」

 

 「ご報告申し上げます!!」

 

 レメディオスの抗議は、突如会場に入ってきた1人の聖騎士の発言に遮られた。

 

 「エイヴァーシャー大森林にて巨大な樹のモンスターが暴れているとの事!そのモンスターから逃れる為に大量のモンスターや亜人共が此方に流れてきているようです!」

 

 

 

 

 

 

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