魔法省の建物に通された【鉄の闘志】は、直ぐに応接室に通された。ちなみに、2匹のドラゴンとハムスケは王宮にある中庭で休ませている。
ブリタがお茶請けに手を伸ばした時、応接室の戸が開き一人の老人が入室してきた。身長の半分ほどもあろうかとういう白く長い髭をたたえ、髪も同じように長い。顔には時永く生きた証拠ともいえるような皺が刻まれている。
老人は純白のゆったりしたローブをふわりとなびかせると、【鉄の闘志】の向かいに座った。
「お待たせした。私がフールーダ・パラダインだ。早速だが、本題に入りたい。何でもお主たちは第7位階―――」
「パラダイン様!お一人で勝手に行かれては困ります。私はパラダイン様の護衛を陛下から仰せつかっているのですから!!」
声を荒げながら遅れて入室してきたのは、先ほど顔を合わせたニンブルという騎士だった。
「護衛など必要ない。どうせお目付け役であろう。儂の邪魔をせぬ様に後ろに立っておいてくれればそれで良い」
「はぁ……魔法の事となると……分かりました。私は壁のシミです、どうぞお気になさらず、お話を続けてください」
ニンブルはため息を漏らしながらフールーダの後ろに移動すると、その場で姿勢をただした。
「さて、邪魔が入ったが仕切り直しだ。何でもお主たちは第7位階の魔法込められたマジックアイテムを所持しているとか。それは本当か?」
「はい、こちらがそのマジックアイテムになります」
モモンガは懐にしまっておいた魔封じの水晶を取り出すと、大理石で出来たテーブルの上に置いた。
「ふむ、知らぬアイテムだ。鑑定魔法を掛けても構わないかね?」
「勿論ですとも」
モモンガはどうぞ、と手を差し出す。
「では。<
フールーダが鑑定の魔法を唱えると、応接室には沈黙が流れた。暫くの間、魔封じの水晶をマジマジと観察していたフールーダだったが、その表情は次第に綻び、気色悪い……もとい喜色満面で笑い始めた。
「ふはは、ふはははははっ!!素晴らしいぃ!確かにこのマジックアイテムには第7位階魔法が封じ込められておる!このマジックアイテムを上手く解析出来れば、儂の魔法の研究も進展するやも知れん!」
水晶を掲げ、不気味に笑い続ける老人にその場にいる3名が若干引いている。モモンガはゴホンと咳をする。
「失礼、少々取り乱した」
フールーダ―はソファーに腰を掛けなおし、話の続きを始める。
「さて、聞いた話によると、何でもそなたたちは儂に頼みがあるのだとか、その頼みを聞けばこの素晴らしいマジックアイテムを譲ってくれると聞いたが、間違いはないか?」
「はい、その通りです」
「ふむ。して、その頼みとは何だ?この老骨に叶えられるものなら、出来る限るの事をすると約束しよう」
モモンガは少しだけ溜めて答えた。
「はい、実は―――」