拠点も設置し、クレマンティーヌの装備の鎧等を買い与え一息ついた【鉄の闘志】はブリタのレベル上げに戻る事にした。
「ブリタさん。大剣だともう職業レベルが上がりにくいので装備を変えましょう。次は槍ですね」
そう言ってモモンガが取り出した槍を手渡す。細かな装飾を施されたその槍は矛先が三つに割れており、刃と柄の繋部分を赤い布で巻いてある。ブリタはその槍を受け取り大剣をモモンガに返した。ブリタは何とは無しに受け取っているが、クレマンティーヌはその槍の価値を察し頬を引きつらせている。
「それと左手の指輪も交換しましょう。次はアゼルリシア山脈でのレベル上げになるので、寒さ対策ですね」
ブリタは言われるがまま指輪を交換する。
「アゼルリシア山脈ですか?となると
「うむ、その通りだ。今のブリタさんの適正レベルより少し高いぐらいのモンスターがレベル上げにちょうど良いからな。クレマンティーヌ、他に同レベル帯のモンスターを知っているか?」
モモンガに問われ、少し考えてからクレマンティーヌが答える。
「幾つか心当たりがあります」
「それは助かる。では我々がアゼルリシア山脈に言っている間にリストアップしておいてくれ」
「畏まりました」
クレマンティーヌが頭を下げる。
「ねぇ、モモンガ……本気でドラゴンと戦うの?トロールの時もビビったけど、今回はその比じゃないわよ?ドラゴンよ、ドラゴン!人の身で勝てる相手じゃないわよ!!」
改めて口にして、ブリタの不安が徐々に高まっていく。
「そんな事ないと思いますよ?クレマンティーヌに聞いた神人とかいう…え~っと、漆黒聖典大1席次である隊長さんとかなら全然1人で
「確かに、隊長なら可能だと思います」
「私にはぷれいやーの血何て流れてないのよ!!」
ブリタの話に最もだ頷くクレマンティーヌとは違いモモンガは別の見解を述べる。
「う~ん、多分ですけど神人って初期レベルが高いだけだと思うんですよね。この世界だとレベル上げって中々難しいみたいだし。でもブリタさんはちゃんとレベルが上がっているのでこの世界の住人もちゃんとレベルは上がるんですよ。だからこのままレベル上げをしていけばその神人とかって人たちより強くなれると思いますよ」
モモンガはハッハッハと気楽に笑い、ブリタは肩を落とした。そんな二人を横目で見ながら、クレマンティーヌは何やら考え込んでいる様だった。
「今のところ警戒すべきは竜王と呼ばれる存在と未知のタレント、それにスレイン法国が所持しているというケイ・セケ・コゥクというマジックアイテム……クレマンティーヌに聞いた能力と形状から間違いなくワールドアイテムである傾城傾国だと思います。これは厄介です。ワールドアイテムに抵抗できるのはワールドアイテムだけ、もちろん他にも対策の立てようはありますが。事前に存在を知らないと私は兎も角ブリタさんは簡単に操られてしまった可能性がありますね。その辺は情報をくれたクレマンティーヌに感謝しよう」
モモンガはそう言って自身の腹にあたる部分に不気味に浮かぶ赤い珠を撫でた。
「恐縮にございます。ところでモモンガ様、一つ質問をしても構いませんか?」
「ん?なんだ?」
「先ほどモモンガ様はこの世界の住人も強くなれるとおっしゃいましたが、人にはそれぞれ”壁”がございます。そしてその”壁”を超えて強くはなれないというのが定説でございます。話を聞く限りブリタはその”壁”を超えて強くなっているように思います。これは一体どういう事なのでしょうか?」
クレマンティーヌの言葉にモモンガは少し考えてから答えた。
「おそらくその”壁”というのは職業毎に存在するレベルキャップの事だな。一つの職業レベルは15までしか上げられん。おそらくそれが壁の正体だろう。とは言え2つ目の職業レベルは1つ目に比べて上がりにくいし、適性の無い職業レベルは極端に上がりにくい。世で才能が無いというのは、適性が無いという事だろう」
モモンガの答えにクレマンティーヌが目を見開く。
「で、でしたら!私……私もまだ強くなれるのでしょうか!?」
何か迫真のもの感じるクレマンティーヌの問いに、モモンガは素直に返答する。
「うむ。お前の場合はスティレットの方はもうレベルが上がりにくそうだ。モーニングスターの方は適性が低そうだな、見切りをつけて別の武器を試した方が良いんじゃないか?短剣や弓矢何かも良いな。盾も試してみろ、珍しい組み合わせはレア職への道だぞ」
クレマンティーヌはモモンガの言葉の意味が理解できなかったが、頭を垂れて礼を述べる。
「ご教授ありがとうございます。試してみます」
「うむ」
クレマンティーヌはいつまでも頭を下げていた。
ガゼフは大剣で得られる職業を2つ有しているという考え方で、モモンガは同じ武器だと職業の切り替え方が分からない感じ。独自設定と独自解釈大暴れです。
最初に述べた通りボーっとしながら読んでください。