戦闘は1時間以上にわたって行われた。最後に立っていたのはエルフの王だった。
「はぁ……はぁ……手間を取らせおって。それにしても、いくら母体が良いとは言え予想を上回る力を有しておったな。明らかに他の塵どもとは出来が違った。こやつを母体として使えばより強い子が生まれるやも知れん。くくく、楽しみだ」
王は戦闘で痛めた体を庇うような動きをしながら、倒れ意識を失っている番外席次に近づくと、その頭に手を伸ばし、髪を引っ張りながら自らの居城へと彼女を連行した。
「ふむ、男の方が勝利したな。では予定通り作戦を決行しようでは無いか。クレマンティーヌ、ブリタさんを呼んできてくれ」
「はっ!」
クレマンティーヌは敬礼すると、ブリタを呼ぶためにその場を離れた。
直ぐにブリタを連れてクレマンティーヌが戻ってきた。モモンガは
「とんでもない屑ね。しかも今組み伏せてるのって実の娘なんでしょう?あり得ないわ!」
「でしょう?という事でコイツを倒せばレベルも上がって屑を1人始末出来て一石二鳥です。どうでしょうか?」
「オッケーモモンガ。相手が屑なら問題ないわ。でもコイツのレベルって90前後何でしょう?またモモンガが弱らせたところを私たちが攻撃するの?」
「番外席次が随分と体力を削ってくれましたからね。私が戦闘に参加して経験値を減らしてしまうのも勿体ないでしょう。今回はクレマンティーヌとブリタさんの2人で戦って貰います。なに、相手は先の戦闘で大きなダメージをくらってますし、装備でも此方が上です、問題は無いと思います。念の為に私は後方で待機しいつでも不測の事態に対処出来るようにしておきます」
「私とクレマンティーヌだけ?アルシェとブレインは?」
「今回は留守番ですね。経験値の分散は減らしたいですから。クレマンティーヌは一応法国の知識が豊富なので、何かの時の為に連れて行った方が良かろうと判断しました」
「でも大樹のモンスターの時はあの2人にもレベル上げさせてたわよね?」
「アレは実験も兼ねていましたからね。今回はもう検証を行う必要もないでしょう。さぁ、奴の体力と魔力が回復してしまう前にサクっと乗り込みましょう。接敵したら直ぐに最大火力で攻撃してください。クレマンティーヌ、お前もだぞ?」
「了解」
「畏まりました」
モモンガは2人が頷いたのを確認して転移門の魔法を使用した。
目的地は勿論、エルフの国の中枢だ。