「ん?」
モモンガとブリタの二人がトロールの死骸から討伐証明部位を剥ぎ取っていると、モモンガの探知に引っ掛かる一団があった。正確な数までは分からないが結構な数が纏まって移動しているようだ。
モモンガは
「どうしたの?」
モモンガの異変に気付きブリタが声を掛けて来た。
「どうもトブの大森林内を移動する一団がいるようです。モンスターなら経験値稼ぎの続きをしましょう」
「うげ、まだやるの?」
モモンガは鏡の視点をスイスイと進めて行く。森を4・5分進めると、探知に引っ掛かった一団の元に辿り着いた。
どうやら一団は人間のようだ。頬に傷のある男を先頭に森の中を進んでいる。ブリタの話ではこの森はミスリル級に相当する冒険者でもなければ探索は難しいらしい。だとすれば、この一団は結構なレベルであることが想像できた。あくまで現地の人間にしては、だが。
「人間か……ブリタさん。彼らの正体に心当たりはありますか?」
モモンガが尋ねるとブリタは首を横に振った。
「無いわね。ただ、恰好からして全員
ブリタの情報を聞いてモモンガは顎に手を当て考え込む。
「うーん……それは怪しいですね。何が目的でしょう?ちょっと探ってみましょうか」
モモンガ達が一団を監視していると、とある事に気が付いた。一団は森の端から一定の距離を取って移動しているようだ。何かあるのかと考えたモモンガは鏡の視点を森の外に移した。そこには鎧を着た一団が居た。その鎧の一団を見たブリタが呟いた。
「これはバハルス帝国の鎧?」
「バハルス帝国?それって確かリ・エスティーゼ王国と毎年戦争をしているっていう隣国の名前でしたよね?」
「ええ、そうよ。でも何でバハルス帝国の奴らがこんなところに……」
「ふむ……」
モモンガは今度は鎧の一団に対象を移して監視を続ける。鎧の一団は暫く移動すると小さな村にさしかかる。カルネ村だ。カルネ村に着いた一団は突如剣を鞘から抜き村人たちに襲い掛かった。
「ヒドい……」
モモンガの隣でブリタが怒りで拳を振るわせた。
モモンガは敵の戦力を冷静に分析する。速度や攻撃力からしてレベルは10にも満たない雑魚だろう。ただし森の中の一団という不確定要素もある。どうしてものかとモモンガが悩んでいるとブリタが声を掛けて来た。
「モモンガ、彼らを助けられない?」
「うーん……あまりメリットを感じませんね」
「メリットって……そうか、モモンガはアンデットだもんね。だったら、アイツらを殺して私のれべる上げをするっていうのはどう?」
「ふむ、確かにPVPは良いかも知れませんね。とは言えトロールより経験値が多いとも思えませんし、別の職業レベルを上げましょうか」
モモンガはインベントリから大剣を一本取り出し、それをブリタに手渡した。
「武器をこちらに換えてください」
「理由は良く分からないけど分かったわ」
ブリタは言う通りに大剣を装備して片手剣と丸盾をモモンガに返却する。
「それじゃバフを掛けなをしてから―――ああ、そうか今度は魔法耐性も上げないと」
モモンガはブリタに幾つもの支援魔法を掛けて準備を整えた。
「それじゃあ、行きましょうか。危なくなったら私が相手をします。それでもダメだったら逃げますけど、構いませんね?」
「ええ、村の人たちには悪いけど自分たちの命の方が大事だものね」
ブリタの確認を取るとモモンガは