ブリタさん可愛がり   作:ミソカッスン

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44話・乱入

 【死を撒く剣団】の討伐依頼を受注した【鉄の闘志】の二人は一旦拠点に戻り、そこでモモンガの魔法を用いて情報集を行った。敵の規模はそこそこだがレベルは高くない様だ。ブレイン・アングラウス以外には注目するべき人物は存在しなかった。ただ、彼らの根城には幾つか罠が設置してあるらしい、モモンガが魔法で対策しても良かったのだが……

 

 「ブリタさん、罠の解除などの技術はお持ちですか?」

 

 問われてブリタは首を横に振る。

 

 「いいえ、斥候が必要な依頼はあまり受けなかったし、たまに受けても別の冒険者たちと合同の依頼が殆どで、斥候は別の冒険者に任せていたわ」

 

 「なるほど、クレマンティーヌ、お前はどうだ?」

 

 「私は多少そういった訓練も施されております」

 

 「ほう!それは良いな。ではクレマンティーヌ、今回の依頼にはお前も付き合え、罠を解除しつつ基本的な事を私とブリタさんに教えてくれると助かる」

 

 「はっ!必ず御身のお役に立ってご覧に入れます」

 

 クレマンティーヌの返事にモモンガは満足そうに頷いた。

 

 

 

 まだ日も高いうちから【鉄の闘志】とクレマンティーヌは【死を撒く剣団】の討伐に乗り出した。それも正面から堂々と。

 【死を撒く剣団】の根城は洞窟を改造したものの様で、入り口には常に2人の見張りが立っていた。そんな見張りの目に3人の冒険者の姿が映る。

 

 「あ”あ”ん”?なんだテメェら、ここは冒険者なんかが来る場所じゃねぇぞ?おおう?」

 

 向かって右のスキンヘッドの男が威嚇するように声を掛けるが、左のモジャモジャ頭の男がそれを止める。

 

 「いや、良く見ろ。女2人は結構良い感じじゃねぇか。とっ捕まえて楽しもうぜ」

 

 「確かに。良し、じゃあ俺は金髪の方を頂くぜ」

 

 「だろうと思った。それじゃ俺は赤髪の方だな、けけけ」

 

 下卑た笑みを浮かべ、手をいやらしく動かしながら近づく男たち。しかし次の瞬間にはスキンヘッドの男の額とモジャモジャ頭の男の腹に穴が開いていた。男たちの体がドサリとその場に崩れ落ちる。

 

 「これは無用な殺しには入らないわよね?ブリタ」

 

 「当たり前でしょ、いちいち聞かないでよ」

 

 そんな二人のやり取りを聞きつつ、モモンガは野盗の死体を見る。そこにある感情は正に道端の石を見るようなという表現が良く合うものだった。

 

 「おそらくこいつ等はレベルは1桁だな、しょうもない。死体は放置で良いだろう。ではクレマンティーヌ、先頭を歩いてくれ。罠を見つけた際は解除の工程を口頭にて説明しながら行う様に」

 

 「はっ!!」

 

 一行はクレマンティーヌを先頭に野盗のアジトを進む。入ってすぐに毒矢が飛び出す罠をクレマンティーヌが発見し、それを丁寧に解説しながら解除していく。本来なら避けて通るだけなのだが、主であるモモンガの命令などで一切気を抜かない。

 そうして進んでいくと漸く3人目の野党と遭遇した。その野党はモモンガたちに気が付くと直ぐに大声を上げて応援を呼んだ。

 

 「ふむ、本来ならこれは入り口にいた見張りの役目なんじゃないか?」

 

 モモンガが素朴な疑問を口にする。

 

 「この国に碌な傭兵団なんてありません。どの傭兵団も練度はこんなものかと」

 

 そうか、と納得しモモンガは気にせずどんどんと歩を進める。ちなみに3人目の野党は既に喉を掻っ切られて絶命している。それを行った本人であるクレマンティーヌは自身の手にある短剣を見つめている。ちなみに、その短剣はモモンガが貸与したものだ。

 

 「言っておくがクレマンティーヌ、お前のレベルだとこんな雑魚を倒してもレベルは上がらん。スティレットを使っても構わんぞ?」

 

 「いえ、短剣の感覚に慣れておきたいので」

 

 「そうか、まぁお前の良い様にすれば良い」

 

 「はい、ありがとうざいます」

 

 2人がそんな会話をしていると騒ぎを聞きつけた野盗たちが駆けつけて来た。

 

 「結構な数ね」

 

 ブリタがそう言って槍を構えるが、ブリタがそれを手で制する。

 

 「待ってブリタ、あの辺にはまだ罠があるわ。私に任せて」

 

 「ん、了解」

 

 ブリタは大人しく槍をさげ、それを確認したクレマンティーヌが敵の群れに突っ込んでいく。クレマンティーヌは敵の攻撃を見事に避けつつ一人ずつ的確に敵を仕留めていく。時には罠を態と踏み、その罠で敵を足止めしたり、敵同士を同士討ちさせたりと、巧みに戦っていく。

 

 「見事なものだな……」

 

 モモンガは独り言のつもりだったが、それにブリタが答えた。

 

 「そうね、私には絶対無理な戦い方だわ。1体多数の戦い、それも不利な状況の戦いに慣れてる感じがするわね」

 

 そうして戦いは一方的な展開のまま、最後の一人の心臓が短剣に突き刺され地に伏せた。その瞬間、洞窟の奥から1人の男が現れた。

 

 

 

 「よう、楽しそうだな。俺も混ぜてくれよ」

 

 

 

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