ブリタさん可愛がり   作:ミソカッスン

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33話・霜の竜(フロスト・ドラゴン)(下見)

 【鉄の闘志】は10日程ゆっくりと過ごした。ブリタはグリーン・シークレット・ハウスでの休暇を堪能し、モモンガはクレマンティーヌのレベル上げに付き合ったり遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモート・ビューイング)を使ってアゼルリシア山脈の情報収集をしていたりした。

 休暇も情報収集も十分だと判断したモモンガは拠点の管理をクレマンティーヌに任せ、ブリタと共にアゼルリシア山脈に向かう事にした。ちなみにハムスケはエ・ランテルからトブの大森林に戻しており今回はクレマンティーヌと共に拠点で待機だ。

 モモンガが転移門(ゲート)を開くと【鉄の闘志】はアゼルリシア山脈の麓に転移した。

 

 「ねぇモモンガ。何でドラゴンの巣の近くまで一気に転移しないの?」

 

 ブリタのその問いに対してのモモンガが答えは意外なものだった。

 

 「どうせですから冒険を楽しもうかと思いまして」

 

 その答えを聞いてブリタはキョトンとした顔をした後、ひとしきり笑った。

 

 

 

 登山2日目、【鉄の闘志】はアゼルリシア山脈の中腹を超え6合目辺りの場所で、モモンガの拠点制作系の魔法で作り出された拠点の中で二人はを覗き込みながら何やら話をしていた。

 

 「それが霜の竜(フロスト・ドラゴン)?」

 

 鏡に映し出されていたのは4体のドラゴンだった。4体の内一際体の大きなドラゴンは財宝を積み上げて作られた玉座に鎮座しており、そのドラゴンがこの群れのボスだという事が窺える。どう見ても人工的に作られたであろう巣には巨大で頑丈そうな扉がありブリタはその扉の奥に興味を惹かれた。

 

 「ねぇモモンガ。ここってどう見てもお城よね?このドラゴンが作らせたのかしら?」

 

 「この城の作りはどう見てもドラゴン用には出来ていませんね。恐らく奪ったか、空き城に居座ったかしたんでしょう」

 

 「それもそうね。あの大きな扉の先は何かしら?」

 

 「見ますか?結構凄いですよ?」

 

 モモンガが鏡の視点を滑らせ扉の奥に視点を移す。そこには先ほどドラゴンが鎮座していた財宝など霞んでしまう程の金銀財宝が部屋いっぱいに置かれていた。

 

 「うわっ、凄!これ、全部あのドラゴンたちが集めたのかしら?ドラゴンがお宝好きって話は知ってたけどここまでとは」

 

 「多分違うと思いますよ?わざわざ財宝の上で寝る程財宝が好きならこちらの部屋を使う筈です。おそらくこの部屋はドラゴンたちが城に住み着いた時点で宝物庫として使われていたんでしょう。多分ドラゴンたちはあの扉を開けられないんじゃないですかね」

 

 「なるほど。……ねぇ、モモンガ。ドラゴンたちを倒したらこの財宝貰えないかな?これだけあったら一生どころか人生100回は遊んで暮らせそうじゃない?」

 

 ブリタはゴクリと唾を飲んだ。

 

 「う~ん、どうですかね。元々盗品みたいなものでしょうから、本来の持ち主にバレるとかなり面倒な事になりそうですし、その辺の下調べをしてその結果次第では手を出しても良いと思いますよ?ここはどう見ても城であそこにあるの財宝はどう見ても個人で所有するような物じゃなさそうです。相手は国とかそれぐらいの規模の団体でしょうから」

 

 「なんで変なところで常識的なのよアンタは。まぁ言ってることは尤もね。分かった、当面は諦めるわ」

 

 「それが良いと思います。今ドラゴンが寝床にしている方の財宝なら貰っても問題ないかもしれませんが、どうします?」

 

 「それって問題かもしれないって事でしょ?止めておくわ。ドラゴンの素材だけでもかなりの大金になるだろうし、欲張り過ぎは身を滅ぼしそうだもの」

 

 「分からました。では財宝は全て放置する方向で。それじゃ今日はもう休んで下さい。明日はドラゴンとの戦いが待ってますからね。別に問題なく倒せると思いますが疲れは取っておかないと」

 

 「ドラゴン4体相手に問題なく倒せるとか言うのはモモンガぐらいなものよ。それじゃ、おやすみモモンガ」

 

 「ええ、おやすみなさいブリタさん」

 

 (ドラゴンは全部で20体ぐらいいたけど、今は言わない方が良いかな……)

 

 ブリタはこれが野営であることをすっかり忘れさせるほどの拠点に設けられた自室に入り、モモンガは黙ってそれを見送った。

 

 

 

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