ブリタさん可愛がり   作:ミソカッスン

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24話・救出作戦・3

 「よし、敵が釣られたわね。行きましょう」

 

 【鉄の闘志】はローブの男たちが【漆黒の剣】に意識を集中している間に建物の陰に隠れつつリイジーに近づく。意識は内容だが命に別状も無い様だ。モモンガがリイジーを抱え上げてその場を離れようとした時、柱の陰から人影が飛び出してきて、手にしたスティレットで刺突攻撃をモモンガに仕掛けて来た。モモンガは咄嗟に飛びのくがどうやら刺客の狙いはリイジーの様だ。モモンガの反応が遅れたためにこのままではスティレットはリイジーの喉を突き刺さろうとした瞬間、ブリタが間に入り大剣でスティレットを防いだ。

 

 「へ~、今の攻撃を防ぐなんて、やるじゃん」

 

 刺客はローブを着てフードを目深にかぶっている為、姿は確認できないが、声からして若い女性のように思える。

 

 「……アンタ、何者?」

 

 「んふふ、内緒」

 

 女は楽しそうに嗤うと、再び刺突攻撃を仕掛ける。ブリタは大剣を横なぎにし、距離を詰めさせないように戦う。二人は暫く攻防を繰り広げて距離を取った。

 

 「このローブ、邪魔だなぁ」

 

 女はローブを脱ぎ捨てた。ローブの下から現れたのはやはり若い女だった。20歳前後ぐらいだろうその女は白い肌に金髪のボブカット、顔立ちは整っており猫を思わせる可愛らしさと、肉食獣のようなどうもさを感じさせる顔をしている。装備は軽鎧で動きやすさ重視といった感じだ。だが、何より特出する点はその鎧に無数の冒険者プレートが張り付けられている事だろう。

 

 「ハンティングトロフィーのつもりか?」

 

 モモンガ呟くと女はさっと腕で胸を隠した。

 

 「いやーん、そんなに見つめないでよエロスケベ~!……なんてね。直ぐにアンタたちのプレートもこれに加えてア・ゲ・ル」

 

 女はスティレットを舌なめずりして、光悦とした表情を浮かべている。

 

 「悪趣味な奴ね。これ以上被害者が出る前にここで倒してやるわ!」

 

 ブリタが大剣を振り下ろすが女はひょいとそれを避けて距離を取る。

 

 「アンタにそれが出来る?確かに膂力は大したものだけど、剣技は拙いし何より武技も大したものを持ってないでしょ?」

 

 「……」

 

 ブリタは黙って大剣を構える。確かに相手の言う通り、ついこの間まで武技を一つも使えなかった自分だ。

 

 「<能力向上>」

 

 ブリタは武技能力向上を使い先ほどまでよりも早く女に斬りかかる。女がそれを避けようとした瞬間、ブリタはさらに武技を発動させる。

 

 「<斬撃>!!」

 

 ブリタの斬撃のスピードがマシ、僅かにクレマンティーヌの肩をかすめた。

 

 「……本当にやるじゃん。この国で私の相手が出来る奴なんて、ガゼフか、青の薔薇か、他に数人ぐらいしか思い浮かばないけど。アンタこそ一体何者?」

 

 「内緒よ」

 

 先ほどの意趣返しだろうか、ブリタがそう答えると女は一瞬顔を顰めたがそれは直ぐに笑みに変わった。

 

 「調子に乗っているところごめんね~、私まだまだ本気じゃねぇんだよ。あんた如きが、この人外―――英雄の領域に足を踏み込んだクレマンティーヌ様に勝てるわけねぇんだよ!」

 

 吠えて、クレマンティーヌが腰を深く構えたところでブリタの後方から間の抜けた声が上がった。

 

 「何者かは内緒じゃなかったのか?」

 

 声の主はモモンガだ。

 

 「あ”?」

 

 「いや、人外のクレマンティーヌさんは丁寧に自己紹介したな、と思ってな」

 

 ブリタが笑うとクレマンティーヌは青筋を立てた。

 

 「ぶっ殺す!!」

 

 

 

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