「おお!やはりあの樹のモンスター、かなりの経験値をくれたみたいですね。ブリタさんのレベルが70ぐらいまで上がってますよ」
トブの大森林の拠点内で、モモンガは魔法でブリタのレベルを測定し、それを本人に告げた。
「れべる70?難度で言うとえ~っと……210ぐらい?…いや、そんな難度聞いた事無いけど?かつて暴れん回ったていう魔神より高いんじゃない?」
「魔神っていうとプレイヤーと一緒に来たって言うNPCですよね?ガチ勢が転移して来たのならNPCのレベルもカンストしててもおかしくないんですけどね。6大神ってのはそれほど熱心なプレイヤーじゃなかったのかなぁ」
モモンガが首を捻っていると横から声が掛かった。
「モモンガ様、それより俺のれべるも測定してみて貰えますか?」
ブレインだ。ブレインはレベル上げの結果を知りたくてそわそわしていた。待ちきれなくなった彼は遂にモモンガに催促し、不敬だとクレマンティーヌに頭を小突かれている。
「そうだな。私もお前たちのレベル上げの成果があったか気になるところだ。調べてみよう」
モモンガは特にブレインの不敬を咎めることも無く、直ぐにブリタに使った幾つかの魔法をブレインにも掛けた。
「お、喜べブレイン。お前のレベルも上がっているぞ。今のレベルは50越えって所だな。難度で言えば150と少しだな」
「150………」
ブレインはモモンガに告げられた数値を反芻し、喜びから拳を振るわせた。
「ついでだ、クレマンティーヌとアルシェのレベルも計測しておこう」
「ありがとう御座います」
深く頭を下げるクレマンティーヌの後ろでアルシェもペコリと頭を下げた。
測定の結果、アルシェはレベル60前後。クレマンティーヌは55前後だと判明した。
「こうなってくると特訓の相手が死の騎士では物足りないだろう。後で上位アンデッド創造で別のアンデッドを創造してやろう。デスナイトは警備にでも回せば良いだろう」
「ありがとうございます」
「アルシェには第7位階以上の魔法を教えよう。本来なら第8位階の魔法が使えても不思議ではないレベルだが、今までの傾向を考えると第7位階までは直ぐに覚えられるが第8位階の魔法は時間が掛かるだろう。とりあえずは第8位階の魔法も教えるが、知識として覚えておいてもらえれば良い」
「分かった。がんばる」
アルシェは力強く頷いた。
「さて、これからの活動ですけど、レベル上げもしましたし、また暫く休暇にしますか?」
モモンガに問われたブリタはほんの少し考えた後、首を横に振った。
「今回は別に疲れてないから休暇は良いわ。最後にハンマー振っただけだし。それに聖王国で十分に休暇も取ったしね」
「そうですか。それじゃどうしましょうか?流石にレベル上げに適した敵がホイホイと現れてくれるわけも無いですし、久しぶりに冒険者組合に顔を出して以来でも受けますか?」
「今更エ・ランテル周辺でモンスター討伐って言うのもねぇ……暫くはクレマンティーヌやブレインと一緒に特訓でもしておくわ。急に上がったれべるとやらにも慣れて置きたいし」
「分かりました。ブリタさんの分のアンデッドも創りますね」
モモンガは上位アンデッド創造のスキルを使い3体のアンデッドを創り出した。
「死の騎士とは違いそいつらは時間経過で消滅します。素体さえ見つかれば上位アンデッドも時間制限を気にしなくとも済むんですけど……」
「ふーん。まぁこんなのに一日中近くに居られても落ちつかないから、私は時間制限付きで構わないけどね」
「そうですか?見慣れれば案外可愛いと思いますけど」
死を体現したかの様な不気味なアンデッドの頭を撫でるモモンガに、ブリタは肩を落とした。
「本当、センス悪いわよね、モモンガって―――」