ブリタさん可愛がり   作:ミソカッスン

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103話・対峙する時

 「今、【鉄の闘志】と連絡を取った。我々は騒動の元凶になっている樹のモンスターを討伐に向かう」

 

 「お、お待ちください!騎士団長の態度でしたら国を代表して謝ります。ですからどうか、お考え直し下さい!!」

 

 カルカは再び頭を下げるが、アルシェは静かに首を横に振った。

 

 「別に彼女の態度は関係ない。貴方にとってこの国が大事なように、私にも大事な者たちがいる。私は彼女たちの為に死ねない。それだけ」

 

 「……この国が亡べば、いえ、亡ばなくとも大きな被害を受ければ、先ほどの目録の品をお渡しするのは難しくなりますよ?」

 

 「それは仕方ない。貰える物なら貰いたかっただけ。命より大事ではない」

 

 「……く」

 

 カルカは下唇を噛み、拳を握った。彼女にはこれ以上アルシェを説得する材料は無かった。

 

 「それでは私は行く……」

 

 アルシェは転移の魔法を唱え、その場から姿を消した。

 

 アルシェが姿を消したその後に残されたカルカは、直ぐに顔を上げ指揮を執り始めた。彼女にはその場に項垂れる事さえ許されないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「モモンガさん、お待たせ」

 

 アルシェが【鉄の闘志】と合流したのは、聖王国のホテルでは無く、トブの大森林の拠点の前だった。事前の伝言の魔法でこの場を集合場所として伝えられていたからだ。

 アルシェが合流ポイントに着くとブリタは厳つい赤黒い鎧に身を包んでおり、以前見かけた男女もそれぞれ臨戦態勢と言った感じだった。

 

 「うむ。早速だがアルシェ、これに着替えてくれ」

 

 モモンガは現在アルシェが装備出来る最強の装備を手渡した。アルシェは手渡された装備を手に直ぐに拠点の内部へ向かうと、今まで来ていた式典用のドレスから魔法詠唱者用のローブへと着替えた。

 アルシェが拠点から出ると、直ぐに今回のレベル上げの簡単な説明が行われた。

 

 モモンガが樹のモンスターを弱らせた上で拘束、それにクレマンティーヌ、ブレイン、アルシェがそれぞれ攻撃を加えた後、ブリタがトドメを刺す、それだけだ。

 説明を受けたブレインが質問の声を上げた。

 

 「モモンガ様よ。そんなんで本当に俺らは強くなれんのか?」

 

 「それも含めての実験だ。弱めた上でトドメを刺せば経験値は貰える。それはカッツェ平野のレベル上げで証明済みだ。だが本来、戦闘に参加したもの全員に経験値は割り振られる筈なのだが、この世界でも同じ仕組みなのかは実験してみないと分からないからな」

 

 「ふ~ん。まぁ、俺は強くなれるならそれで良いがな」

 

 「では、全員準備は良いか?良いなら全員にバフをかけるぞ?」

 

 モモンガに問われ3人は首を縦に振った。

 

 全員に支援魔法を掛け終えたモモンガは樹のモンスターから十分な距離を取った位置に転移門を開いた。転移門をくぐる前に除き対策に攻性防壁を展開し、探知魔法で周辺にこちらを伺う者がいないかを確認する、その様な者が居ない事を確認したモモンガたちは転移門をくぐった。

 

 

 

 

 





 近くにスレイン法国の者たちが居ない理由は、竜王たちが駆けつけた際に今回の騒動が自分たちと無関係と説明するための保険。
 また、傾城傾国の有効距離や時間が分からなかったので無限としました。
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