ブリタさん可愛がり   作:ミソカッスン

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74話・事情

 「なるほど、つまりワーカーと言うのは冒険者登録していない冒険者という感じの仕事なのですね」

 

 「あ~……王国だとワーカーはいねぇから知らないのも無理ないか」

 

 「二人は何で帝国に来たの?」

 

 「観光よ」

 

 「「「「観光?」」」」

 

 【鉄の闘志】は他愛無い日常会話で【フォーサイト】とのコミュニケーションを取ることにした。それが今行われている会話だ。

 

 「オリハルコン級ともなると生活にゆとりが出来るのよ」

 

 ブリタはそういって冒険者プレートをちらつかせる。

 

 「へぇ、そりゃ羨ましいこった」

 

 ヘッケランの発言に他の三人が頷いている。

 

 「ところで、皆さんは何故冒険者登録なされないのですか?」

 

 モモンガの問いに、【フォーサイト】の面々は目を合わせると、しばらく見つめ合ったのち、ヘッケランから語り始めた。

 

 「俺は金だな。帝国では騎士たちがモンスターを狩るから冒険者は仕事が少ねぇんだ。まともな仕事はカッツェ平野のアンデット討伐ぐらいだな。その点、ワーカーは冒険者組合では引き受けられない仕事もある。危険はあるが見返もデカい。それがワーカーさ」

 

 「私はヘッケランの付き添いみたいなモノね。まぁ理由もほぼ同じと思って貰って良いわ」

 

 ヘッケランの話に続いたのがイミーナだった。どうやら二人は恋人関係にあるらしい。

 

 「私の場合は、冒険者では出来ない事が多いから、ですかね。治癒魔法を使用するのに神殿の許可が必要な冒険者何て、糞くらえですよ」

 

 「おいおい、元神官とは思えない言葉だな、ロバーデイク」

 

 ははは、と笑うヘッケランの顔は、そんなロバーデイクの事を気に入っていると書いている様だった。

 

 「最後は私、だけど私もお金が目的。私にはお金がいる、それだけ」

 

 最後にそう語ったのがアルシェだった。

 そこですかさずモモンガが問いかける。

 

 「あれ?私は先日貴族街を観光しようとして関所で止められたのですが、その時貴族街の方から歩いてくるアルシェさんらしき方をお見掛けしたのですが……アルシェさんは貴族では無いのですか?」

 

 モモンガの問いに、アルシェの方がピクリと小さく揺れる。アルシェは少し間を置いて答えた。

 

 「……私は、元貴族。ジルクニフ陛下が即位して私の家は没落した。それでも両親は過去の栄光に縋って家を手放そうとしない。だから今でも貴族街に住んでいる。だけど、それも時間の問題」

 

 「なるほど、それで冒険者では無く、少しでも稼げるワーカーになったのですね」

 

 モモンガはさも今初めて知ったと言わんばかりに、頷きながらアルシェの話を聞いく。その近くではヘッケランたちがそんな両親はぶん殴ってでも目を覚まさせるべきだと息巻いていた。

 

 

 

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