ブリタさん可愛がり   作:ミソカッスン

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 予約投稿をミスって63話を飛ばしてしまっていました。差し込んでおきましたおきましたので、良ければお読みください。



63話・狸爺

 「パラダイン様!現在帝都で謎のアンデットが暴れているおります!至急帝都に戻り、討伐にお力添えを願います!!」

 

 カッツェ平野で幽霊船の調査をしていた事になっているフールーダの元に、皇室空護兵団の騎士が報告する。

 

 「なんと?!それはどの様なアンデットだ?儂が相手をせねばなるぬ程のアンデットなのか?」

 

 狸爺という言葉が良く似合うな、そんな事を考えながらモモンガとブリタは事の成り行きを見守っていた。

 

 「何という事だ。まさか死の騎士(デス・ナイト)の拘束が解かれたのか。良し、直ぐに儂も現場に向かい対処を―――待て、今儂の弟子の一人から伝言(メッセージ)の魔法が届いた、暫し待たれよ」

 

 「伝言(メッセージ)、ですか?」

 

 「うむ……『儂だ、どうした?……何?死の騎士(デス・ナイト)が帝都を出てカッツェ平野を目指し移動しているだと?』」

 

 フールーダはわざとらしく騎士に聞こえるように弟子の報告をオウム返しで確認する。モモンガは少し笑いそうになってしまったのを誤魔化す為に咳をした。

 

 「『うむ、それで正確な方向は分かるか?……うむ……なんと!まさしく儂らがおる場所ではないか。もしやあの死の騎士(デス・ナイト)は閉じ込められたことを根に持って儂を狙っておるのか?ならば都合が良い。決着はカッツェ平野で付けるとしよう。この場所でなら周りの被害を気にする事なく魔法が使えるからの。………何?捕らえないのか?じゃと?馬鹿者、帝都に被害を出してしまったのじゃぞ、二度とその様な事が無いように滅ぼすに決まっておる。……うむ……では、その様に報告しろ……』という事だ。皇室空護兵団の騎士よ。アンデットは儂と【鉄の闘志】で対応する。お主は陛下に被害が出ぬ様、冒険者やワーカーなどに暫くの間カッツェ平野には近づかぬ様に徹底して欲しいと伝えてくれ」

 

 フールーダの発言に、しかし騎士は頷かない。

 

 「し、しかしパラダイン様。伝言(メッセージ)の魔法はその精度に問題があり、信憑性に欠けると聞き及んでおります。パラダイン様も普段はお使いになられないとか。ここは一度帝都にお戻り頂き、真偽のほどを確かめた後に対応を決めるべきでは?」

 

 「馬鹿者。先ほどの報告に間違いが無く、アンデットの標的が儂であったなら、せっかく帝都を離れたアンデットを帝都に呼び戻すことになるのだぞ?伝言(メッセージ)の魔法の信憑性についてはお主の言う通りだ。だからこそお主は単独で帝都に戻り、口頭で先の話を陛下に伝えるのだ。それと、儂の弟子に真偽を確かめるのも忘れるでないぞ。もし、先の伝言(メッセージ)の偽りや間違いがあったなら、それを纏めた上でもう一度こちらに来い。もし儂が戻る必要がありそうならば、先ほど儂に伝言(メッセージ)の魔法を使ってきた儂の弟子に、もう一度伝言(メッセージ)を使わせて連絡させろ、もし同じ人物から違う内容の伝言(メッセージ)が届いたなら、先の報告が偽りであったと判断する。何故なら同じ人物に伝言(メッセージ)を使わせる様に命令したのを知っているのは、儂とお主、それとこの【鉄の闘志】の二人のみなのだからな。分かったな?」

 

 騎士は少しの間、フールーダの話を頭の中で整理してから頷いた。

 

 「畏まりました」

 

 「弟子の話ではアンデットは一直線にこちらを目指しておるらしい。お主が目視出来れば確認の手間も省けるかもしれんの。兎に角急いでくれ、伝言をよこした弟子の名は―――」

 

 「はっ!」

 

 フールーダに弟子の名を聞いた騎士は、急いで今来た空路を戻って行った。それを見送るフールーダの目には怪しい光が宿っていた。

 

 

 

 

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