ブリタさん可愛がり   作:ミソカッスン

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11話・赤いポーション

 別動隊が引き付けていた陽光聖典は投降を拒み、ブリタによりあっさりと殲滅させられた。その祭、勇ましくも引き返して来た兵士たちやガゼフが魔法詠唱者(マジック・キャスター)に止めを刺したため、ブリタの経験値が減ったとモモンガが愚痴ているのをブリタは苦笑混じりに眺めていた。

 全てが片付いて、ガゼフたちが王都に戻る事になった際、【鉄の闘志】も王都に付いて来て欲しそうにしていたが、二人はそれを断った。モモンガもブリタも面倒事は御免のようだ。二人は報酬として、金貨5枚と銀貨26枚、銅貨を数枚。それと約束通り陽光聖典の持っていたマジックアイテムを貰う事になった。とは言っても目ぼしいアイテムは魔封じの水晶だけだったが、これの価値を知るのはこの場ではモモンガだけだ。ガゼフは報酬が少ないことを申し訳なさそうにしていたが、魔封じの水晶を王国の魔術師組合にでも持っていけば金貨数万枚になるだろう。一冒険者には一生かかっても稼げない金額だ。とはいえモモンガに魔封じの水晶を売るつもりは無い様だ。

 帰路につく王国の兵士たちを見送った【鉄の闘志】の二人は、少しの間カルネ村の復興に()()()()手を貸してからエ・ランテルに帰還した。

 

 

 エ・ランテルに帰還した二人がトロールの討伐証明部位を冒険者組合に提出する際ちょっとした騒ぎになるなど、小さな騒動はあったが二人は無事に常宿である安宿に戻ってくることが出来た。

今はモモンガがブリタにこの国の文字を教わりながらのんびりと過ごしている。モモンガとしてはブリタのレベル上げをしたかったが、最近色々あって疲れたから休みたいと言われればブラック企業の辛さを知っているモモンガとしては断れなかったからだ。モモンガが書き取りをしているとブリタが不意にこんな事を聞いてきた。

 

 「そう言えば、カルネ村の少女に渡したポーションって、赤かったけど何か特別な物だったの?」

 

 モモンガは首を傾げて、質問に質問で答えた。

 

 「普通のポーションって赤くないんですか?」

 

 「青いわね」

 

 詳しく話を聞くと、この世界のポーションは普通は青色で、回復の効果も赤いポーションより劣るらしい。さらには時間が経つと劣化してしまうとか。モモンガはインベントリから赤いポーションを取り出してなにやら考え込んでいる。

 

 「どうしたの?」

 

 「この世界……人間の世界で赤いポーションが手に入らないとなると少し困りましたね。まだまだストックは有りますがいつか尽きてしまう」

 

 (素材もユグドラシルのアイテムばかりだ。この世界で再現が可能だろうか?)

 

 さてどうしたものかと考えていると、意外にもブリタが打開策を提案してきた。

 

 「だったらバレアレ薬品店にその赤いポーションを持ち込んでみる?」

 

 「バレアレ薬品店?」

 

 聞き覚えの無い店の名前にモモンガが尋ね返すとバレアレ薬品店についてブリタが簡単に説明してくれた。

 

 「その店の店主のリイジー・バレアレはエ・ランテルで最高の薬師として有名よ?ひょっとしたらその赤いポーションを解析して生産できるかも知れないわよ?」

 

 しかしモモンガの反応は芳しくない。

 

 「う~ん、メリットよりデメリットの方が大きい気がしますね。それに出来れば技術は囲いたいんですよね。とはいえ他に手もなさそうなのも事実ですし……う~ん」

 

 「ま、焦らずにじっくり考えたら?というかそもそもアンデットってポーションで回復出来るの?」

 

 「いえ?寧ろダメージが入りますね」

 

 「何よそれ、だったらますます急ぐ必要なんてないんじゃない?」

 

 「私はそうですが、ブリタさんは必要でしょう?そういえばポーションは渡してなかったですね。5本ほど渡しておきます」

 

 モモンガはポーションを取り出すとそれをブリタに渡した。

 

 「良いの?たった今ポーションの在庫の話をしていたばかりなのに」

 

 「先ほども言いましたけどポーションのストックはまだまだあります。今すぐどうこうなる数じゃありませんが、はやり早急に手を打つべきですね。明日、そのバレアレ薬品店のリイジー・バレアレさんを訪ねてみましょう」

 

 「ん、了解。付き合うわ」

 

 ブリタはニマニマしながらポーチにポーションをしまった。

 

 

 

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