ブリタさん可愛がり   作:ミソカッスン

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09話・王国戦士長

 ブリタは次々と兵士たちを切り倒し、僅か数分で村を襲っていた兵士たちを殲滅した。兵士たちを殲滅したブリタは村の中央に集められていた村人たちに状況を説明し、モモンガは先ほどの少女たちを呼びにいった。

 あらかた状況を説明し終えて報酬の話も終えて亡くなった村人たちの埋葬が始まった時だった。村の入り口の方から村人が走ってきて叫び声にも似た声を上げた。

 

 「大変だ!鎧を着た一団がこの村に近づいて来ている!」

 

 そこ言葉を聞いて村人たちは騒めき始めた。モモンガとブリタは村人たちを落ち着かせ、自分たちが鎧の一団と対応すると言い村長だけを残し残りの村人は倉庫に避難させた。

 やがて鎧の一団が村に辿り着いて、先頭の隊長らしき人物が馬上から名乗りを上げた。

 

 「私はリ・エスティーゼ王国、王国戦士長、ガゼフ・ストロノーフ。この近隣を荒らしまわっている帝国の騎士たちを討伐する為に、王のご命令を受け村々を回っている者である」

 

 ガゼフの名乗りを聞いてブリタと村長が声を漏らした。

 

 「「王国戦士長……」」

 

 二人の反応を見れば、彼が有名人であることはモモンガにも何となくわかった。

 

 「この村の村長だな?横の二人は一体誰なのか、教えてもらいたい」

 

 「この方たちは冒険者でして、この村が襲われていたのを助けて頂きました」

 

 村長に紹介され二人が名乗る。

 

 「は、初めまして。戦士長様!私は冒険者チーム【鉄の闘志】のブリタと申します」

 

 「私はモモンガと申します」

 

 二人は頭を下げる。モモンガは落ち着いているが、ブリタは思わぬ大物の登場に完全に緊張してしまっているようだ。

 村長の説明を聞いたガゼフは馬から降りて頭を下げた。

 

 「この村を救って頂き、誠に感謝する」

 

 頭を下げるガゼフにブリタがあたふたしていると、後方の兵士が近づいて来てガゼフに報告を始めた。

 

 「戦士長!周囲に複数の人影、村を囲むような形で接近しつつあります!」

 

 兵士の一報を聞いた一同は一旦建物に身を隠し、建物の中から周辺を確認する。先ほどの兵士の報告通り村はすっかり包囲されてしまっているようだ。

 

 「ねぇ、モモンガ。そいつらって鏡で確認した魔法詠唱者(マジック・キャスター)よね?」

 

 ブリタは他の者たちに聞こえないように小声でモモンガに訊ねた。

 

 「その様ですね。どうやら彼らの狙いは……」

 

 モモンガはガゼフを見た。モモンガの考えが確かならあの魔法詠唱者(マジック・キャスター)と先ほど村を襲った鎧の一団は仲間だったのだろう。そして狙いは恐らく、王国戦士長、ガゼフ・ストロノーフその人だ。

 

 「確かに囲まれているな」

 

 ガゼフがモモンガたちに聞こえるようにつぶやいた。

 

 「一体彼らは何者なのでしょう?」

 

 モモンガが尋ねるとガゼフは少し考えてから話し出した。

 

 「あれだけの数の魔法詠唱者(マジック・キャスター)を揃えられるとなると、スレイン法国だろう。それも神官長直轄の特殊工作部隊、六色聖典のいずれかだろう」

 

 「では、先ほど村を襲ったやつ等は?」

 

 モモンガは答え合わせでもするかの様にガゼフに質問を続ける。

 

 「装備はバハルス帝国の物だったが、どうやらスレイン法国の偽装だったようだな」

 

 「やはり……」

 

 ガゼフの考えが自分と同じだったとしり、モモンガは頷いた。後は、彼らが村を襲撃した理由だ。

 

 「この村にそんな価値があるのでしょうか?」

 

 「【鉄の闘志】のお二人に心辺りは?」

 

 「ありませんね」

 

 モモンガが即答すると、それにブリタも続いた。

 

 「わ、私もありません」

 

 二人の答えにガゼフは一つの答えを出した。

 

 「だったら答えは一つだ」

 

 「王国戦士長の首……ですか」

 

 「困ったものだ。まさかスレイン法国にまで狙われているとは」

 

 たった一人の首にここまでやる事に関心しながら、モモンガはスレイン法国の部隊を見る。村を囲むように配置された魔法詠唱者(マジック・キャスター)、それと、その魔法詠唱者(マジック・キャスター)に召喚されたと思わしき天使型のモンスター達だ。

 

 (ブリタさんの話では第三位階の魔法が使えればエリートと呼ばれるんだったか?あれはアーク・エンジェル・フレイム。第三位階の召喚魔法だ。という事はカルネ村を包囲している奴らはこの世界ではエリート部隊ということだろう。これはブリタさんの良い経験値になるな)

 

 モモンガがそんな事を考えているとガゼフが声を掛けて来た。

 

 「お二人とも、良ければ雇われないか?」と―――

 

 

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