「どうやらこの娘。アルシェは親の借金の返済の為にワーカーとして働いている様ですね」
一度拠点に戻ったモモンガは幾つかの魔法を併用して、貴族街で見かけた少女の動向を観察していた。
「ワーカーをやる根性があるなら、そんな家出れば良いのに。それにしてもモモンガ、ストーカーっぽいわよ?」
「情報収集ですよ。それで、彼女が家を出ない理由ですが、どうやら二人の妹がいるせいみたいですね。その妹たちを残して家を出る訳にはいかないし、連れて出るだけの準備が出来ていないみたいです」
「なるほどね。で?モモンガはそんな事を調べてどうするつもりよ?」
モモンガは集めた情報から作戦を練ることにした。単純に金を渡して紹介状を書いて貰おうかと思ったが、そうした場合、おそらくその金はあのクズな両親に渡るだろう。それは癪に障る。
「例えば、家を出た後に妹たちと暮らせる場所を用意するってのはどうでしょうか?」
「暮らせる場所?そんなのどうやって用意するのよ?」
「そうですねぇ……例えば、カルネ村はまだ移民を募集してますよね?」
「……でも、その娘たちって貴族なんでしょ?急に村に住めって言われて住めるものかしら?」
「アルシェはワーカーをやってるぐらいですからね。問題はないでしょう。妹たちの方も、年齢が幼い分適応も早いと思いますよ」
「まぁ、今の両親の元に居るよりはマシかもね?」
「後は本人たちの意志の問題ですね」
「いや、待って。帝国の貴族を勝手に王国に移動させて住まわせるなんて良いの?問題になりそうだけど?」
「法律的にですか?駄目でしょうね」
「じゃあダメじゃん」
「この世界の法律は割と笊ですからね、どうにでもなると思いますよ?」
「どうにでもって……例えば?」
「そうですねぇ……アルシェと妹たちには冒険者登録して貰いましょう。それだけで良いと思います」
「へ―――?」
あまりに雑な説明にブリタは間の抜けた声を上げた。
「冒険者は国に縛られませんからね。現に私なんか国籍もないのに王国に滞在していますし。全て自己責任になる代わりに自由だ」
「確かに……」
「ね?簡単でしょ?後はお金の問題ですけどマジックアイテムを渡して売るように言っても良いし、簡単に稼げるようになるぐらいまでレベル上げを手伝って上げるのも良いかもですね」
「またレベル上げ?モモンガってレベル上げ好きよね」
ブリタは過食気味と言わんばかりにげんなりとした顔を見せた。
「別に好きな訳じゃ……いや、レベル上げは結構好きな作業ですけど。好きだからやってる訳じゃないですよ?必要だからやってるだけで……まぁアルシェたちが私の提案を受け入れなければ他の方法を考えますよ」
モモンガはそう言うと、アルシェと接触する為に