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モモンガは隊長と呼ばれた男から巻き上げた防具に鑑定の魔法を掛けた。
「やはりユグドラシルのスキルで創られた防具の様だな。効果は時間系魔法抵抗に状態異常系抵抗……微妙だな。中位のモンスターからドロップするアイテムよりはややマシと言ったところか……6大神は無課金プレイヤーの集団だったのかも知れないな」
巻き上げた防具から興味が失せたモモンガが、インベントリにそれらを突っ込んでいるとクレマンティーヌが声を掛けて来た。
「モモンガ様、こちらの処理は終了いたしました。此方がご所望のわーるどアイテムに御座います」
クレマンティーヌは綺麗に畳んだチャイナ服をモモンガに差し出す。
「うむ、ご苦労。まさかこんなに簡単にワールドアイテムが手に入るとはな。まぁ、ゲーム末期にはワールドアイテムの価値も大分暴落していたからな。むしろ6人もいて1つしか持ってないのは少ない方かも知れんな……ん?」
傾城傾国を受け取ったモモンガは、それを手渡して来たクレマンティーヌを見て僅かに驚いた。モモンガは戦闘時に相手の力量を計るために魔法を使用していたのだが、その効果時間が未だ切れておらず、それがクレマンティーヌに作用したのだが、クレマンティーヌのレベルが明らかに上がっていたのだ。
戦闘前のクレマンティーヌのレベルはおよそ55。それが今や60を超えている。隊長と呼ばれた男のレベルが65前後だった。明らかに経験値が今までの相手より多いように思えた。
(そう言えば、アルシェのレベル上げをした時も多く経験値が貰えたな。……まさかPVP扱いになっているのか?だとしたらモンスターと戦うより人間を相手にさせた方が効率が良いか?)
一時期、ユグドラシルではモモンガも異業種狩りの対象になった。これは単に異業種が嫌われていただけではなく、経験値が美味いからだ。モンスターを倒すよりプレイヤーを倒した方が早くレベルが上がる。それがこの世界でも適用されている可能性があった。
「如何しましたか?モモンガ様」
「ん?いや、どうもクレマンティーヌのレベルが上がったようだ。今のお前のレベルは60前後だから5ぐらいは上がったことになるな」
「なるほど、それほど隊長が強かったということですね」
「まぁ……そうだな………さて、それよりもここに長居して別の人間に見つかっても面倒だ、さっさと樹のモンスターの素材も回収して帰ろう」
「一応、隊長とカイレ以外の3人は生かして捕らえておりますが、如何しますか?」
「別に聞きたいことも無い、処分しておけ。それと、その男と老婆の死体は上位アンデッドの素体になるかもしれんから回収しておこう」
「了解いたしました」
モモンガは捕らえた3人の元へ向かうクレマンティーヌに背を向けると、樹のモンスターを幾つかのパーツに分解すると。それらをインベントリに回収し始めた。