今日はバンドもなく、華道もない。
たまにしかない休日。
新曲を作ろうと思ったけど、歌詞もフレーズも浮かばないから今日はそれもお休み。
何をしようかと思ってるときに、携帯がなった。
モカからだった。
携帯に表示された青葉モカの文字を見ると、不意に口元が緩んだ。
最近の私はどこか変だ。モカとあったりモカと話したりすると、口元が緩みそうになる。表情筋が仕事しない。
なぜだかはわからない。
送られてきたメールの内容は、
『今日はモカちゃん暇なんだよね〜、蘭がもし暇ならこの超絶美少女のモカちゃんとで〜としな〜い?』
やっぱりメールでもモカはモカだ。
とりあえず、
『わかった、どこ集合?』
とだけメールを送る。
少し、無愛想だろうか。
前まではこんなこと、気にもとめなかったけど。
やっぱり最近の私は変だ。
待ち合わせの場所に向かう。
今日はちょっと気合を入れて、いつも通りだけど少し大人っぽく服を選んだ。
モカなら気付くのかな。
待ち合わせの場所につくと、すでにモカは到着して、ベンチに腰を掛けていた。
急いで駆け寄り、隣に座る。
「ごめん、待った?」
「だいじょ〜ぶ、いまきたとこ〜。なんかカップルみたいな会話だね〜」
「か、かっ///別に、そんなんじゃないし!///」
「あれれ〜?蘭〜、顔真っ赤だよ〜?」
顔が熱い。何故だろう。
前までこんな悪ふざけ、はいはいそうですねで流せたのに。今じゃすごく嬉しい気持ちになる。
「そ、それより、早く行こ!!」
「りょ〜か〜い」
適当にぶらぶらショッピングモールを散策していると、おしゃれだけどかわいい服屋さんがあったのでそこで少し服を買うことになった。
「せっかくなんだし〜、おそろいにしな〜い?」
「おそろいはいいよ」
「えぇ〜、なんでぇ〜?」
「ちょっと恥ずかしい。」
それに、モカとお揃いなんて着たら自分の心臓が持たない気がする。なぜだかはわからないけど…
「じゃ〜、この天才モカちゃんが蘭の服をセレクトしてあげましょ〜」
「ん。」
「これとかどお〜?」
モカが見せてきたのは、冬から春にかけて着れるタイプのワンピースだった。クローバー柄ですごく可愛い。
「こんなのみんなの前では着れないよ、恥ずかしい。」
「じゃあ〜、二人っきりのときはいいってこと〜?」
モカが意地悪な笑顔で聞いてくる。
別に着るのは嫌じゃない。だけどただ、ほんの少しだけ恥ずかしいのだ。
「別に…二人のときなら」
「っ!?蘭…?ほんとにいいの〜?」
「なんでよ、二人なら別に誰にも見られなくて済むじゃん。」
「そっか〜、蘭は変わったね〜」
「どこが。てか、あたしのことはいいからモカの服も選ばして」
「りょ〜か〜い」
「これとかは?」
私が選んだのは、ゆったりと着れてかつ猫耳のついているモカが着たら絶対かわいいパーカーだ。
「お〜、いいねぇ〜、って猫耳〜?なんで〜?」
「な、なんでも!!早くお会計行こ!」
可愛いと思ったからなんて死んでも言えない。
「へぇ〜、モカちゃん照れるなぁ〜」
「人の心読まないで!?」