ブリタさん可愛がり   作:ミソカッスン

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37話・戦い(経験値稼ぎ)の終わり

 結果から言えば、服従を選んだドラゴンはたったの2匹だった。始めに服従を選んだキーリストランと、その息子であるへジンマールという他の個体よりでっぷりとしたドラゴンだけであった。残ったでドラゴンの中では一番体の大きいドラゴンがブリタに襲い掛かり、その時応戦するブリタの実力を見た他のドラゴンたちが全員で掛かれば勝てると踏んで一斉にブリタに襲い掛かったのだ。ブリタの実力だけならば確かにドラゴンが全員で掛かれば倒せたかもしれない、しかし、ブリタの実力に加えユグドラシル産の装備がドラゴンの攻撃の悉くを防いだ、自慢のブレスは完全に無効化され、爪での攻撃も大したダメージは与えられず、敵対を選んだドラゴンたちは敗れた。

 ブリタが激闘を終え、2匹のドラゴンとモモンガを見やると、モモンガは何やらぽっちゃりドラゴンの贅肉をムニムニして遊んでいるところだった。

 

 「ちょっと、人が戦っている時に何遊んでんのよ」

 

 「あ、終わりましたか?見て下さいよブリタさん。このへジンマールとかいうヤツ、他のドラゴンと見た目が違いますよ。レアですよ、レア」

 

 何やらほんの少しだけ機嫌が良さそうなモモンガはへジンマールの腹?の肉をムニムニしながらのままブリタに報告する。

 

 「いや、ただのデブでしょ?で、キーリストラン。ドラゴンはコレで全部?」

 

 『はい。少なくともこの城にいるドラゴンはこれで全てで御座います』

 

 それを聞いてブリタは両手を上に上げ、伸びをしながら安堵の声を漏らした。

 

 「あー、終わった!疲れたー……暫くはまた休みたいわね」

 

 「いやいやブリタさん。このアゼルリシア山脈には霜の巨人(フロスト・ジャイアント)っていうモンスターが生息しています。コイツ等もドラゴンに近い経験値をくれると思いますから、まだレベル上げが出来ますよ」

 

 「えー……」

 

 ブリタはがっくりと肩を落とした。

 

 

 

 

 ドラゴンたちの解体を終わらせた【鉄の闘志】は素材になったドラゴンを次々にインベントリにぶち込んでいく。それが終わるとブリタが気を使って部屋の外に待機させていた2匹のドラゴンを呼び入れた。その後、流石に立て続けにレベル上げを行うのは酷だと判断したモモンガの提案で、2・3日休息を取る為に一度トブの大森林に設置した拠点に帰還する事になった。帰りは行きと違い転移門(ゲート)の魔法を使う。モモンガはドラゴンの背中に乗って空の旅を楽しみながら帰ろうと提案したが、ブリタが猛反対し、その時ちょっと涙目になっていたブリタを見て、モモンガは渋々断念した。

 

 




 「でも、コイツ等ってモモンガの実力を直接見た訳じゃなじゃない?裏切ったりしないかしら」

 『裏切りなど、滅相もございません』

 「口でそう言われてもねぇ……」

 「では、ハムスケの時と同じ様に恐怖を与えておきましょうか。<絶望のオーラ・レベル1>」

 モモンガがそう口にした瞬間、2匹のドラゴンをショック死してしまうのではないかという程の恐怖が襲った。キーリストランは頭を地につけ服従のポーズを取りながら震え、その斜め後ろではへジンマールが恐怖のあまり漏らしてしまっていた。

 「良かったですねブリタさん。お漏らし仲間が出来ましたよ。はっはっは」

 デリカシーの欠片も無いその言葉にブリタの拳が再びモモンガの頭蓋を揺らし、その場にスパコーンっという気持ちの良い音が響いた。


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